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俺が入院しているスキに俺の実家がRPGの舞台になっていた件について  作者: 時田総司(いぶさん)
第六章 オープンワールド

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第七十三話 火遁・爆炎放射

ノノの疑問は尽きない。


「て、寺岡さんはそれで良いのでしょうか?」




「……」




「……?」


寺岡は暫くだんまりを決め込んでおり、呼吸をしていること以外はまるで動きもしていなかった。しかし、数秒の沈黙を経て、遂に寺岡が口を開く。




「私は本を書こうと思っておりまして……」




「!」


「!!」


「!?」


「!!?」




タクヤ達パーティに稲光が落ちた様な衝撃が走る。


「本と言いましても、それは植物に関する本でして……」




「!」


「!!」


「!?」


「!!?」




はぁーと、深く溜め息をついたガブリエルは呆れながらも諦めて、言った。


「やれやれ、またこれだ。ずーっとこんな調子なんだよ、寺岡さんは。いつもいつも、何が言いたいのか分からないよ」


「植物は、太陽の光を……」






瞬間――、






「ドッガァ!!」






寺岡の背後を、黒いドラゴンが襲った。




「!」


「!!」




あまりの突然の出来事に両パーティは、只々驚くことしかできなかった。




『バックアタック、先制! 敵のターン:龍の牙』




「浴びて……」


『寺岡にヒット! 寺岡、HP:0/4、寺岡は力尽きた』




「はっ! バックアタック!!」




タクヤの脳裏を、過去の記憶がよぎる。




(回想)


「アクション要素、バックアタック――、バトル前に後ろを取られると先制されるんだ!」


(回想終了)




(バックアタック……忘れてた仕様だが、こんなところで敵にそれをされるとは……てか、寺岡さんHP:4/4がマックスって一体……)


「お前は誰だ!?」


ガブリエルが叫ぶ。寺岡の陰に隠れていた敵の姿が顕になった。


「! ……お前は!!」


タクヤの前に現れた、その敵は――、




『堕天使ルシファ!!』




力尽きてだんまりになった寺岡以外の味方は、声を揃えて言った。


「またお前らか……。ガブリエルまでおるのぅ……。まあ良い、ここでみな倒すまでよ」




『堕天使ルシファが現れた!』




「行くぞ皆! ここでコイツとの因縁を断ち切るのだ!!」


『ガブリエルのターン:戦う――、槍で突く!』


「ズサッ!」


『ヒット! ルシファ、HP:427/500』


「よし!」


「くっ……流石よのぅガブリエル……しかし、これはどうだ……?」




『ルシファのターン:スキル、火遁・爆炎放射!!』






「はあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!」






ルシファの乗っているドラゴンが口を大きく開け天を仰いだ。口からは火山よりも熱そうな火の玉の様なモノが生まれ、時が進むごとに大きくなっていった。火の玉がドラゴンの顔よりも大きくなった時――、それは起こった。






「行けっ!! 爆炎放射!!!!」






火の玉はルシファの声と共にドラゴンの口から放たれ、無数にわかれてタクヤ達に向かっていった。




「うわっ!」


『タクヤにヒット! タクヤ、HP:85/167』




「くっ」


『ガブリエルにヒット! ガブリエル、HP:115/200』




「がっ!!」


『タケヒコにヒット! タケヒコ、HP:93/180』




「わわっ!」


『ノノにヒット! ノノ、HP:70/151』




「うわぁ♪ よいしょー、よいしょー」


『セルジュは……攻撃をかわした』




「んな!?」


「はぁ!?」




タクヤとノノはセルジュに駆け寄った。




「そんなのアリかよ!? 皆攻撃食らってんのに!」


「一人だけズルいですよぉ! 私なんて次食らったら力尽きてしまいます……」




「あー♪ それなら、この幸運ステータスを上げる、天使の指輪付けてるから避けられたんだと思うよ」


「くれ! それ俺にくれ!」


「やだー♪」


「いつの間にそんなモノを手に入れたんですかぁ!?」


「皆がログインしていない、平日の昼、とか?」




(いよいよもってこやつが何者なのか分からなくなってきたな、ノノ)


(ハイ。理解が追い付きません、タクヤ君)




タクヤとノノは視線だけで会話をしていた。




「あ……」


『アキラにヒット! アキラ、HP:0/47、アキラは力尽きた』


「アキラ監督!!」


(監督……少し頑張ってHP47にしたけど、もうそのレベルでは話になんないです……)


タケヒコはアキラの身を案じる声を掛けたが、タクヤはアキラを諦める思いで、そっと目を閉じた。あきらだけに……。


「ナレーション、つまんねぇこと言ってんじゃねーよ!」


……。


「くっ! どうします!? 私なんかもう一回で力尽きるくらいのダメージ、皆さんも、二回食らったら致命傷ですよ?」


「こ……攻撃は最大の防御だ! 倒される前に押し切るぞ!」


ノノの問いに、ガブリエルは敢えて怯まずに攻撃する方法をとる構えを見せる。と、ここで一つの疑問がガブリエルの脳裏に浮かんだ。


「それにしても――(何故前会ったときには、あの『爆炎放射』という技を使わなかったんだ……?)」


「くくく……」


「!?」


ルシファは、不敵な笑みを浮かべた後、ガブリエルに言葉を投げかけ始めた。


「何故この『火遁・爆炎放射』を使わなかったか、疑問か? ガブリエルと出会ったのは確か市街地……。あんなに人目の多いところで使うと、悪目立ちしてしまうからのう。ゼト様の右腕として、秘密裏に行動すると決めておるので市街地では使わなかったのじゃ。一方で、タクヤ達に出会ったのは水の都――。この炎を消すのに十分な水分が多い場所だった為、そこではこの技を使わなかったのじゃ」




「御託はもいい!」




「!?」


タケヒコが口を開いた。


「いいから勝負だ! ルシファ!!」




『タケヒコのターン』

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