第二百十九話 化け物戦決着
ーこの愚か者めが!
放った斬撃が人型に何故か変化し、化け物の粒子を吹き飛ばし到達すると思い切り殴り飛ばした。いつから俺の技はあんなものに変化したんだと呆れつつ、聞こえた声が男だったのでオベロンさんだろうと考え、倒れた化け物を見下ろす者に声をかける。
「おうご苦労だったなコーイチ。人間族のお前にエルフたちの後始末をさせてすまん」
人の形をした粒子はこちらを向いて手を上げそう言った。彼らはどうなりましたかと聞くと
「代償を支払わせる。殺すなどと生温い逃げは許さん」
そういって化け物に近づき蹴り上げる。体はゆっくり空中に浮き、目線の高さくらいまで来たところで跡形もなく消えた。死ななかったことはよかったのか分からないが、これで周辺が落ち着くなら安心できる。
「あとそこの魔族、時間がない故今は許してやるが、あまりおいたが過ぎると殺すぞ?」
後ろの方にいるであろう魔族へ掌を向け、次の瞬間、パン! という破裂音がして振り返ると小型悪魔がミンチになっていた。
「ご丁寧な忠告痛み入りますわ妖精王、ですがご安心ください。私たちは彼らに言われて協力しただけで、元よりここに攻め入ろうとは思っていませんので。それにコーイチは話が出来そうな男なので、今後は良い付き合いが出来るかもしれません」
魔族は笑みを浮かべながら跪きそう言った。謎の高評価に戸惑いながらも、話をするくらいは別に良いかと思い突っ込まずに放置する。
「ふん、相変わらず目ざとい連中だ。私としては森やマナの木を荒らさない限りは許すが、それを踏み越えれば殺すだけのことだ。コーイチ、くれぐれもよろしく頼むぞ?」
オベロンさんはこちらにそう言うと、粒子は徐々に細かくなりやがて消えた。ふぅと一息吐いて槍を拾い周囲を見渡したが、その酷い惨状にため息が出る。
サジーが寄ってきて頭を顔に近づけこすってくれた。慰めてくれてありがとう、さっきは足で押してごめんなというと、大丈夫だという様にブルブルと声を上げる。
「じゃあコーイチ、オベロン様も帰ったことだし私たちも帰らせてもらうわね」
まるで散歩に来ただけのような感じで言う魔族に対し、惨状に対する怒りをぶつけることも出来ず、夜道に気を付けて帰るんだぞというのが精一杯だった。
「心配してくれてありがとうね。あなたとは近いうちにまた会うから、あなたも元気で」
異世界では通じない皮肉だったかと思いつつ、じゃあまたとだけ言ってサジーに跨りその場を後にする。救助活動をしている皆とは直ぐに合流でき自分も加わった。
二百人ほどのエルフの里の住人から死者が二十人も出ており、中には干物作りを手伝ってくれた人や子がいて、流れる涙を拭わずにはいられない。
ご家族が傍にいたので慰めの言葉を掛けながら抱きしめ、遅くなって申し訳ないと謝罪する。皆一様に命令だから仕方ない、私たちが弱く支えてくれたあなたを支えられなかった、そう言ってくれた。
自分たちの方が辛いはずなのに気遣う言葉を掛けられ、どう返して良いかわからずもうこれからは命令に従わなくて済むから、とだけしか返せなかった。
死者は改めて丁重に弔わせてもらうとして、今は生きている者たちの救助を優先する。幸いなことに生命変換が仕えたので、重症者から先に技を使用し回復していった。
―コーイチ、生きているエルフたちをマナの木の麓に連れてきてください。力が少しだけ回復したので私もお手伝いします。
エリザベスの提案に甘えることにし、比較的荒れていないマナの木の麓に怪我人たちを移動させる。
―木の周りに流れる水を彼らに飲ませてください。少しの間だけ回復が早まるようにしておきました。
彼女の言葉に従い怪我人たちに水を飲ませていく。軽症者は時間が経つとすぐに良くなり、重症者も生命変換と合わせたことで重症から軽症へと変化し、一命を取り留めることが出来てほっとした。
職業:エルフの里代理総督
役職:エイレア(総督補佐官)
ヴァルドバ(食材調達班隊長)
士元勇太(モンスター討伐班隊長)
エイミー(総督補佐官)
ジンネ・ダーント・ミエナ(環境調査班)
ミケ・ザ・キャットとお供二人(資産運用班)
アルヴたちダークエルフ(モンスター討伐班)
パルダス(総督直轄兵)
騎乗馬:サジー(白毛の小さめの馬)
名産品:里の川魚の干物(予定)
人口:二百人
所持品
メイン武器:ソードブレイカー・右
サブ武器:ソードブレイカー・左
魔神の三又槍
防具:布の服・ズボン・革の靴(初期装備)
エルフのマント




