第二百二十一話 神の鎖
ふいに久しぶりに聞く声がして驚くと、シスターアヤメも聞こえたのか誰の声だと聞いてきた。言ったところで信じる訳がないので説明せず、いったい何をくれるんだと聞いたところ
―僕ことクロウ・フォン・ラファエルお手製の魔法、神の鎖の使用を君のみに限定して許可するよ。これなら化け物だろうと魔神だろうと魂ごと縛れる。
そう言ってきた。神の鎖というのは確か魔神ラヴァルの部下である、ラオックを縛ったものだった気がする。そういえばラオックは無事なのだろうか。
ラオックのことや魔神ラヴァルのことを聞こうとしたものの、シスターアヤメが無理やり起き上がろうとしたので、慌てて肩を押さえて寝ているよう促すも
「な、なんだ? 今クロウ・フォン・ラファエルと言ったか? なぜ神の真名を名乗っている……!?」
明らかに取り乱しながら手を払われてしまった。彼女の身になってみればずっと信じてきた神様が、突然話しかけてきたとか冗談としか思えないのは分かる。
―いい加減疲れるね君たち。僕の名を付けた宗教を作っていいなんて許可した覚えはないよ? コウにはニ、三時間かけて説教したんだ。他人の名前を名乗って救済活動するなんて非常識にもほどがある! ってね。コーイチ、君がクロウ教とかいう不愉快な宗教を潰してくれたら、その星をあげても良い!
ゆっくり速度を上げて話し、最後はまくし立てながらクロウは怒鳴った。耳キーンではなく頭キーンてなる。星なんて俺の手に余るものは要らないから落ち着いてというも、怒りの矛先がこちらに向いたらしく
―良いよ分かった。君は他人事だからそんな風に言えるんだ。であれば君の名を関した宗教をどこかにつくらせよう……それがいい……そうしよう。じゃあね。
逆ギレされた挙句に最悪な宣言をされ強制終了された。ただの八つ当たりじゃないかと嘆きつつ立ち上がる。
「か、神が私に対してお怒りを……ああ……」
目を覚ましたばかりなのにシスターアヤメは気を失って倒れた。気の毒にと思いながら抱きかかえ、勇太のところに戻るともう大丈夫だというので、二人でエルフの里まで戻る。
エルフの里の惨状を伝えると彼も溜息を吐き、また一からやり直しかと嘆いた。ティターニアさんからはえぐれた地面の場所もどうにかしろと言われてる、そう付け加えると顔をそむける。
責任を感じてるんだろうけど、ティターニアさんもこちらには怒ってないし頑張って復興していこう、そう声をかけた。
「おお、陛下が戻られたぞ!」
エルフの里にはそう時間も掛からず着き、門には怪我が軽くて済んだと思われるエルフの兵士がたっていて、こちらを見るなりそう声を上げ中へ入っていく。
見たところパルダスに預けたエルフの兵士には見えなかったが、思い違いだろうと考え勇太と共に中へと入る。
「おかえりなさい、勇太も無事だったのね」
里の中央だった場所にエイミーがおり声をかけると、そう言ってからアルヴを呼びに行った。勇太は別に良いのにと不服そうに言っていたが、なんだかいつもと違い少しうれしそうに見える。
指摘すると怒られそうなのでそうだなと同意し、エイミーが戻るのを待った。
「勇太、よくぞ無事で……」
アルヴはダークエルフたちを引き連れてきたものの、後ろの者たちも気を聞かせてアルヴを一人だけ前へ出す。
「ただいま……」
いつもの元気で生意気なやつはどこへやら、しおらしい感じで勇太はアルヴに応える。雰囲気的にここは邪魔をしてはいけないと察し、サジーの手綱を引いて別の場所へ移動した。
「それなに?」
エイミーも付いてきて、前に乗せているシスターを指さし聞いてくる。彼女がシスターアヤメを知らない訳はなく、揶揄っているのだろうと察したので、今回の唯一の収穫だよと答えた。
休む場所も無いなと思いながらサジーを止めて下り、壊れた家でもマシなところにアヤメさんを寝かそうと、彼女を下ろそうとした時に首から鎖が見える。
なんだか嫌な予感がしたが見なかったことにして、彼女を抱きかかえ壊れかけのベットに寝かせた。
職業:エルフの里代理総督
役職:エイレア(総督補佐官)
ヴァルドバ(食材調達班隊長)
士元勇太(モンスター討伐班隊長)
エイミー(総督補佐官)
ジンネ・ダーント・ミエナ(環境調査班)
ミケ・ザ・キャットとお供二人(資産運用班)
アルヴたちダークエルフ(モンスター討伐班)
パルダス(総督直轄兵)
騎乗馬:サジー(白毛の小さめの馬)
名産品:里の川魚の干物(予定)
人口:二百人
所持品
メイン武器:ソードブレイカー・右
サブ武器:ソードブレイカー・左
魔神の三又槍
防具:布の服・ズボン・革の靴(初期装備)
エルフのマント




