第二百二十六話 新王国建設計画
なんとか人が来る目途が立ったことで一安心し、その日は眠りに就く。
数日間は前回のルーティンをこなし日々は過ぎて行く。一週間近く経ったある日の朝、ハクロから人が訪ねてきたというので、撤去作業の増員かと思いきや
「コーイチ様初めまして! 私はツクヨミと申します。人を求めているとお聞きしたので参上しました。どうか一味にお加えください」
黒い軽鎧に身を固め、少し大きな手甲を身に着けた、緑髪のショートカットの女性がそこにいた。姿だけなら誰だか分からないだろうが、顔はそのままだし声は若干高いだけで変わっていない。
それに一味ってなんだ一味って。うちは海賊団じゃないんだぞと突っ込みを入れようとしたが、ややこしくなるので堪えていたところ
「え、アヤメ? んご!?」
横にいたエイミーが我に返り彼女の名前を口にした瞬間、目にも止まらぬ速さで拳が腹に直撃し、エイミーから聞いたことのない汚い声が出る。
「アヤメなどと言う名前ではありません。ツクヨミです、ヨロシク!」
ヤンキーみたいに凄んだ挨拶をされどうしたものかと思ったが、エイミーが割と重症っぽいので回復しつつ、暴れたら摘まみ出すんでヨロシクと返すと、やったと声を弾ませ村に入り皆に挨拶し始めた。
「な、なんなのよあれ……」
「触らぬ神に祟りなし、だ」
肩を貸して村に戻り座れる場所に置いてから治療を再開し、全快するまで待ってからエイミーは休ませ一人朝の作業に戻る。
朝食を終えると今度こそ瓦礫撤去作業の増員が来て、挨拶を終えた後はリキさんに指示を頼んだ。ある程度配置が済んだ後は自分も瓦礫撤去作業に移った。
瓦礫の撤去が終わらなければ家も建て直せず、まだ先の方の地面が抉れた場所をどうにかしなければならないので、どれだけ人手があっても足りない。
この日は撤去作業を皆としながら、合間に相談や報告を受けて対応し一日が終わる。以降、数日置きに里の売り上げを使い人員が少しずつ補充され、二週間経つ頃には瓦礫撤去作業の終わりが見えてきた。
「陛下、この図面を見て頂きたいのですが」
瓦礫撤去班が中休憩を取っていた時、エオルさんが図面を持って現れる。彼も連日撤去作業しつつも区画整理したり、寝ているのか心配になるほど働いていた。
が、目はどの時よりも輝いており、娘であるエルザから変なお薬とかないよね? と心配される始末。一応念のためアヤメさん……改めツクヨミさんにも見てもらうが、そういうのじゃなく精神的に興奮して疲れを忘れているだけらしい。
「とにかく陛下、我々には時間がありません。流れるように里を回復し、流れるように中間地点を建設し、流れるように本拠地をどうにかしないといけません。人が来ても住むところがないんじゃ話になりませんから」
正論を言われて押し黙るほかなかった。出された図面を先ず全体図から見るが、エルフの里と抉れた地面の場所、それに旧エルフの里を一本の線で結ぶように、家を建てていく計画のようだ。
本来なら他種族の国と同じように一か所に集中し、堀を作って城壁を作り都市としての防衛機能を有したいが、森の中で制約があるためこうしたと言われる。
「我々の国は出来たばかりなので人口も少ないので、攻めてくるという心配はないと思うのですが、来られても森に溺愛されている陛下がいらっしゃるので、この際ゲリラ戦法一択で良いのではないかと」
どこかが攻められたら来た敵に対し、木や草を利用したゲリラ的な戦い方で相手をかく乱、追い払うということらしい。
兵士たちの訓練目標が出来ていいし、何より制約の中で出来うる限り考えた策なので、それで行きましょうとゴーサインを出す。
中間地点には兵士を多く滞在させ、居住区は里と旧里にという配分で行きましょうとも言われる。出来れば線を引くように水も通したいと言われたので、後でマナの木を通してオベロンさんたちに確認してみることにした。
職業:エルフの里代理総督
役職:エイレア(総督補佐官)
ヴァルドバ(食材調達班隊長)
士元勇太(モンスター討伐班隊長)
エイミー(総督補佐官)
ジンネ・ダーント・ミエナ(環境調査班)
ミケ・ザ・キャットとお供二人(資産運用班)
アルヴたちダークエルフ(モンスター討伐班)
パルダス(総督直轄兵)
騎乗馬:サジー(白毛の小さめの馬)
名産品:里の川魚の干物(予定)
人口:二百人
所持品
メイン武器:ソードブレイカー・右
サブ武器:ソードブレイカー・左
魔神の三又槍
防具:布の服・ズボン・革の靴(初期装備)
エルフのマント




