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俺が入院しているスキに俺の実家がRPGの舞台になっていた件について  作者: 時田総司(いぶさん)
第六章 オープンワールド

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第六十五話 ドラゴンナイト、タクヤの憂鬱

『タケヒコのターン:戦う――、斬り付ける!』


タケヒコは装備していた剣でルシファを切り付けた。


「ザンッ!!」


『ヒット! ルシファ、HP:450/500』


「くっ! 中々やるな! 主……名前は何と言う?」


ルシファの問いにそっと口を開き、タケヒコは答えた。


「タケヒコ……剣闘士タケヒコ……!」


「剣闘士タケヒコか、覚えておこう」


「(なーんだ、タケヒコの攻撃でも結構効くんじゃん)次は俺様の番だぜー!!」


タクヤは余裕綽々と言った感じに前へ出てきた。




『タクヤのターン:戦う――、槍で突く!』


「ザシュッ」


『ヒット! ルシファ、HP:425/500』




「……」


「……」




「クソッ! 何か言えよ!! 名は? とか色々あんだろ!?」




「……」




「行きます!!」


「ちょっと待てノノぉー!! まだ話の続きが……」




『ノノのターン:戦う――、サンダー!』


「カッ!!」


「ぐあぁぁああ」


『ヒット! 効果は抜群だ!! ルシファ、HP:378/500』


「そのドラゴンの翼を、痺れさせてやりますよ……!」


「くっ! 主……名は?」




「おいぃぃいい!!!! 何で俺ん時だけスルーして、タケヒコとノノの名前を問うんだよぉぉおお!!」




タクヤは、自身のプライドが傷付けられ、悶絶級の苦しみを味わった。一方のノノはと言うと、有頂天になっており、


「名乗る程の者では、ありませんよ……(やー! コレ一回言ってみたかったんだよねー)」


それらしいセリフを口にしていた。それを見ていたセルジュはため息交じりに、ノノに話し掛けた。


「ノノちゃん、自分のHP、見てみ♪」


『ノノ、HP:38/151』






「そうでしたぁ!!」






ノノは一転、自分の現状に絶望するコトとなる。




『セルジュのターン:回復魔法――、ギガトンヒール』


セルジュはノノに対し、杖を振った。ノノの身体は、杖の動きに呼応し、光り輝きだし、HPが回復した。


『ノノ、HP:151/151』


「ワオ!?」


「どう? ノノちゃん♪ 皆が休んでいるうちにゲームプレイして覚えた回復魔法だよ♪」


「すっごいです! ありがとうございます、セルジュさん!!」


ノノは涙目になりながらセルジュに感謝の意を伝えた。


ルシファはセルジュの回復魔法にポカンと口を開いて、驚きを隠せない様子だった。


「あれだけのダメージを一瞬で……お主……名……」






「だぁぁ! かぁあ! らぁぁああ!! 何で俺だけ聞かれないんだよぉぉおお!! チクショー、やってられるか!!」




タクヤは癇癪を起こして持っていた槍を地面に叩きつけた。




「タクヤ、クエストを途中で投げ出すな」


「タクヤ君、ちゃんと働いてください」




「うぅぅ……チキショー……」


タケヒコとノノの二人の言葉に、タクヤの喜怒哀楽の感情は、怒から哀に変貌を遂げた。


その時セルジュは――、


「名前は、セルジュ――、とだけ言っておこうか♪」


ルシファにそっと名乗りを上げていた。


「ほう、セルジュというのか。覚えておこう。さて、こちらの番だ」




『ルシファのターン:龍の牙!!』


「!」


ルシファの乗っていた黒いドラゴンは、今度はタケヒコに噛み付いてきた!


「ガブリッ」


「ぐお!」


『タケヒコにヒット! タケヒコ、HP:88/180』


「クソッ! セルジュの回復が無いと、全員2発でやられる……! セルジュ、頼んだぞ!!」


「はーい、タケヒコ♪ 私のターン待ってねー」




『タケヒコのターン:戦う――、斬り付ける!』


タケヒコは剣でルシファを切り付ける。


「てりゃッ!!」


『ヒット! ルシファ、HP:321/500』


「くっ! やるな! タケヒコとやら」


タケヒコとルシファのやり取りを見て、不服に思う者が――、


タクヤである。


「けっ! 皆して俺以外、名前覚えられやがって……クソッ!!」




『タクヤのターン:アイテム――、薬草。タクヤはノノに、薬草を使った』


「ほらよっ、薬草だ、ノノ。これでMPでも回復してろ!」


「あ……、ありがとう……ございます、タクヤ君」


「俺はどうせ薬草係だよー、へっ!」


ふて寝でもし始めそうなタクヤ。それを見ていたタケヒコは事態を重く受け入れていた。


(確かに、打点の高い攻撃を打つノノのMPは重要だ。薬草を配るのは間違った判断じゃない。でも……)


チラリとタクヤに目をやる。


(お前はそれでいいのか……? タクヤ……!!)


一方でノノは思いを巡らせていた。


(何で裏方に回ったんだろう、タクヤ君……? まあMPも回復したし、いっか。こっから頑張らないと!)




『ノノのターン:戦う――、サンダー!』


「はっ!!」


「カッ!!」


「ぐぅ……!!」


『ヒット! 効果は抜群だ!! ルシファ、HP:271/500』


「結構削れてきたね♪ ノノちゃん!」


「はい! やりました」


パンっと、セルジュとノノはハイタッチを交わした。そこで――、


「セルジュ!!」


「はーい♪ 分かってるよーっと」




『セルジュのターン:回復魔法――、ギガトンヒール』


セルジュはタケヒコに対し、杖を振った。タケヒコのHPが回復した。


『タケヒコ、HP:180/180』


「フ―。恩に着るぜ、セルジュ。皆! 相手のHPはあと半分くらいだ! もうひと踏ん張り、するぞ!!」




「おー!」


「おー!」




(約2名)


残りの一人、タクヤは独り、そっぽを向いた。


「ケッ!!」

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