第二百三十四話 魔族の訪問
翌日からも法律関係の会議を進めながら、エレクトラ王妃に断りの連絡を入れたり、各班からの報告を受けたりして息つく暇もない。
食事を作る際に支度は私たちに任せて、と皆に言われたがストレス発散になるのでと断り、朝昼晩と調理や配膳に洗い物をこなす。
一週間ほど経つと基本的な法が出来、あとは後々修正を加える方向でということになる。会議の帰りしな、ライエンから少しの間休暇を取ってはと提案された。
国が出来たらと言いそうになるも、恐らく自分が取らないと皆が取れない、という意味で言ったのだろうと察しそうすると答える。
では早速と言ってライエンは部下を呼び寄せ、皆に陛下がこれから一週間休暇を取られると告げると、その部下はおおやっとですかと声に出した。
しまったと思ったのかライエンの部下は口に手を当て、それを見てライエンと苦笑いをしあう。その日の夕食の場でも発表されなぜか歓声が上がり、片付けからも追い出され夕食後早々に一人マナの木の麓に座る。
休暇と言ったところでやる事はない。この世界に来て趣味を考える時間もなかったので、明日から何をしようかと途方に暮れた。
子供でもいれば遊んでやるのかなとか、ゲームでもあれば暇をつぶせるのにと思ったが、そんなことは今更言うだけ野暮である。
まぁ休暇と言うのだから好きにしていいんだろうなと思い、前にパルダスが言っていた森の異変を調べてみようか、と思ってその日は早めに眠りに就いた。
翌朝、皆が気を使ってくれたのか誰も起こしに来ず、見上げれば太陽は真上近くまで登っている。地面に寝袋で寝ているので、長時間は体が痛いなと思いつつ起きてストレッチを始めた。
森に何が潜んでいるのか誰が企んでいるか分からないが、異変があるのは間違いないらしいので、恐らく戦闘になるだろう。
ひょっとしたら魔神ラヴァルクラスの敵がいるかもしれないな、などと考えながら念入りにストレッチしていると
「へ、陛下、お休みのところ本当に申し訳ございません……」
パルダスが本当に申し訳なさそうな感じで現れそう言った。あまりにも申し訳なさそう過ぎて可哀想になり、かなり寝かせてもらったし丁度暇を持て余していたところだよ、と答えたがそれでもいつものようには戻らない。
何があったのかと聞くと
「魔族の使者が参りまして、その、森の異変で困ったことはないかと」
そう言われる。理由を聞いてもわからず、それでなぜパルダスが申し訳なさそうにするのかと聞いたところ
「……どうやら彼らの情報では、獣族の兵士がモンスターたちを追いやったり、けしかけたりしているらしく」
ようやく彼の態度の訳を教えてくれた。獣族が悪いことをするとパルダスが悪くなるなら、俺は獣族を亡ぼさなくちゃいけないなと冗談めかして言う。
「ちゃ、茶化さないで頂きたいです陛下。エルフの皆の中に怪我人も出ていますし、精神的にダメージを追っている者もいます。それが私が元居た部族のせいだと思うとやり切れず……」
本当に真面目で責任感が強い男だ、良い人材がうちにもいるなと改めて思ったが、あまり気に病まれては重要人物の彼の仕事に支障が出る。
ならば休みなど喜んで返上し事の解決にあたろう、そう考え彼に先導され魔族の使者の元へ赴く。
「はぁいコーイチ、お元気そうね」
エルフの里を急襲した魔族が今回は兵を連れて現れた。なんとも軽い調子で襲撃を無かったことにしているのか、そう言いたくなるがぐっと堪えて用向きを窺うことにする。
「用向きはさっきそこの猟犬に伝えたはずだけど?」
明らかに勇名によるあだ名ではなく、見下したような言い方だった。これは捨て置けないと考え、猟犬ではなく私の部下の誇り高き豹族のパルダスです、豹族の彼にその呼び名は止てください、と少し強めの口調で伝える。
「べ、別に馬鹿にしてるわけじゃないわよ! 元々リオン王の猟犬てあだ名なの!」
やめてくれると思いきや、そう言って食い下がってくる。苛立ちを何とか抑えながら、なら余計止めてほしい、今はリオン王の元を離れ忠実に兵をまとめ上げている、信頼している部下なのでと再度止めるよう頼んだ。
職業:エルフの里代理総督
役職:エイレア(総督補佐官)
ヴァルドバ(食材調達班隊長)
士元勇太(モンスター討伐班隊長)
エイミー(総督補佐官)
ジンネ・ダーント・ミエナ(環境調査班)
ミケ・ザ・キャットとお供二人(資産運用班)
アルヴたちダークエルフ(モンスター討伐班)
パルダス(総督直轄兵)
騎乗馬:サジー(白毛の小さめの馬)
名産品:里の川魚の干物(予定)
人口:二百人
所持品
メイン武器:ソードブレイカー・右
サブ武器:ソードブレイカー・左
魔神の三又槍
防具:布の服・ズボン・革の靴(初期装備)
エルフのマント




