第百九十二話 忌まわしき施設の浄化作業
ーコーイチの体に特別に魔法を打てるようになるよう、魔術粒子が通れるようになる道を作りました。あとは施設の入り口に立った後で祝福されし神聖な水と叫んで頂ければ、あなたの掌からマナの木の水を放出し、施設内に流し込み浄化しますので。
左掌を見ると青白い光が付け根から指先まで走り、少しすると光が消えた。ありがとう早速向かうよと感謝を告げて離れ、エルザにエリザベスの言葉を伝え終えるたところで、上の方から糸をまとめた塊が落ちてくる。
糸を掴んでエルザに渡したところで
ーイリスが私たちと共にいた時にマナ蚕から集めてまとめたものです。心して使う様にとも伝えてください。
言葉をそのままエルザに伝えると、イリスの作ったものだと聞いたからかその糸を大事そうに抱え、気合の入った顔をして木に感謝を告げて一礼し里へ戻っていった。
彼女の頼もしい後ろ姿にこちらも刺激され、後を追う様に里に戻りダークエルフの施設を知らないか、そう声をかけて回る。
丁度タイミングよく仕分けが終わったアルヴと会い、場所を聞いたところ一緒に行くことになり移動した。
施設の場所は里の端にあるがマナの木から遠くない位置にあり、大地に根を張る木なら悪影響を受けてしまうだろう。
扉は既に壊されていてそこから微かに血の匂いがしてくる。扉を壊さず開けられなかったのであれば、塞ぐなりしてほしかったなと思いつつ、もっと早くにここに来るべきだったと反省した。
「悪いがここまでで良いだろうか?」
アルヴがそう言ってきたので顔を見ると血の気が引いている。彼女のトラウマそのものの場所にいるので、ここまでで良いし帰っても良いと言ったが待っているという。
浄化するとは伝えていないし、浄化したところでトラウマは解消されないだろうが、多少は彼女の気持ちも楽になるかもしれない。
じゃあ行ってくると告げて中へと足を進める。前へ歩けば歩くほど血の匂いは濃くなっていく。あちこちに血が散乱しているわけではないのにこれでは、先に何があるのか見たくないし進みたくもなかった。
ただそんなことも言っていられないので移動していると、地下へと続く階段を見つける。気が滅入るなと思いつつ下ろうとしたところで
ーコーイチ、そこまでで大丈夫です。さらに下まで行くとあなたの精神が汚染されてしまうので、今いる位置から下へ向けて魔法を使用してください。
エリザベスからそう言われ、左手を下へ向けた後で教えてもらったように、祝福されし神聖な水と叫ぶとすぐに水が手から現れ下へと流れていった。
想像したくもないが長い時間水は流れ出ており、かなりの深さか部屋の数があったのだろうと推測される。こういった悪しき施設は保存し公開し、反省を促した方が良いのではないかとも思うが、マナの木に悪影響を与えてしまうのであれば閉鎖も仕方ない。
生き証人であるアルヴたちが居るので、復興が終わり落ち着いた暁には証言を纏めた本を、いつか作れたら良いなと流れる水を見ながら思った。
随分と時間がかかったがようやく階段のところまで水位が上がり、
ーありがとうございましたコーイチ、これで数日経てば物理的な穢れは払われるでしょう。
エリザベスの嬉しそうな声が聞こえる。物理的な穢れということは、そうでないものはあるんだと聞くと
ーそうです。ですがあなたには害はありません。彼らからすればあなたは救世主のようなもの。私たちのエネルギーがある程度回復したことにより、あなたに魔法を与えることが出来、その結果として物理的な鎖から解き放たれ、ようやく怨念にとらわれることがなくなるのですから。
話を聞いた限りでは魂的なものはあるらしい。物理的な穢れというとまぁ人としての諸々で、それがこびりついたままだと魂的なものが縛られ、怨念にとらわれそれがマナの木にも悪影響を及ぼしている、だから俺が現場まで出向いて魔法を使う必要があったということだろう。
ーその通りです。コーイチ、本当にありがとうございます。引き続き時間が許す限り私たちに力を貸してくださいね。
喜んでと答えた後で施設を出るとアルヴだけでなく、エイレアもいて驚き一瞬足が固まってしまい転びかける。
職業:エルフの里代理総督
役職:エイレア(総督補佐官)
ヴァルドバ(食材調達班隊長)
士元勇太(モンスター討伐班隊長)
エイミー(総督補佐官)
ジンネ・ダーント・ミエナ(環境調査班)
ミケ・ザ・キャットとお供二人(資産運用班)
アルヴたちダークエルフ(モンスター討伐班)
パルダス(総督直轄兵)
騎乗馬:サジー(白毛の小さめの馬)
名産品:里の川魚の干物(予定)
人口:二百人
所持品
メイン武器:ソードブレイカー・右
サブ武器:ソードブレイカー・左
魔神の三又槍
防具:布の服・ズボン・革の靴(初期装備)
エルフのマント




