第二百二十話 勇太対魔女の行方
治療して回る中でアインスさんに付き添うエイレアを見つけ、容態を聞いてみると軽傷で済んだという。お父さんは指導者だから先に回復するね、と告げて生命変換を当て次の者へと移動する。
エルフの皆の容態がある程度落ち着き、アインスさんが気が付いたので後を頼み、急いで勇太の元へ向かうことにする。
ダークエルフたちも来たいと言っていたが、相手は凄腕の魔法使いなので安全を考慮し、今回は大人しく待っていてくれと告げて走り出した。
「おいマジかよ……」
エルフの里を出て勇太と別れた地点へあと少し、というところに来た瞬間、唖然として声が漏れ出てしまう。たしか森の中だったはずなのに、その場所は草木どころか地面もえぐれ、広い範囲で崩壊していたのだ。
いったいどういう戦いがあったのか想像できず、とにかく先ずは勇太を探そうと再度走り始める。
「よう……」
地面がえぐれた辺りを走っていた時、寝そべっている焦げた人を見つけ駆け寄った。勇太だと直ぐに分かり急いで生命変換を当てていく。
―コーイチ、里の方ご苦労様でした。こちらもあのエルフを退けられました。
治療中にティターニアさんの声が聞こえ、彼女がフォローしてくれたのかと理解し感謝する。
―仕方ありません森の危機でしたので。あの魔女は狡猾にも逃げ出してしまい、殺すことは叶いませんでしたが呪いをかけておきましたので、ただでは済まないでしょう。
明るく元気で抜けているティターニアさんと違い、声が厳格な雰囲気を醸し出しており驚いた。呪いをかけておいたと聞いて、あまりティターニアさんを揶揄うのはやめようと密かに誓う。
ー勇太、あなたもよく覚えておきなさい? あなたたちのしたことは決して許されることではありませんが、コーイチに協力するのであれば多少は大目に見ます。努々忘れないように。ではコーイチ、復興の方は任せましたよ!
最後の方はいつものティターニアさんに戻り、この地獄をなんとかしろというとんでもないものを押し付け、こちらが何か言う間もなく去ってしまった。
「フン……言われなくてもわかってる」
勇太は空を見上げながらそう言って起き上がる。怪我の方もすっかり良いようで、さすが転生者だなと言うとそうだなと素直に同意した。
「ああそうだコーイチ、そこらにクロウ教のシスターがいるはずだ。彼女も手当てしてやってくれ」
一瞬彼の言葉が理解できず、もう一度頼むというとシスターアヤメが近くにいると言われ、どうやら夢でも聞き間違いでもないと理解し探し始める。
地面がえぐれたところから少し離れた木の下に横たわっており、息を確認したところちゃんと呼吸していたのでほっとしたが、やはり火傷を負っていたので急いで生命変換を掛けた。
「また……その技を無断で……使っているのですか……」
しばらくかけ続けていると気が付いたらしく、咽ながら生命変換の使用を咎めてくる。急を要したのですいませんと謝罪した後で、仲間を助けてくれてありがとうございますと礼を言った。
「元々あのエルフを始末するつもりだったので、お礼を言われる謂れはありませんよ。残念なことに二人掛かりでも、あの女エルフを殺すことはできませんでしたけどね」
こんな場を破壊するほどの攻撃を凌いだだけでも凄いですよ、というと鼻で笑われる。
「慰めてもらわなくても結構です。最後に戦った相手を殺せなかったことは心残りですが、やれることはやりましたので」
やり切ったような顔をして空を仰ぎながらシスターは言った。王を病に陥れてエルフの里襲った罪を、自分一人で抱え込もうというのだろうか。
シスターアヤメ一人でこんなことが出来る訳がなく、それを王が了承するとも思えないが、政治的決着を狙ってする可能性もある。死んで楽になるなど身勝手すぎる、そう考え説得を試みようとしたが聞き入れはしないだろう。
―コーイチ、ご褒美に君に良いものを授けよう。
職業:エルフの里代理総督
役職:エイレア(総督補佐官)
ヴァルドバ(食材調達班隊長)
士元勇太(モンスター討伐班隊長)
エイミー(総督補佐官)
ジンネ・ダーント・ミエナ(環境調査班)
ミケ・ザ・キャットとお供二人(資産運用班)
アルヴたちダークエルフ(モンスター討伐班)
パルダス(総督直轄兵)
騎乗馬:サジー(白毛の小さめの馬)
名産品:里の川魚の干物(予定)
人口:二百人
所持品
メイン武器:ソードブレイカー・右
サブ武器:ソードブレイカー・左
魔神の三又槍
防具:布の服・ズボン・革の靴(初期装備)
エルフのマント




