第百九十四話 妖精女王
君たちの魔法のお陰だから自分は特に何もしていないと返すと
ー人の手を借りず魔法は使えないのであなたのお陰です。ありがとうございました、コーイチ。
そう言いながら一人のエルフの女性がこちらの前に出てきた。女性は鼻筋の通った美人で、前髪をすべて出し煌びやかなカチューシャ、真っ白で飾りの無い質の良さそうなワンピースを身に付けている。
何かその人物に違和感を感じ他の人たちと見比べてわかったが、彼女だけ身に着けているものの質が違うのだ。
佇まいもエリザベスなど皆地位のある家の人だとは思うが、目の前の女性はより高貴に見えた。
ーあなたが里を救ってくれたおかげで、きっとエルフたちも変わっていくことでしょう。良かれと思って与えた魔法という力が、彼らを狂わせてしまった。そのせいで多くの人間族やエルフまでもが犠牲となり、生き地獄を作る結果となってしまったのです。
恐らく最初の頃はどの種族もモンスターや猛獣などで、生きるのすら大変だったのだろう。エルフたちはたまたまマナの木を見つけて交流できたことで、魔法を与えられそれを使って暴れ、結果として多くの種族から恐れられている。
エルフが苦境に立とうとも助けることをしなかったどころか、崩壊してそれが解消され荒廃しても占領すらしないというのが、他種族からの敬遠振りを表していた。
ーすぐには無理かと思いましたが、あなたという存在が現れてくれたおかげで、残されたエルフたちには私たちも希望が見えている。だからこそあなたに積極的に力を貸そう、そういう結論に至ったのです。
話を聞いた感じだと、マナの木の生贄にされた人たちのリーダーのような気がしたものの
――それに妖精の王妃様から魔法を少し掛けてもらったから心配ご無用!
ふとパックの言葉が頭を過る。エルフの里のある周辺の森は妖精が多く住む森で、本来であれば人間族は立ち入った瞬間、妖精たちの悪戯の標的となり最悪死に至ると聞いていた。
いくらクリスタルソードを持っていたとはいえ、妖精たち一人一人の判断でそれを止めるだろうか。パックが借りや好奇心だけで、こちらに与することがあるのだろうか。
―何か聞きたいことがお有りでしたらどうぞ。
女性は笑顔でそう促してきた。折角なのでお言葉に甘え失礼ですがと前置きしたうえで、あなたはいったい誰なのか、エリザベスたちとは違う様に思う、そう尋ねたところ口に手を当てて上品に笑う。
―ごめんなさい、どうしても夫からの贈り物の飾りを外したくなくて……このような素晴らしいものを付けていれば分かってしまいますよね。本来であれば姿を見せる必要はないのでしょうが、私としては会ってお礼を言いたくて来ました。お初にお目にかかりますコーイチ。私の名はティターニア、妖精たちの王であるオベロンの妻です。
ティターニアとオベロンと言えば、ゲームを多少でもやっていれば耳にしたことのある、妖精の王様と王妃様だ。
元々はシェークスピアの戯曲である真夏の世の夢、という作品の登場人物だと友人から聞いたことがある。凄い人と会うものだなと思いつつ、お目にかかれて光栄ですと左胸に手を当て傅く。
―騙し討ちのような形になってしまったのに、丁寧なあいさつありがとうコーイチ。私たちはあなたのことを、森の中に入った時から見ていました。というのも、クリスタルソードは私たちがドワーフに頼んで作ってもらった、現実と幻想の狭間にある剣なのでどうしても感知してしまうのです。
どうやらマナの木や妖精たちの祝福によって、エルフたちは反映していたようだ。恐らくこの里にあるクリスタルソードのような秘宝は、すべて彼女によってもたらされたのだろう。
ー元々エルフは私たち同様、人間族や獣族とは関わらない領域に住んでいました。ある日突然知識欲の強い彼らがどうしても外に出たいと言うので、止む無く送り出したのが始まりです。夫が言う様に放り出してしまえばよかったのですが、それではあまりにも不憫だと思ってしまって、色々持たせたり加護を与えたりとやりすぎてしまいました。
職業:エルフの里代理総督
役職:エイレア(総督補佐官)
ヴァルドバ(食材調達班隊長)
士元勇太(モンスター討伐班隊長)
エイミー(総督補佐官)
ジンネ・ダーント・ミエナ(環境調査班)
ミケ・ザ・キャットとお供二人(資産運用班)
アルヴたちダークエルフ(モンスター討伐班)
パルダス(総督直轄兵)
騎乗馬:サジー(白毛の小さめの馬)
名産品:里の川魚の干物(予定)
人口:二百人
所持品
メイン武器:ソードブレイカー・右
サブ武器:ソードブレイカー・左
魔神の三又槍
防具:布の服・ズボン・革の靴(初期装備)
エルフのマント




