↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
勇者パーティ、聖女様以外ぜんぶ偽物でした~自分だけが偽物だと思っている遊び人たちの最強パーティ~  作者: 黒華レン


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

11/26

隠し部屋発見!

どうやらみんなの運の良さが発揮したようです

 王都の朝は、今日も賑やかだった。


 市場には新鮮な野菜や果物が並び、商人たちの威勢のいい声が飛び交っている。焼きたてのパンの香りに誘われて立ち止まりそうになった俺を、サキが呆れたように振り返った。


「ユウ、さっき朝ご飯を食べたばかりでしょう?」


「いやあ、いい匂いがするとつい……」


「気持ちは分かるけど、今日はダンジョンへ行くんだからね」


「そうでした!」


 俺たちは昨日、鑑定士のミルドさんから聞いた話を確かめるため、再び地下遺跡へ向かうことにしていた。


 前回の探索で見つけた銀色の魔導板には、古代の研究記録が保存されているらしい。ただし、その内容を読み出すには特別な仕掛けが必要だという。


 もしかすると、遺跡の奥に手掛かりが残されているかもしれない。


 そう考えた俺たちは、朝から冒険者向けの道具屋で準備を整えていた。


「回復薬は六本でいいかしら?」


 サキが棚に並んだ小瓶を指差す。


「十分だと思う。魔力回復薬も追加しておこう」


 ガイが答えた。


「私は前回手に入れた三本を持っていますから、追加は二本で大丈夫ですよ」


 アステリアが鞄の中を確認する。


「じゃあ、それにしましょう!」


 俺たちは回復薬と魔力回復薬を購入し、さらに松明や予備の縄、保存食を買い揃えた。


 ガイは斧の刃を確認し、サキも剣の手入れを済ませている。


 俺も自分の剣を抜いてみた。


 刃こぼれはない。


 よし、準備万端だ。


「それじゃあ、出発しましょう!」


「ええ!今日こそ第二階層まで調べたいわね」


 サキが楽しそうに笑った。


「無理は禁物だぞ。昨日のゴーレムみたいな魔物が、また出てくるかもしれないからな」


 ガイの言葉に、アステリアも頷く。


「何かあったら、すぐに声をかけてくださいね。皆さんの回復は私に任せてください」


「頼りにしてます!」


 俺たちは顔を見合わせて笑い、王都の門へ向かった。


 地下遺跡に到着したのは、昼前だった。


 入口には昨日と同じ警備の冒険者が立っている。


「おっ、昨日の勇者パーティじゃないか。また来たのか?」


「はい!今日はもう少し奥まで探索しようと思いまして」


「そうか。昨日はストーンゴーレムを倒したんだったな。おかげで第一階層の調査が進めやすくなったって、ギルドの連中が喜んでいたぞ」


「それはよかったです!」


「ただし、第二階層はまだあまり調査が進んでいない。無理はするなよ」


「分かりました!」


 警備の冒険者に礼を言い、俺たちは遺跡の中へ入った。


 石造りの通路には、ひんやりとした空気が漂っている。


 壁に取り付けられた古い魔法灯は、ところどころ光を失っていた。


「昨日と同じ道ね」


 サキが周囲を見回す。


「ゴーレムがいた広間までは、迷わず行けそうだな」


 ガイが先頭に立ち、俺たちは慎重に進んでいく。


 途中、小型の魔物が三匹現れた。


 灰色の毛皮に覆われた、アーマーラットだ。


「来るぞ!」


 ガイが斧を構えた。


 一匹が飛びかかってきたところを、ガイが斧の柄で弾き飛ばす。


 続いてサキが素早く踏み込み、別の一匹を剣で斬り伏せた。


「ユウ、そっちに一匹!」


「任せてください!」


 俺は剣を構え、迫ってきたアーマーラットに向かって踏み込んだ。


 しかし、振り下ろした剣は相手の背中をかすめただけだった。


 アーマーラットが牙を剥いて飛びかかってくる。


「うわっ!」


 慌てて身を引いた俺の足が、床に落ちていた小石を踏んだ。


 その瞬間、体が勝手にくるりと回転した。


「えっ!?」


 自分でも驚くほど軽やかな動きだった。


 飛びかかってきたアーマーラットは俺の横を通り過ぎ、そのまま壁へ激突する。


 さらに、体が勝手に片足を上げ、妙に格好いいポーズを決める。


 すると、俺たち四人の体が淡く光った。


「おおっ!?」


 ガイが驚いたように声を上げる。


「体が軽いぞ!」


「本当ね!さっきより動きやすいわ!」


 サキも目を丸くしている。


 どうやら、全員の素早さが上がったらしい。


「さすがユウさんです!」


 アステリアが嬉しそうに言った。


「回避しながらも仲間まで強化するなんて!」


「ははは!まあ、こんなもんですよ!」


 (ふぅーあせったー)


 俺は何事もなかったように剣を構え直した。


 その後は素早さの上がったサキが残りの魔物を倒し、戦闘は無事に終わった。


「今の動き、面白かったわね」


 サキが笑いながら近づいてくる。


「剣を振るったと思ったら、急にくるっと回ったんだもの」


「敵の攻撃を避けるため、ですよ!」


「なるほどね。勇者って本当にいろんな戦い方ができるのね」


 感心するサキを見て、俺は曖昧に笑った。


 倒した魔物から魔石を回収し、再び歩き始める。


 やがて、昨日ストーンゴーレムと戦った広間へ到着した。


 巨大な石像の残骸は、まだ壁際に積み上がっている。


「ここから先が未探索の場所だな」


 ガイが奥の階段を見つめた。


「少し休憩してから行きましょうか」


 アステリアの提案で、俺たちは広間の端に腰を下ろした。


 一旦水を飲み、落ち着く。


 そして装備を確認する。


 サキは剣の刃を確かめ、ガイは斧の柄に緩みがないか調べていた。


 俺も剣を抜き、刃に傷がないことを確認する。


「よし、問題なし!」


 剣を鞘に戻して地面に手をついた。


「うわっ!」


 石床が沈んだ。


 体勢が崩れる。


 転ばないように反対の手を別の石床についた。


 石床が沈む。


 「えっ」


 ゴゴゴゴゴ……。


「……ん?」


 妙な音がした。


 俺の手が触れている壁の向こうから、何か重たい物が動くような音が聞こえてくる。


「ユウ?」


 サキが顔を上げた。


「今、何か音がしなかった?」


「しましたよね?」


 俺は石床から両手を離し立ち上がった。


 すると、目の前の石壁がゆっくりと横へ動き始めた。


「えええっ!?」


 俺たちは揃って声を上げた。


 やがて壁が完全に開き、その向こうに細い通路が現れた。


 暗い通路の奥には、青白い光が揺れている。


「……隠し通路?」


 サキが目を丸くした。


「まさか、こんなところにあったとはな」


 ガイも驚いている。


「ユウさん、どうやって見つけたんですか?」


 アステリアが尋ねた。


「いや、その……」


 俺は足元の石床を見た。


 ただ床に両手をついただけなんだけど。


「偶然床に両手をついたら両方とも下に沈んで……」


「え、偶然?」


「はい!たまたま床に触ったら開きました!」


 アステリアは少し考えてから、嬉しそうに笑った。


「すごいラッキーですね!」


「本当ね。普通こんな広い遺跡で、こんな隠し通路見つけられないわよ」


 サキが感心したように壁を調べ始めた。


「しかも、仕掛けが分かりにくいわ。ほら、ここに小さな石が埋め込まれているでしょう?」


 よく見ると、俺が手をついた場所には周囲とほとんど同じ色の別の石が埋め込まれていた。


 どうやら、これを両方とも押す。それが隠し扉を開く仕掛けだったらしい。


「これを見つけるのは難しいな」


 ガイが腕を組む。


「普通に歩いていたら気づかないだろう」


「そうですね……」


 俺は改めて足下を眺めた。


 本当に運がよかった。


「せっかくだし、調べてみましょうか」


 サキが通路の奥を覗き込む。


「そうだな。ただし、罠には気をつけよう」


 ガイが斧を構えた。


 俺たちは松明を灯し、隠し通路へ足を踏み入れた。


 通路は思ったよりも短かった。


 十数歩ほど進むと、突き当たりに石造りの扉が現れた。


 扉には古い文字が刻まれている。


「あっ!」


 アステリアが声を上げた。


「これ、ミルドさんからいただいた対応表に載っていた文字じゃありませんか?」


「本当ですか?」


 俺は鞄から紙を取り出した。


 昨日、ミルドさんにもらった古代魔法文字の対応表だ。


 扉の文字と見比べてみる。


「ええっと……保管……室?」


「保管室?」


 サキが首を傾げた。


「何かをしまっておく部屋ってことかしら」


「わっはっは、宝物庫だったりしてな」


 ガイが冗談めかして笑った。


「それなら最高ですね!」


 俺も笑いながら扉に手をかけた。


 しかし、びくともしない。


「開かないですね」


「鍵がかかっているのか?」


 ガイが近づき、扉を調べる。


 中央には丸い穴が三つ並んでいた。


「何かを嵌め込む仕掛けみたいだな」


「でも、鍵らしい物は見当たらないわね」


 サキが周囲を見回す。


「この辺りに何か鍵になるものがあるんでしょうか」


 俺たちが困っていると、アステリアが扉の前に立った。


「少しだけ魔力を流してみましょうか?」


「危険じゃないですか?」


「ほんの少しだけにしますから」


 アステリアが扉へ手を伸ばした。


 その瞬間、俺の足元で何かが転がった。


 コロン。


「ん?ちょっと待って下さい!」


 小さな金属球だった。


 どうやら、天井付近の隙間から落ちてきたらしい。


 俺は何気なく拾い上げた。


「何だろう、これ」


 銀色の球には、薄い模様が刻まれている。


「ちょっと見せて」


 サキが覗き込んだ。


「これ、扉の穴と同じくらいの大きさじゃない?」


「本当だ!もしかして……」


 俺は球を扉の穴へ近づけた。


 すると、吸い込まれるように球が嵌まった。


 カチッ。


「おおっ!」


「一つ目が埋まったわね」


 サキが嬉しそうに言う。


「あと二つか」


 ガイが周囲を見回した。


 しかし、同じような球は見当たらない。


「さすがに、そんな都合よく落ちてこないよな」


 ガイが笑った。


 そのとき。


 ガシャンッ!


「うおっ!?」


 ガイが背負っていた斧を壁にぶつけてしまった。


 古い石壁の一部が崩れ、小さな破片が床に散らばる。


「すまん!通路が狭くてな」


「大丈夫ですか?」


「ああ、斧には傷もない」


 ガイが壁を確認すると、崩れた部分から小さな空洞が見えた。


 その中に、金色の球が入っている。


「……おい」


「どうしました?」


「これ、もしかして……」


 ガイが球を取り出した。


 扉の穴と同じ大きさだった。


「二つ目!?そんなことあります!?」


 俺たちは驚いた。


「すごいわね!こんなところに隠されていたなんて!」


 サキが目を輝かせる。


「たまたま斧が当たっただけなんだが……」


「本当に運がいいですね!」


 アステリアが笑った。


 ガイは照れくさそうに頭をかき、球を二つ目の穴へ嵌め込んだ。


 カチッ。


 残るは一つ。


「でもそうなると最後はどこにあるのかしら」


 サキが扉を眺める。


 俺たちは周囲を探し始めた。


 壁の隙間や床の石を調べてみたものの、それらしい物は見つからない。


「うーん……」


 サキが腕を組んだ。


「この部屋のどこかに隠されているのよね、きっと」


「そうだろうな」


 ガイが頷く。


「でも、これだけ探しても見つからないとなると……」


 俺がそう言いかけたとき、埃が舞ったのかサキが小さくくしゃみをした。


「くしゅんっ!」


 その拍子に、彼女は足下にあった小石を蹴った。


 小石は壁に当たり、跳ね返って天井近くの小さな穴へ飛び込んだ。


 カランッ。


 何かが動く音がした。


「……え?」


 俺たちが天井を見上げた直後。


 ポトン。


 青い球が落ちてきた。


「…………」


 全員が無言になった。


 「うそでしょ?」


 床に転がった球を、サキがゆっくり拾い上げる。


「……三つ目、見つかったわ」


「すごいですね!」


 アステリアが拍手した。


「まさか、くしゃみで見つかるなんて!」


「本当に偶然なんだけど……」


 サキが困ったように笑う。


「今日は何だか運がいい気がするわね」


「ふはは、そうだな」


 ガイも笑った。


「三人とも、偶然見つけたってわけか」


 俺は二人を見た。


 すごい偶然だ。


 でも、三人揃ってこんなに運がいいなんて。


 今日は何か特別な日なのかもしれない。


「それじゃあ、最後の一つを嵌めてみましょう!」


 サキが青い球を三つ目の穴へ押し込んだ。


 カチッ。


 三つの球が淡く光り始める。


 続いて、扉全体に青白い魔法陣が浮かび上がった。


 ゴゴゴゴゴ……。


「開くぞ!」


 ガイが声を上げた。


 重たい石扉がゆっくりと開いていく。


 その向こうに現れたのは、小さな部屋だった。


 壁には古い魔法灯が並び、床には埃が積もっている。


 そして、部屋の中央には――


「……宝箱?」


 俺は思わず呟いた。


 そこには、金属の装飾が施された大きな宝箱が置かれていた。


「えっ、本当にあったの!?」


 サキが驚いた。


「まさか、冗談で言った宝物庫が本当だったとはな」


 ガイも目を丸くしている。


 アステリアは嬉しそうに宝箱を見つめた。


「すごいですね!きっと長い間、誰にも見つからなかったんですよ!」


 俺たちは慎重に部屋へ入った。


 宝箱の周囲には魔法陣が描かれていたが、すでに光を失っている。


「罠がないか確認しましょう」


 サキが言った。


「そうですね私がスキルで調べてみます」


 アステリアが宝箱へ近づき、周囲を確認した。


 鍵穴はあるが、鍵はかかっていないようだった。


「罠もないみたいです。宝箱もこのまま開きそうですよ」


「じゃあ、開けてみましょうか!」


 俺は宝箱の前にしゃがみ込んだ。


 蓋に手をかけ、ゆっくり持ち上げる。


 ギギギ……。


 古い金具が軋む音とともに、宝箱が開いた。


「おおおっ!」


 中には、いくつもの品が収められていた。


 赤く輝く魔石。


 銀色の腕輪。


 青い宝石が嵌め込まれた短剣。


 そして、布に包まれた小さな金属板。


「すごい……!」


 サキが目を輝かせる。


「これ、全部魔道具なのかしら?」


「そうみたいですね!」


 俺は赤い魔石を手に取った。


 普通の魔石とは違い、内部に細かな光の粒が漂っている。


「見たことのない魔石です」


 アステリアも興味深そうに覗き込んだ。


「かなり古い物かもしれませんね」


「こっちの腕輪も珍しいな」


 ガイが銀色の腕輪を持ち上げる。


「何か文字が刻まれているぞ」


「本当だ!」


 俺たちはミルドさんの対応表を取り出した。


 しかし、腕輪の文字はほとんど読めなかった。


「やっぱり専門家に見てもらった方がよさそうね」


 サキが言った。


「そうですね。ミルドさんなら分かるかもしれません」


 俺は最後に、布に包まれた金属板を取り出した。


 布を広げると、昨日見つけた物とよく似た銀色の板が現れた。


「……あれ?」


 俺は思わず声を上げた。


「これ、昨日の魔導板と似ていませんか?」


「本当ね!」


 サキが覗き込む。


「大きさも同じくらいだわ」


 俺は鞄から昨日の魔導板を取り出し、二枚を並べた。


 表面に刻まれた文字は違うが、形状はほとんど同じだった。


「もしかして、これも記録用の魔道具なんでしょうか?」


 アステリアが尋ねる。


「可能性は高そうですね」


 俺は二枚の魔導板を見比べた。


 すると、突然。


 ピカッ!


「うわっ!?」


 二枚の魔導板が同時に光り始めた。


 青白い光が表面を走り、文字が次々と浮かび上がる。


「何だ!?」


 ガイが斧に手をかけた。


 俺たちは慌てて距離を取る。


 だが、光はすぐに消えた。


 部屋は再び静かになった。


「……びっくりした」


 サキが胸を撫で下ろす。


「今のは何だったんでしょう?」


 アステリアが首を傾げた。


「分かりません……」


 俺は二枚の魔導板を見つめた。


 さっきまで何も反応しなかったのに。


 やっぱり、この二つには何か関係があるらしい。


「ミルドさんに勝手に調べるなって言われてましたよね」


「今のは不可抗力でしょう」


 俺が言った言葉にサキが返した。


 確かにそうだ、間違いない。


「とりあえず、今日はここまでにしませんか?」


 俺はみんなに提案した。


「これだけ珍しい物を見つけたんですし、一度ミルドさんに見てもらった方がいいと思います」


「そうね。これ以上進んで何か起きても困るし」


 サキが頷く。


「俺も賛成だ」


 ガイが宝箱の中身を確認した。


「全部持ち帰れそうだな」


「では、慎重に運びましょう」


 アステリアが布を取り出し、魔道具を一つずつ包んでいく。


 俺たちは宝箱の中身を鞄に収め、隠し部屋を後にした。


 帰り道、サキが楽しそうに笑った。


「それにしても、今日はすごかったわね」


「何がですか?」


「だって、ユウが偶然隠し通路を見つけて、ガイが偶然鍵を見つけて、私も偶然最後の鍵を見つけたのよ?」


「確かに!」


 俺も笑った。


「こんなことってあるんですね!」


「きっと、日頃の行いがいいんだろうな」


 ガイが冗談めかして言う。


「ふふっ。そうかもしれませんね」


 アステリアも微笑んだ。


「皆さんと一緒にいると、本当に不思議なことがたくさん起こります」


「そうですね!」


 俺は頷いた。


 普通の冒険者なら何日もかけて探すような隠し部屋を、俺たちは偶然見つけてしまった。


 しかも、宝箱の中には珍しい魔道具がいくつも入っていた。


 こんな幸運が続くなんて、信じられない。


「次はどんな冒険が待っているんでしょうね!」


 俺がそう言うと、サキが笑った。


「まずは今日見つけた物を鑑定してもらわないとね」


「そうだな。ミルドさんなら、きっと何か分かるだろう」


 ガイが頷く。


「楽しみですね!」


 アステリアも嬉しそうだった。


 俺たちは期待を胸に、王都へと帰っていった。


 夕暮れの街道には、王都へ戻る商人たちの馬車が行き交っていた。


「それにしても、隠し部屋って本当にあるんですね!」


「私も初めて見たわ。しかも、あんな立派な宝箱まで見つかるなんて」


 サキは嬉しそうに笑い、ガイも満足そうに頷いた。


「今日は大収穫だったな。帰ったらうまいものでも食べようぜ」


「賛成です!」


 俺が勢いよく答えると、アステリアがくすくすと笑った。


「ユウさん、朝もパン屋さんの前で立ち止まっていましたよね?」


「そ、それは……冒険には十分な栄養が必要ですから!」


「ふふっ。そうですね」


 みんなの笑い声が、夕暮れの街道に響いた。


 今日は本当に運がよかった。


 隠し通路を見つけ、宝箱まで手に入れたのだから。


 次の冒険でも、こんな幸運が続いてくれたら嬉しい。


 そんなことを考えながら、俺は少し足取りを軽くした。

いつも読んで頂きありがとうございます!


面白いと思って頂けたらコメント、評価や⭐︎を頂けると、とても喜びます。


よろしくお願い致します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。