第百九十九話 調査隊の報告
「ですが仕事を取られた彼は里には残らんでしょうな」
「コーイチは奮起を期待すると言ったのに、仕事を全部奪われたと考えているなら、アインスたちみたいに反旗を翻すのは目に見えてるし、残ったとしても反乱を煽るような動きをしかねないわ」
「それならいっそのこと追放した方がお互い後腐れがないかも」
アインスさんの危惧に対して言った、エイミーとエイレアの言葉を聞いていて思ったのは、話に出たアインスたちの行方だ。親子だけでなく付き従ったものが居るので、人間族の町に紛れ込みこちらの風説の流布をしているのではないか、そう考え口に出してみると笑われてしまう。
「ご心配はごもっともですが、彼らは元々祖父である長老に対して反抗心があっただけで、人間族とも仲良くはないですし証人としても意味がないかと」
「陛下にも詳細は伝えてあるし、簡単には信じたりしないでしょうさすがに」
とはいえそれを利用したくなるような者たちもいるだろう、そう反論するも居たとして止める方法が見つからないと返され、押し黙るしかなかった。
人の口に戸は立てられぬとはよく言ったものだ。陛下もそれを心配し急ぐようにと言っていたのを思い出す。
「里から逃げて悪い噂を立てるものが居たとしても、普通の者は信じません。まぁ悪い奴はなんでも利用するでしょうが、対策を立てるのは今の私たちには無理でしょう」
「何もかもが足りないから、出来ることしか出来ないのよね。だから気にしてもどうしようもないことは置いといて、出来ることをしましょう」
そう言い終えるとエイミーは席を立ち、皆もそれに合わせて席を立った。ミケはそのまま後任の交渉人と共にハクロへ売りに行くというので、サポート役に適した人材をエルフ族から選び、連れて行ってもらえないかというともう選んでると返してくる。
可愛いだけでなく有能とかどんだけ凄いんだ猫族。感動のあまり抱きしめたくなるのを堪えつつ、相変わらず有能で助かる頼んだぞと言って送り出した。
その後は里としてはのんびりした時間が過ぎて行く。エルザたちは干物の量を増やしていたし、勇太とヴァルドバたちは仕事がひと段落しゆったりしている。
他のエルフたちは各々の家の瓦礫撤去をしつつ、近隣も手伝ったりしていた。パルダスに関しては、元里の交渉人に気を付けるようにと頼んでおり、何かあれば知らせてくれる手はずになっている。
恐らくだが彼はアインスさんの見立て通り、里を出ていくだろうと思っていた。大人しく出て行ってくれればそのままで送り出すが、そうでないのならそれ相応の対応をするしかない。
緊急事態に備えて自分は特に何かをするということはせず、各人を見て回ったり手伝ったりして回る。こうやって見ると里の代理総督を引き受けて正解だった。
今の経験があれば国を一から作るにしても、少しは役立てることが出来るが、何もない状態でやれば大混乱必死だっただろう。
どうやって金銭を稼ぎ皆を食わせ、お給料を払い環境を整えるか。森の恵みが無かったらこの点厳しかったものの、勇太やヴァルドバという体力系の人材のお陰もあって、何とか乗り越えられたと思っている。
ティターニアさんに不安を抱きつつも、妖精たちが力を貸してくれるのであれば、移住してもこの点は何とかなりそうな気がしていた。
チートしててすみませんと思いつつ、ジンネさんたちの調査を待ちながら過ごしていく。
「陛下、今帰りました」
里の中をぐるぐると休みつつ見回り、夕方近くになったところでジンネさんたちが丁度返ってくる。代理総督だけどお帰りと返し調査の結果はどうかと聞いたところ、ジンネさんの表情は芳しくなかった。何があったのだろうかと思いながらも、話してくれるのを待っていると
「居ましたよ元エルフたちの里に、例の集団が」
そう嫌なものを見たという感じで言ってくる。例の集団というと思いつくのでは、クロウ教とアインスたちの二つしかないがどちらだろうかと聞いたところ、後者ですという。
職業:エルフの里代理総督
役職:エイレア(総督補佐官)
ヴァルドバ(食材調達班隊長)
士元勇太(モンスター討伐班隊長)
エイミー(総督補佐官)
ジンネ・ダーント・ミエナ(環境調査班)
ミケ・ザ・キャットとお供二人(資産運用班)
アルヴたちダークエルフ(モンスター討伐班)
パルダス(総督直轄兵)
騎乗馬:サジー(白毛の小さめの馬)
名産品:里の川魚の干物(予定)
人口:二百人
所持品
メイン武器:ソードブレイカー・右
サブ武器:ソードブレイカー・左
魔神の三又槍
防具:布の服・ズボン・革の靴(初期装備)
エルフのマント




