第二百三十話 建築順調、次の課題へ
「コーイチ! 肉体労働ばっかりしないで!」
皆と共に汗を流しながら建築をしていたところ、エイレアから怒られてしまった。事務作業に滞りがあったのかと思って聞くとそうではないという。
「建物ばかりに気が行きすぎです。人の住まいが出来たのは良い事ですが、このままでは国になりませんただの集団です」
ツクヨミさんにそう言われてもピンとこず、何が必要なんですかと言うと皆溜息を吐く。
「法律よほ・う・り・つ! 戸籍から何から決まりがないと、毎回コーイチに判断を仰ぐことになるわよ?」
「そうです。離婚裁判や凶悪犯罪の裁判をあなた一人で裁く気ですか? 人口も増えるのに?」
住むところを何とかしないといけないと思いすぎ、法律にまで頭が回らなかった。リキさんたちに一旦抜けることを告げ、エイレアやエイミー、ツクヨミさんとアインスさんの四人で、国の法律を考える会議を修繕が終わったアインスさんの家で始める。
基本的には信賞必罰、犯罪に関しては捜査して疑いや免罪が無い場合は、情けを掛けずに処罰するという方針を伝え、それに沿った法律を整備していくことにした。
ゼロから法を作るのも大変だなと思いながら、紙に入れたい項目を羅列していく。
「コーイチ、姉さんから」
唸りながら書き込んでいるとエイレアにそう声を掛けられる。何かあったのかと思い急いで水晶玉の前に座ったが、イリスとエレクトラ王妃二人で並んで笑顔だったので、何もないだろうと思いほっと胸をなでおろした。
今日はどうしましたかと聞いたところ、ひと月経って陛下の容体が回復し政務に復帰した、という報告だという。
今はシスターアヤメはこちらにいるし、タウマス王に何事も無くて本当に良かったと笑顔で返す。二人も回復したことで笑顔が戻って良かったなと思っていると
「コーイチ殿、出来れば今回の事件について色々お話ししたいのですが、そちらに出向いても宜しいでしょうか」
王妃からの申し出に即答は避ける。何しろこちらを貶めたい連中が向こうにいる以上、そういった行動は彼らの思うつぼになるからだ。
一旦こちらで相談しますと返したところ王妃は顔を曇らせた。恐らく襲撃の件で気に病んでるんだろうなと思い、アインスさんとエイレアを呼び家族で話してもらうことにする。
水晶玉越しとはいえ家族団らんの邪魔をしないよう、家から出るとパルダスが待っていた。急用かと聞くと例のモンスターたちの行動についてだという。
活発は活発だがどうも追いやられているような感じがすると言い、調査をしたいと願い出てくる。即答したいところだがこれも避け、ミケたちやヴァルドバがもう少ししたら帰ってくるかもしれないので、少し待つよう言った。
追いやられているとなれば相応の敵がいるだろうし、現在人員的には全体を見ても戦闘向きの人材は少ない。
負傷者ゼロは無理だろうから、非常時のためにも今は人員を減らしたくないので、堪えてもらうことにする。城壁がない国を作るのであれば、一般市民にも毎日体を鍛えてもらった方が良いだろう。
戦闘員は犯罪摘発や日々の防衛のためにも必要不可欠であるから、老若男女問わず役割分担でこなしてもらった方が、兵役義務を課すよりマシだろうと思う。
パルダスにはこの辺りも相談し、エルフの兵士から選抜して指導に当たらせると言ってもらえた。少数精鋭であれば適材適所はもちろんのこと、有事の際に誰でもそれなりに対応できるよう、日々積み重ねておくのは大事だと考えている。
「所詮誰も死ぬときは一人だしなぁ」
「どうされました? 陛下」
自分がここに来る直前のことを思い出し、誰かに助けてもらえるのは運が良いだけで、基本死ぬときは一人だなと感じたことが口から出てしまった。
常時誰かが傍に居ればいいが誰もいない時に襲われた場合、鍛えていた方が生存確率が高くなると思ってとパルダスに言うと、そうですねと大きく頷いてくれる。
職業:エルフの里代理総督
役職:エイレア(総督補佐官)
ヴァルドバ(食材調達班隊長)
士元勇太(モンスター討伐班隊長)
エイミー(総督補佐官)
ジンネ・ダーント・ミエナ(環境調査班)
ミケ・ザ・キャットとお供二人(資産運用班)
アルヴたちダークエルフ(モンスター討伐班)
パルダス(総督直轄兵)
騎乗馬:サジー(白毛の小さめの馬)
名産品:里の川魚の干物(予定)
人口:二百人
所持品
メイン武器:ソードブレイカー・右
サブ武器:ソードブレイカー・左
魔神の三又槍
防具:布の服・ズボン・革の靴(初期装備)
エルフのマント




