第二百三十七話 魔族の事情
どうかしたのかと聞いたところ、今の話を聞いており討伐に行くなら連れて行って欲しい、そう言われる。
彼女は元々腕に覚えがあるし連れて行くのは問題ないが、ジンネさんたちは良いのかと聞くと、最近は叔父さんに指揮を任せているから良いという。
「それに今のところ目立った功績もないしさ、うちの一族を連れてくるにしてももう少し加点したいのよね。魔族が来たらそれこそ勝ち目なさそうだし」
「あら、魔女の一族もこっちに鞍替えしてたのね。似た者同士これから仲良くやりましょう?」
なぜだかホリィはテンション高くエイミーに近づき手を取る。それを振り払おうとするもののパワーは相手が上らしく、なかなか振りほどけないでいた。
「陛下、どうかお許しを。ホリィ様は血が近く境遇が似ている彼女と会えて、純粋に嬉しいのです」
ホリィの横についていた魔族がそう解説してくれる。ジンネさんが前に教えてくれたが、血のせいで人間族にも居辛く出世も難しかったけど、エイミーの頑張りで出世できたと言っていた。
「私はホリィ様と同じ一族の者で、名はマオルと申します。陛下、以後お見知りおきくだされば幸いです」
そう言ってマオルは深く頭を下げる。魔族で冷遇され今は立場が逆転してほっとしたのか聞くと、そうでもありませんと答えた。
「陛下もご存じかもしれませんが、元々我々の先祖も魔界に住んでいたいのですが、そこを追い出され地上に逃れた結果、地上魔族になったのです。以降他の種族の目を盗みながら生き繫栄し今があるのですが、隠遁する癖と疑う気持ちが強く内乱も絶えない状況でして」
マオル曰く、そう言った状態なのでヘルメール家としては、もう地上魔族界隈から離れたいと思っていたらしい。
お鉢が回ってきたがいまいち乗り気でないため、何かを押し付けられる前に自分から交渉に出る、と宣言し出てきたようだ。
「このままいけば真っ先に他の種族の標的となり、エルフの次に滅びるのは我々だという懸念が最近は多かったんです。なのでエルフからの協力要請は渡りに船で、互いに生き延び上手くいけば吸収し乗っ取って拡大しよう、という思惑もあって乗ったようですが、返って自らの首を絞めてしまった」
最後は力なく笑って締め、少し経つとマオルは溜息を吐いた。どこもかしこも思い通りにはいかないものですねと返したところ、だからこそ皆陛下の新しい国に惹かれるのですという。
「我々のような影に生きた者たちにも、陛下の伝説は生きる希望となっております。人間族でありながら着の身着のまま剣を振るい、エルフや魔族を退け黒騎士すらも退けて姫を守り通し、挙句はエルフの里に現れた竜まで倒してしまう。正直言って今回のお供は皆、陛下を一目見たくて来た者ばかりなのです」
とても熱い視線と熱弁を受け、戸惑いながらどうもと返すと控えていた魔族たちも、私も陛下にお会いしたくて参りましたと声をかけてくる。
堰を切ったようにしゃべり始め是非握手をと求められたので、森の捜索にも協力してもらうので邪険にも扱えず、一人一人丁寧に握手を交わした。
「ちょっとアンタたち何やってんのよ」
「「ホリィ様! 陛下、大変失礼致しました」」
そう言ってマオルを始めホリィについてきた使者たちは離れる。気が済んだら見学に行こうかと言ってライエンに連れられ、魔族たちは名残惜しそうにしながら建築物の見学に出て行った。
「大変だったわねコーイチ……」
ホリィにゆすられたのかエイミーもボロボロになっており、そっちこそ大変だったなというとゆだんならないわと言う。何がと聞くと戯れながらも魔力を量られたと言われ驚く。
「コーイチは良いわよね。マナの加護、森の加護があるから魔族たちの魔法も無効化してて」
恨めしそうな顔をして言われたので、俺も何か欠けられていたのかと驚きながら聞き返すと、呆れたような顔をして溜息を吐かれ、何も言わずに去ってしまった。
職業:エルフの里代理総督
役職:エイレア(総督補佐官)
ヴァルドバ(食材調達班隊長)
士元勇太(モンスター討伐班隊長)
エイミー(総督補佐官)
ジンネ・ダーント・ミエナ(環境調査班)
ミケ・ザ・キャットとお供二人(資産運用班)
アルヴたちダークエルフ(モンスター討伐班)
パルダス(総督直轄兵)
騎乗馬:サジー(白毛の小さめの馬)
名産品:里の川魚の干物(予定)
人口:二百人
所持品
メイン武器:ソードブレイカー・右
サブ武器:ソードブレイカー・左
魔神の三又槍
防具:布の服・ズボン・革の靴(初期装備)
エルフのマント




