第二百十八話 魔法砲対超魂斬り
「無理よ残念なことに。二つくらいの要素を混ぜた程度なら分離も可能でしょうけど、魔族の魔法にアリエルの魔力、エルフに土属性に木属性の魔法、混ぜに混ぜちゃったからどうしようもないわ。だから良いのか聞いたのよ? 私」
呑気に言うなと思いながらも、元交渉人の方は俺にも責任があるが、彼らが望んだことなのだから仕方がない。出来るだけ長く苦しめず決着を付けようと考え、速度を上げて魂斬りを連発する。
徐々に化け物は動き事を止めて防御に徹し始めた。時間稼ぎのようなことをすれば苦しむだけなのに、そう思ったが相手は大賢者アリエルだということを思い出し、気を抜かないよう気を付けながら攻撃を続ける。
「ウォオオオオ!」
何も仕掛けてこないので止めを刺すべきだと判断し、距離を取ってクリスタルソードを掲げ気を送った瞬間、化け物は叫び声をあげて防御を解いた。
チャンスだと見て剣を振り下ろそうとしたところで
「魔法砲!」
アリエルの声でそう叫んだ化け物の口から、大きな光の粒子が放出されこちらに向かってくる。急いでサジーから飛び降りて足で押して距離を取ら剣を下したが、間に合わず直撃は免れないと覚悟を決め気合で受けた。
「ナ、ナンダト!?」
直撃の寸前で光の壁が現れ直撃は免れたものの、衝撃までは無効化にはならず吹き飛ばされる。急いで体を飛んで行っている方向へ向け、建物にぶつかりそうになったので腕を交差させて突っ込んだ。
さすがに無敵ではないのでダメージを負ったが、それでも剣と槍が守ってくれたのか、腕にダメージはそれほどなくてほっとする。
―ごめんなさいコーイチ。今の場ではこの程度しか力が……。
エリザベスの申し訳なさそうな声が聞こえ、いつも助けてくれてありがとう、無理しないで良いよと伝えながら起き上がった。
こちらにされるがまま防御に徹していたのは、恐らくあの攻撃を出すためのチャージタイムだったのだろう。
元々体が硬かった上に今は木や草を纏い軽減率を上げている。ちょっとやそっとじゃ崩せない。今直ぐに戻ったところでチャージをし始めているだろうから、ここは次はこちらも真正面から受けて立ち、放ち終えた瞬間を狙おうと考えた。
「グルルルル」
ゆっくりと化け物がいる近くまで戻ってみると、理性が無くなり始めているのか獣のような声を発しつつ、腕を前に出して防御の体制を取っている。
先ほどと同じ行動だと読んでこちらも剣を掲げ気を注ぎ、攻撃に備えることにした。こうしていると魔神ラヴァルとの戦いを思い出す。あれもまだそう昔ではないのに懐かしく感じる。
あの時も同じような感じだったが受けることを考えず、相手の技を押し切るために全力で放った。今回なぜ弱気になっているのかと自分に檄を飛ばし、槍を地面に突き刺すと剣を両手で握り全力を注ぐ。
放つはこちらの最強の技、超魂斬りだ。解除できないのであればこの技によって、人ではなくなった二人を苦しみから解放するため、一刀のもと切り伏せる。
覚悟を決めて精神を集中し気を注ぎながらその瞬間を待った。
「魔法砲!」
もはやアリエルの声かどうかすら分からない声で技名が発せられ、自分の悲しい気持ちを吹き飛ばすように
「超魂斬り!」
そう大声で叫びながら相手の光の粒子目掛け、全身全霊を込めてクリスタルソードを振り下ろす。アリエルが言ったように憎しみを力に変えているからか、凄まじいパワーが込められてる。
もし魔神ラヴァルの前に戦っていたら、ひょっとしたら力負けしていたかもしれない、それくらい凄いものだった。
「アリエル、元里の交渉人、二人とも凄い力だった。魔神に勝るとも劣らないものだったよ。だが……」
そう、あの魔神戦を経験しマナの木や妖精たちと心を通わせた今、この場においてはこちらが圧倒的に有利になる。
マナの木が解放され、恐らくオベロンさんたちもエネルギーが供給しやすくなったことで、放った技は増幅されて相手へ徐々に近づいていく。
職業:エルフの里代理総督
役職:エイレア(総督補佐官)
ヴァルドバ(食材調達班隊長)
士元勇太(モンスター討伐班隊長)
エイミー(総督補佐官)
ジンネ・ダーント・ミエナ(環境調査班)
ミケ・ザ・キャットとお供二人(資産運用班)
アルヴたちダークエルフ(モンスター討伐班)
パルダス(総督直轄兵)
騎乗馬:サジー(白毛の小さめの馬)
名産品:里の川魚の干物(予定)
人口:二百人
所持品
メイン武器:ソードブレイカー・右
サブ武器:ソードブレイカー・左
魔神の三又槍
防具:布の服・ズボン・革の靴(初期装備)
エルフのマント




