第二百三十五話 魔貴族ホリィ・ヘルメール
「わ、悪かったわ。確かに豹族に犬は失礼よね。パルダスさん、軽率な発言をお詫びします」
なんとかこちらの気持ちを理解してくれ、魔族は頭を下げ謝罪してくれる。相手は一応使者なので彼女だけに謝らせると不味いと考え、こちらも言い過ぎて申し訳ないですと頭を下げた。
「じゃあお相子ってことで、改めて使者として迎えてもらっても宜しいかしら」
少しは悪いと思ってくれたのかと思いきや、悪びれる様子もなくけろっとした表情でそう言ってくる。
なかなか神経が図太いなと思いつつ、謝罪はしてもらったんだしこちらもそれに合わせ、改めて名乗ったあとでようこそと言って手を差し出した。
握手を交わした後で里へ招き入れ、アインスさんに声をかけて家を借り、そこで詳しい話を聞くことにする。
「改めまして私は魔貴族、ヘルメール家のホリィと申します。以後宜しくコーイチ陛下」
さわやかな笑顔でそういうホリィに対しこちらこそよろしく、と言うもどうも違和感が拭えず妙な間が生まれてしまった。
「まぁ最初の出会いからしてこうじゃなから仕方ないわよね。命を狙われた相手と笑顔で話せというのは難しいでしょうけど、今後慣れてくれれば嬉しいわ」
二戦してこちらが勝利していることもあり、彼女自身が俺に対して恨みがあると思っていたので、それが無いのか聞いたところ
「前も言ったけど上の命令でエルフに協力したし、目標に近かったからコーイチ陛下を襲ったのよ。化け物だって知ってたら手を出さなかった。それに今やエルフ族を吸収して新しい国を作る人なら、私たちにとっては新しい交渉相手なわけ。戦いで負けたことに関していえば、元々男と女じゃ得意分野が違うから当然の結果よ?」
そうあっさりした感じで淡々と語る。聞きようによっては味方批判に聞こえるがと突っ込むも
「そう取ってもらっていいわ。あなたなら察しがつくでしょうけど、エルフに協力しようと言って失敗した結果、名家と言われ地上魔族を牛耳ってきたユーリス家などの上層部が失脚したから、私も大きな声で言えるんだけどね」
そう明け透けに自分たちの内情を話してくれた。どうやら騒動でダメージを被ったのは、当事者のエルフと人間族だけではないらしい。
人間族側からも圧を掛けられただろうし、獣族もリオン王がチャンスを黙って見ているとも思えなかった。
糾弾したのは恐らく敵だけではなく、同じ種族の敵対勢力からも責任追及され、結果として政権交代がなされたと考える。
世界は違えど種族は違えど、知的生命体というのはやることが変わらないんだなと思い、自分は天国に来たんじゃないんだなと今更ながら実感していた。
「ほう、魔族側も政権交代したって事かい、そりゃ結構」
楽しそうにそう言いながらライエンが家に入ってくる。こちらはうちの参謀のライエンですと紹介するも、知ってるわと言われ驚いた。
どういうことなのかライエンに視線を向けたところ、ちょっと前に色々あってねと罰の悪そうな顔をする。
「色々あったわよね。私たちが人間族から買った奴隷を奪ったりとか、私たちに偽の情報を流して分断させ、私単騎でコーイチと戦う羽目になったとか。あと人間族にも情報流して、テロを起こしたエルフを倒させたりもしてたんだっけ?」
あまりにも意外な話を聞いて目を丸くしてみるこちらに対し、ライエンはまぁまぁ人生色々あるもんさと言って誤魔化した。
いやいやいや、そんなんで済ませられないだろう。おかげでこっちは命拾いしたようなもんだし、エイレアと会ったあの森もライエンが情報を伝えたせいだとしたら、こちらの人生に多大な影響を及ぼしてる。
何と言って良いかわからずあわあわしていると、ホリィからそれはあとでそっちでしてもらって、今は別の話をしましょうよと言われた。
たしかに使者を放っておいて良いわけがないので、そうですね話を戻しましょうと言って同意する。
職業:エルフの里代理総督
役職:エイレア(総督補佐官)
ヴァルドバ(食材調達班隊長)
士元勇太(モンスター討伐班隊長)
エイミー(総督補佐官)
ジンネ・ダーント・ミエナ(環境調査班)
ミケ・ザ・キャットとお供二人(資産運用班)
アルヴたちダークエルフ(モンスター討伐班)
パルダス(総督直轄兵)
騎乗馬:サジー(白毛の小さめの馬)
名産品:里の川魚の干物(予定)
人口:二百人
所持品
メイン武器:ソードブレイカー・右
サブ武器:ソードブレイカー・左
魔神の三又槍
防具:布の服・ズボン・革の靴(初期装備)
エルフのマント




