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勇者パーティ、聖女様以外ぜんぶ偽物でした~自分だけが偽物だと思っている遊び人たちの最強パーティ~  作者: 黒華レン


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20/25

五人パーティで初採集

ソフィア加入後初のクエストです

 ソフィアさんが新しく仲間に加わり、俺たちのパーティは五人になった。


 今日はその五人で挑む、記念すべき最初の依頼だ。


「さて、どの依頼にしましょうか!」


 王都の冒険者ギルドに到着した俺たちは、掲示板の前に集まっていた。


 討伐、採集、護衛、調査。


 掲示板にはさまざまな依頼書が貼られている。


「ソフィアも一緒だし、最初は採集依頼がいいんじゃない?」


 サキが一枚の依頼書を指さした。


「そうですね。今日はソフィアさんに冒険の雰囲気を知ってもらうのがよさそうです」


 アステリアも賛成している。


「俺は魔物の討伐でも構わないが、無理に危険な依頼を選ぶ必要はないしな」


 ガイは腕を組みながら頷いた。


 俺も同じ意見だ。


 ソフィアさんは鑑定士としての知識が豊富らしいけど、冒険者として活動するのは初めてだという。


 いきなり強い魔物の討伐へ連れていくより、まずは安全な依頼で一緒に行動してみた方がいいだろう。


「ソフィアさんはどうですか?」


「私は何でも大丈夫です!珍しい素材を見つけられたら嬉しいですけど!」


 ソフィアさんは掲示板を見上げながら、目を輝かせていた。


「それなら、これなんてどうでしょう?」


 俺が指さしたのは、王都の北にある森で薬草を採集する依頼だった。


 必要な薬草は月光草《げっこうそう》。


 十株以上を採集すれば、銀貨八枚の報酬がもらえるらしい。


「あっ、月光草ですね!」


 ソフィアさんが嬉しそうに声を上げた。


「知ってるんですか?」


「もちろんです!月光草は魔力回復薬の材料になる薬草なんです。夜になると葉が淡く光るんですけど、昼間は普通の草とほとんど変わらないんですよ!」


「なるほど!それなら見つけるのが大変そうですね」


「似た種類も多いので、慣れていないと間違えることがあるんです。でも、私に任せてください!」


 ソフィアさんは自信満々に胸を張った。


 頼もしい。


 今までは採集依頼でも、俺たちだけで目当ての素材を探していた。


 鑑定士が仲間にいるなら、こういう依頼もずいぶん楽になりそうだ。


「よし!じゃあ、今日はこれにしましょう!」


 俺たちは依頼書を持って受付へ向かった。


「おはようございます、リリアさん!」


「おはようございます、ユウさん!」


 受付のリリアさんが、いつもの笑顔で迎えてくれた。


「あら?今日は五人なんですね?」


「はい!昨日から新しい仲間が増えたんですよ!」


「初めまして!ソフィア・クラウゼルです!」


 ソフィアさんが元気よく頭を下げた。


「まあ、クラウゼルさんって……もしかして、ミルドさんの?」


「はい!孫です!」


「そうだったんですね。よろしくお願いします。」


 リリアさんは微笑み、依頼書に目を落とした。


「月光草の採集ですね。北の森にはフォレストウルフなどの魔物も出ますので、気をつけてください」


「はい!」


 依頼の受付を済ませ、俺たちはギルドを出発した。


 王都の門を抜けると、ソフィアさんは楽しそうに辺りを見回し始めた。


「わあ!これから本当に冒険するんですね!」


「そんなに楽しみだったんですか?」


「はい!おじいちゃんの工房にいると、冒険者さんたちがいろんな素材を持ってくるんです。でも、自分では出たことはなくて。だから、いつか自分でも採集してみたいと思っていたんですよ!」


「なるほど!じゃあ、今日が初採集!それなら今日は楽しめそうですね!」


「はい!」


 ソフィアさんは満面の笑みを浮かべた。


 そんな彼女を見て、サキも楽しそうに笑っている。


「でも、ソフィア。森では勝手に一人で行動しちゃ駄目よ?」


「分かってます!」


「珍しい素材を見つけても?」


「……できるだけ我慢します!」


「そこは絶対に我慢してほしいんだけど」


 サキが苦笑した。


 俺も思わず笑ってしまった。


 新しい仲間が増えると、道中の会話も賑やかになるな。


 王都からしばらく歩くと、目的の森に到着した。


 木々の間から日差しが差し込み、鳥の鳴き声が聞こえてくる。


 森の中は思ったより明るく、足元にはさまざまな草花が生えていた。


「月光草はどの辺りにあるんでしょう?」


 俺が尋ねると、ソフィアさんは腰の鞄から小さな図鑑を取り出した。


「湿った場所を好むので、小川の近くを探してみましょうか」


「それなら、まず水の流れる音を探すか」


 ガイが周囲を見渡した。


 俺たちは魔物に注意しながら、森の奥へ進んでいった。


 しばらくすると、水の流れる音が聞こえてきた。


 木々の間を抜けると、細い小川が姿を現す。


「ここなら見つかりそうですかね」


 俺は言った。


 ソフィアさんは川辺にしゃがみ込み、周囲の草を調べ始めた。


「……あっ!やっぱり!ありました!」


「もう見つけたんですか!?」


「はい!これが月光草です!」


 ソフィアさんが指さしたのは、細長い葉を持つ小さな草だった。


 見た目は、そこら辺に生えている雑草とほとんど変わらない。


「これが月光草なんですね!」


「そうです!葉の裏側を見てください!」


 言われたとおりに覗き込むと、葉の裏には細い銀色の筋が走っていた。


「おおっ!本当だ!」


「この銀色の筋が特徴なんです。ただ、よく似た月影草にも同じような筋があるので、葉の形と根元の色も確認してくださいね!」


 ソフィアさんは二種類の草を並べ、違いを丁寧に教えてくれた。


 なるほど。


 これなら俺にも見分けられそうだ。


「それじゃあ、みんなで探しましょう!」


 俺たちは手分けして採集を始めた。


 月光草は根元を傷つけると品質が落ちるらしいので、小さな道具で周囲の土を掘り、丁寧に取り出していく。


 俺もさっそく一株見つけた。


「よし!一つ目!」


 葉の裏には銀色の筋。


 根元の色も、ソフィアさんが教えてくれたものと同じだ。


 これは間違いないだろう。


「ソフィアさん!これ、月光草ですよね!」


「どれですか?」


 ソフィアさんが近づいてきた。


 俺の手元を覗き込み、少し考えてから頷く。


「はい!月光草です!」


「やった!」


 俺は嬉しくなって立ち上がった。


 その瞬間、足が勝手に動き始めた。


 ……おっと?


 右足が軽く跳ね、左足が地面を滑る。


 腰が左右に揺れ、両手まで勝手に動き出した。


 どうやら、また遊び人の踊りが始まったらしい。


 しかも、今回は妙に陽気な動きだ。


 俺は月光草を片手に持ったまま、その場でくるりと回転してしまった。


「ユウ?」


 サキが不思議そうにこちらを見た。


「何してるの?」


「いやあ!月光草が見つかって嬉しくなっちゃいまして!踊らずにはいられないんです」


 俺は笑いながら、踊りに合わせてもう一度回転した。


 どうせ止められないなら、楽しんでいることにしてしまおう。


「ユウさん、踊るのが好きなんですか?」


 ソフィアさんが尋ねてきた。


「え、ええ!体を動かすのが好きなんですよ!じっとしているより、こうして動いている方が楽しいですからね!」


「そうなんですね!」


 ソフィアさんは笑顔で頷いた。


「なんだか楽しそうです!」


「でしょう!?」


 俺は最後に軽く足を踏み鳴らし、ようやく動きを止めた。


 ふう。


 今回は短くて助かった。


「まったく、ユウはいつも楽しそうね」


 サキが呆れたように笑った。


「せっかくの冒険ですからね!楽しまないと損ですよ!」


「それもそうね」


 サキは肩をすくめ、再び採集へ戻っていった。


 ふぅ、何とかごまかせた。


 そして、俺も続きを探すことにした。


 それからしばらくして、各自が集めた月光草を確認することになった。


「俺は六株見つけました!」


「私は五株ね」


「俺は四株だ」


「私は五株です」


 サキ、ガイ、アステリアも、それぞれ採集した薬草を並べていく。


 ソフィアさんは一株ずつ確認してくれた。


「サキさんのは全部月光草ですね!ガイさんも大丈夫です!アステリアさんのも間違いありません!」


「よかったです!」


 アステリアが微笑んだ。


「それじゃあ、次はユウさんのですね!」


「はい!お願いします!」


 俺は自信満々に薬草を差し出した。


 ソフィアさんは一株目を確認し、頷いた。


「これは月光草です!」


「よし!」


「二株目も大丈夫です!」


「いい感じですね!」


「三株目は……あれ?」


 ソフィアさんの手が止まった。


「どうしました?」


「これ、月影草ですね」


「えっ?」


「こっちの四株目も月影草です」


「ええっ!?」


 俺は思わず声を上げた。


 ソフィアさんは残りの二株も確認した。


「五株目は月光草ですけど、六株目は違いますね」


「……ということは?」


「ユウさんの六株のうち、月光草は三株です!」


 半分しか合っていなかった。


「そんな馬鹿な!?」


 俺は手元の薬草を見比べた。


 確かに、よく見ると葉の形が少し違う。


 でも、こんなの分かるか!?


「ユウ、ちゃんと話を聞いてた?」


 サキが笑いをこらえながら尋ねてきた。


「聞いてましたよ!銀色の筋があるんですよね!?」


「それだけじゃないって、ソフィアが説明してくれたでしょう?」


「……そうでしたっけ?」


「もう!」


 サキが吹き出した。


 ガイまで肩を揺らして笑っている。


「ユウは戦闘になると頼もしいが、こういう作業は苦手みたいだな」


「そんなことありませんよ!次は全部正解してみせます!」


「期待してるわ」


 サキが楽しそうに言った。


 くっ。


 勇者として、ここは名誉挽回しなければ!


 ……あっ本当は遊び人だけど。


 俺たちはさらに採集を続け、最終的に二十株以上の月光草を集めることができた。


「これだけあれば十分ですね!」


「はい!どれも状態がいいですよ!」


 ソフィアさんも満足そうだ。


 俺たちは採集した薬草を収納鞄へ入れた。


 すると、ソフィアさんが鞄に興味を示した。


「あっ、それって収納鞄ですよね?」


「はい!以前、護衛依頼でお世話になった商人さんから格安でいただいたんです!」


「へえ!便利ですよね!」


 ソフィアさんは鞄を眺めながら、何かを思いついたように手を叩いた。


「あっ、そうだ!少しだけ鞄を貸してもらってもいいですか?」


「いいですよ!」


 俺が鞄を渡すと、ソフィアさんは腰から小さな魔石を取り出した。


「何をするんですか?」


「ちょっとした防犯対策です!」


 ソフィアさんは鞄の留め具に魔石を近づけ、何やら小さな魔法陣を浮かび上がらせた。


 淡い青色の光が鞄全体を包み、すぐに消える。


「はい!できました!」


「おおっ!何か変わったんですか?」


「この鞄に、私たち五人以外は中身を取り出せないようにする魔法をかけました!」


「そんなことができるんですか!?」


「はい!」


「すごいですね!」


「えへへ!こういう魔道具の調整は得意なんです!」


 ソフィアさんは嬉しそうに笑った。


 なるほど。


「あと……」


 鑑定だけじゃなく、魔道具にも詳しいんだな。


「ありがとうございます!これなら安心ですね!」


「はい!」


 ソフィアさんから鞄を受け取り、俺は肩に掛け直した。


 そのときだった。


 ガサガサッ!


 近くの茂みが大きく揺れた。


「何かいるぞ!」


 ガイが大斧を構えた。


 俺たちもすぐに武器を抜く。


 茂みの奥から現れたのは、灰色の毛並みをした三体のフォレストウルフだった。


「ソフィアさん!後ろへ下がってください!」


「は、はい!」


 ソフィアさんは慌てて俺たちの後ろへ下がった。


「アステリアさん!ソフィアさんをお願いします!」


「分かりました!」


 アステリアが杖を構え、ソフィアさんの前に立つ。


 俺とサキ、ガイは三体の狼に向き直った。


 狼たちは低く唸りながら、こちらの様子をうかがっている。


「来るぞ!」


 ガイの声と同時に、一体の狼が飛びかかってきた。


「はあっ!」


 サキが素早く踏み込み、片手剣で狼の攻撃を受け流す。


 その隙に俺が横から斬りつけた。


 ザシュッ!


 狼は地面に倒れ、そのまま動かなくなった。


「よし!」


 二体目がガイへ襲いかかる。


「おおおっ!」


 ガイが大斧を振り下ろした。


 ドガァンッ!


 重い一撃を受けた狼が吹き飛び、木の幹に激突した。


 残る一体は俺たちを避けるように回り込み、後方へ向かった。


「しまった!」


 狼の進む先には、アステリアとソフィアさんがいる。


「《ホーリー・バリア》!」


 アステリアが光の障壁を展開した。


 狼が障壁に激突し、弾き返される。


「ソフィアさん!大丈夫ですか!?」


「はい!」


 ソフィアさんは頷き、腰に下げていた赤い魔石の杖を取り出した。


「私も少しはお手伝いできます!」


 杖の先端に火が灯る。


「えいっ!」


 小さな火球が飛び出した。


 しかし、狼は素早く横へ跳び、火球を避けた。


「あっ!」


 ソフィアさんが声を上げる。


 狼は着地すると、再びアステリアたちへ飛びかかろうとした。


「させないよ!」


 俺は地面を蹴り、狼の横へ回り込んだ。


 剣を振り抜くと、刃が狼の胴体を捉える。


 ザシュッ!


 狼は短い悲鳴を上げ、その場に倒れた。


「ふう!これで全部ですね!」


 俺は剣を下ろした。


「皆さん、すごいです!」


 ソフィアさんが駆け寄ってきた。


「私、魔物との戦闘をこんなに近くで見るのは初めてです!」


「怖くありませんでしたか?」


 アステリアが心配そうに尋ねる。


「ちょっと怖かったですけど、皆さんが守ってくれたので大丈夫でした!」


 ソフィアさんは笑顔で答えた。


「でも、私の魔法は当たりませんでしたね……」


「最初はそんなものですよ!これから慣れていけばいいんです!」


 俺が言うと、ソフィアさんは嬉しそうに頷いた。


「はい!頑張ります!」


「それじゃあ、戦利品を確認しましょう!」


 俺たちは倒した狼から素材を回収した。


 魔石が三つ。


 灰色の毛皮が二枚。


 鋭い牙が四本。


 さらに、一体の体内から小さな緑色の結晶が見つかった。


「おっ!これは何でしょう?」


 俺が結晶を持ち上げると、ソフィアさんが興味津々で近づいてきた。


「見せてください!」


「はい!」


 ソフィアさんは結晶を受け取り、鑑定道具を取り出した。


 金属製の円盤に魔力を流すと、淡い光とともに文字が浮かび上がる。


「ええと……これは……」


 ソフィアさんは表示された文字を読み進めた。


「風精《ふうせい》結晶ですね!」


「風精結晶?」


「はい!風属性の魔道具を作るときに使われる素材です!フォレストウルフから見つかることもありますけど、珍しいんですよ!もっと大きいものでは風の精霊石なんてのもありますよ。滅多に見ることはできませんけどね」


「おおっ!」


 俺は思わず声を上げた。


「やりましたね!」


「はい!状態もいいので、魔道具の材料として十分使えそうです!」


 ソフィアさんは嬉しそうに結晶を返してくれた。


「さすがソフィアさんですね!こんなに早く分かるなんて!」


「えへへ!ありがとうございます!」


 ソフィアさんは照れくさそうに笑った。


 こうして素材をその場で調べてもらえるのは、やっぱり便利だ。


 今までは珍しい物を見つけるたび、何なのか分からないまま持ち帰っていたからな。


「さて、そろそろ帰りましょうか!」


「そうね。依頼も達成できたし」


 サキが頷いた。


 俺たちは回収した素材を収納鞄に入れ、王都へ戻ることにした。


 帰り道、ソフィアさんは楽しそうに今日の出来事を話していた。


「今日は本当に勉強になりました!」


「そうですか!それならよかったです!」


「はい!実際に森へ行くと、工房では分からなかったことがたくさんありますね!」


「例えば?」


 サキが尋ねる。


「月光草がどんな場所に生えているのかとか、魔物がどうやって襲ってくるのかとかです!」


「確かに、実際に見ないと分からないことも多いでしょうね」


 アステリアが微笑んだ。


「それに、皆さんの戦い方もすごかったです!」


「まだまだこれからですよ!」


 俺は笑った。


「もっといろんな場所へ行けば、珍しい魔物や素材にも出会えると思います!」


「楽しみです!」


 ソフィアさんは目を輝かせた。


 そんな彼女を見て、俺も嬉しくなった。


 新しい仲間が増えると、冒険の楽しみも増えるものだな。


 王都へ戻った俺たちは、冒険者ギルドで依頼の報告を済ませた。


「お疲れさまでした!」


 リリアさんが笑顔で迎えてくれる。


「月光草、きちんと十株以上ありますね!状態も良好です!」


「ありがとうございます!」


「それにしても、今日はずいぶん早かったですね」


「ソフィアさんのおかげですよ!」


 俺は隣のソフィアさんを見た。


「薬草の見分け方を教えてもらったので、すごく助かりました!」


「そんな!皆さんが守ってくれたおかげです!」


 ソフィアさんは照れくさそうに笑った。


 依頼の報酬として銀貨八枚を受け取り、俺たちはギルドを後にした。


「さて、これからどうしましょう?」


 俺が尋ねると、ソフィアさんが少し遠慮がちに口を開いた。


「あの……皆さんは、普段どこに泊まっているんですか?」


「王都の宿屋ですよ!」


「そうなんですね!」


「ソフィアさんも、これから一緒に冒険するなら同じ宿の方が便利ですよね」


「はい!私もそう思います!」


 ソフィアさんは嬉しそうに頷いた。


「じゃあ、宿屋へ行って部屋が空いているか聞いてみましょう!」


 俺たちはいつも利用している宿屋へ向かった。


 幸い、空き部屋が一つあったので、ソフィアさんも泊まれることになった。


「よかったですね!」


「はい!これで明日からも一緒に出発できます!」


 ソフィアさんは自分の鞄を抱え、嬉しそうに笑った。


「おじいちゃんには、今度工房に行くときに宿のことも伝えておきます!」


「そうですね!ミルドさんも安心すると思います!」


 こうして、ソフィアさんも俺たちと同じ宿屋で過ごすことになった。


 夕食の時間になると、五人で食堂に集まった。


 今日の献立は、焼きたてのパンと肉の煮込み料理。


 冒険の後だからか、いつも以上においしく感じる。


「いやあ!今日はいい一日でしたね!」


 俺が言うと、サキが頷いた。


「そうね。ソフィアもすぐに馴染んでくれたし」


「ありがとうございます!」


 ソフィアさんは嬉しそうに笑った。


「私、皆さんと一緒に冒険できて本当によかったです!」


「こちらこそ、よろしくお願いしますね」


 アステリアが微笑んだ。


「明日も採集依頼にするのか?」


 ガイが尋ねる。


「どうしましょう?せっかく五人になったんですし、少し遠くへ行ってみるのもいいかもしれませんね!」


「遠くですか!?」


 ソフィアさんの目が輝いた。


「はい!今まで行ったことのない町や遺跡にも行ってみたいですし!」


「私、賛成です!」


「ふふっ。ソフィアは本当に冒険が好きなのね」


 サキが笑った。


「はい!まだ知らない素材や魔道具が、世界にはいっぱいあるんですから!」


 ソフィアさんは楽しそうに答えた。


 そんな彼女を見て、俺も自然と笑顔になった。


 新しい仲間が増えると、冒険もますます楽しくなりそうだ。


 それに、鑑定士が一緒なら、これまで以上に珍しい物を見つけられるかもしれない。


 俺は明日からの冒険に期待しながら、目の前の肉料理を頬張った。


 勇者の俺。


 剣聖のサキ。


 バトルマスターのガイ。


 聖女のアステリア。


 そして、鑑定士のソフィア。


 五人になった俺たちの冒険は、まだ始まったばかりだ。


 ……まあ、本当は俺だけ遊び人なんだけど。


 そんなことを思いながら、俺は仲間たちとの夕食を楽しんだ。


 もちろん、ソフィアさんが祖父から秘密の課題を与えられていることなど、俺は知るよしもなかった。

いつも読んで頂きありがとうございます!


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よろしくお願い致します。

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