↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
俺が入院しているスキに俺の実家がRPGの舞台になっていた件について  作者: 時田総司(いぶさん)
第六章 オープンワールド

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

64/117

第六十四話 堕天使・ルシファ

「!? 堕天使……?」


タクヤがその言葉に驚愕したが、マリン族の二人は淡々と話す。


「そうだ。堕天使の正体はルシファだと思われる。魔将軍ゼトの手下だ」


「俺達は洞窟を追い出された。ルシファから逃げ出す時に、僅かに見えたのは、奴がマリンの宝玉を片手に持っていたことだ。アレは間違いない。アレはマリンの宝玉だ」


「確かに、マリン族大聖堂に祀ってあったハズの秘宝、マリンの宝玉は最近無くなっている……」


タケヒコが顎に手をやり、少し下に顔を向け考え事をする。そこでタクヤは声を上げた。


「これはビンゴだろ!? マリンのオッサン達、その洞窟の場所を案内してくれ!!」


マリン族の二人は顔を見合わせ、コクリとうなずいた後、口を開く。


「オッサンは余計じゃが……カノン様にその紋章を渡される程の者なら仕方ない。案内しよう」


「っし! サンキュな」


「……」


タケヒコは未だに何かを心配する様子で考え事をしていた。


「どうしたのですか? タケヒコ君」


「ん? ああ、ノノ。少し懸念材料があってな。敵があのル……」




「よーし、早速行くぞ! 洞窟」




タクヤは大声でタケヒコの言葉を遮った。


「敵が、どうしたのですか?」


「うーん、まあいい。洞窟に向かうとしよう」


「? はい……」


タクヤ達一行は、タケヒコが一抹の不安を持ちながらではあったが、マリン族の住処とされる洞窟に向かうコトとなった。




マリン族の洞窟入り口――、


「ここだ。ここが我らの住処だ」


「我らはルシファに対抗する術がないので、ここまでとさせてもらう」


「おう、サンキュな。船頭さんもあざーっした!」


「ああ」


ここまでは、これまでと同じく舟での移動だった。水の都の南西の海を、マリン族が泳ぎ、それをタクヤ達が、船頭が漕ぐ舟で追う形となっていた。


「またここで待っているぞ」


「おなしゃす! さあ、中に入るぞ!」




『おー!』






――、




洞窟内――、


そこは外壁と天井が氷に覆われており、凍てつく様な様相を醸し出していた。その寒々とした様子に、タクヤとノノが思わず声を漏らす。


「中はひんやりとしてて冷たそうだな……」


「うう……、見てるだけで寒気が伝わってきます」


と、ここで――、




「しっ! あそこ、居るぞ……」




タケヒコが人差し指を立て、他の三人に注意を促した。


「おっ」


タクヤは視線を洞窟の奥にやる。そこは洞窟の最深部で、黒いドラゴンに乗った、甲冑を付けた女が佇んでいた。女の手には、まんまるとした透き通った色の宝玉が、乱雑に抱えられていた。


(アレがルシファか……行くぞ、皆!)


と――、


そこでタケヒコがタクヤを引き止める。


(待てタクヤ! バックアタックからの先制攻撃ができるチャンスをうかがおう)


(そんなに上手くいくのか、タケヒコ?)


(じゃあ40秒だけ、試させてくれ)


(OK、40秒だけだからな)




――、


(37、38、39……、くっ! アイツ……毛ほどの油断も、微塵の余裕もかましてねえ)


(行くぞタケヒコ。正面突破しかなさそうだ)


(ふー、どうやらその様だな、タクヤ)




「(よし!)行くぞ! 皆!!」




『おー!!』




「!」


パーティの大声で、ルシファがタクヤ達の気配に気付いた。




『堕天使ルシファが現れた』




「早速ステータス見て、HP拝ませてもらうぜ」


タクヤはゲームの機能であるステータス表示を行い、敵、ルシファのHPを確認した。




『ルシファHP:500/500』




「……」




タクヤは真顔で黙り込んだ。


「ご……、500!?」


「そうだノノ。さっき考え事をしていたのは、相手が相当な強敵だというコトだ。倒しきれないかも知れない」


敵のHPに驚愕するノノに、タケヒコは冷静に言う。


「タ、タケヒコサン。コレモキット負ケイベントノ一種デスヨネ? 負ケテイインデスヨネ?」


タクヤはネコを前にした、絶体絶命のネズミのような心境になり、急に片言になりながらタケヒコに問う。だが、タケヒコは首を横に振った。


「ダメだ……。ここで全滅すると、ゲームオーバー。セーブポイントからやり直しになる」




「NOOOOOOO!!!!」




タクヤは頭を抱え悶絶する。


「仕方ありません。倒せはしなくとも、マリン族の秘宝を取り返す目的だけは達成しましょう!」


「ん♪」


ノノとセルジュは臨戦態勢に入った。その様子を見たルシファ。敵対心を強めるように刺す様な鋭い眼光で睨み付けてきた


「誰じゃ貴様らは? 私は堕天使ルシファ。ゼト様の右腕として世界の調和を乱し、混沌をもたらす者。その邪魔をするのなら、ここで葬られてもらおうぞ」


ルシファは槍を構えた。タケヒコは身構える。


「攻撃……来るぞ……!」




『ルシファのターン:龍の牙!!』


「ひっ!」


ルシファの乗っていた黒いドラゴンはノノに噛み付いてきた!


「ガブリッ」


「ぎゃ!」


『ノノにヒット! ノノ、HP:38/151』


「うぇー、やられましたぁー」


ノノに致命傷が――。それでもタケヒコは冷静だった。


「流石に速いな! ノノ、大丈夫か!?」


「初めて100以上食らいましたー」


「2ターンあれば相手に倒されるな、タケヒコ。よし、お前のターンだ! 行け!!」


「タクヤ……お前……」


「?」


「敵のHPの高さと、さっきのノノへの攻撃で、ビビってんな?」




「――!!」




タクヤのプライドは粉々に砕け散った。そしてわめき散らす。


「ビビってねーし!! 寧ろビビってんのはてめーだろーが!! さっさとやってこい!」


「んな滅茶苦茶な……まあいい。やれるだけやってやる」


タケヒコは剣を構える。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。