第百九十一話 マナの木の回復へ向けて
「き、聞いてた話と全然違うんだがどういうことだ? 取引に失敗して落ち込んでいるのではないか、そう聞いたから後頭部をしばきにきたというのに……。恋愛の相談には乗れないぞ? むしろお前の方が年上なのだから俺の相談に乗ってほしいくらいなのに、なにをやってるんだ!」
戦っていた時よりも凄い迫力で勇太は怒る。恋愛の相談に乗ってもらったとしても、全然役に立たなそうだからという理由で怒ってる気がしたが、突っ込むと怒られそうなので笑ってやり過ごすことにした。
「で、どうだったんだ?」
「え?」
「どういうシチュエーションでいったとかそういうことだ! 相談できないならお前の失敗から学ぶしかないじゃないか!」
最初小さな声過ぎて聞こえなかったので、聞き返したらさらにキレられてしまう。失敗したわけじゃないんだけどなと思いつつ、二人きりで話している時に流れでそうなって、一応大丈夫だったみたいな感じだと答える。
簡素過ぎたのでもっと詳しくとか言われると思ったものの、鼻で笑っただけで何も言わずに剣を広い鞘に納め、こちらを見ずに歩き出した。
「……恋愛ならお前が取り乱したのもうなずける。俺もそれに関して偉そうに言える立場ではない。というか出来ればそれに関してはお前の方が先輩になると思うので、ぜひそのうちアドバイスを求めたいよろしく頼む」
少し歩いたところで立ち止まり、先ほどとは打って変わってへりくだり、こちらを見てそう言った彼の顔は真っ赤だった。どうやら色々あるらしく忙しいなと思いつつ、笑いをこらえながら分かったとだけ答える。
「頼んだぞ? お前のことも他言しないが、お前も俺のことを他言するなよ? じゃあな!」
他言も何もただアドバイスしてくれと言われただけで、詳しい内容は知らないので他言しようがないが、もちろんだと返すと走って里へ戻っていった。
俺の周りには恋愛弱者が集まるのだろうかと思いながら、落ち着いたので里の中央へ移動することにする。
冷静になって考えれば、エイレアが一緒に居てくれると言ってくれているのだから、彼女が恥ずかしくないよう頑張っている姿をこそ見せるべきなのだ。
マナの木の回復と里の復興を身を粉にして働いていれば、きっと惚れて良かったと思ってくれるに違いない。
そうとなれば仕事だ仕事と気持ちを切り替え、気を使って一人にしてくれたエルザを探して歩いた。皆と一緒に居るところを見つけたので声をかけ、先ほどは申し訳なかったと謝罪すると大丈夫ですと言ってくれる。
感謝の言葉を告げた後で、もう一度用件を聞いても良いだろうかと尋ねた。
「皆さんと干物作りをもっとやりたいんですけど、網が足りないので増やしたいんです。そのためにはマナの木の蚕が必要ということで、総督にマナの木に聞いて頂きたいなと皆さんと話していたんです」
エルザと共にいたエルフの女性たちにもお願いしますと言われ、では今から早速聞いてきますと返し行こうとしたところ、エルザも一緒に行きたいと言う。
別に行く分には問題ないかと考え、一緒にエリザベスにマナの木の状態を聞くべく向かう。木まで距離はないのであっという間につき、念じながらエリザベスに用件を伝える。
ーそうですね……その子の頼みであれば今ある分だけですが、マナ蚕の糸を差し上げましょう。ですがまだ完全に回復したわけではありませんので、それは皆に必ず伝えてください。
間を置かずにそう返答があった。マナの木の回復に関してはどうすればいいか聞いたところ、里の荒れようや建物の立地、それにダークエルフたちに施した悪魔の所業など、それらの払拭が最低条件となると言われた。
実験施設に関してはどうやって払拭すればいいかと聞くと、マナの木に手を当ててほしいと言われたので左手を当ててみる。
職業:エルフの里代理総督
役職:エイレア(総督補佐官)
ヴァルドバ(食材調達班隊長)
士元勇太(モンスター討伐班隊長)
エイミー(総督補佐官)
ジンネ・ダーント・ミエナ(環境調査班)
ミケ・ザ・キャットとお供二人(資産運用班)
アルヴたちダークエルフ(モンスター討伐班)
パルダス(総督直轄兵)
騎乗馬:サジー(白毛の小さめの馬)
名産品:里の川魚の干物(予定)
人口:二百人
所持品
メイン武器:ソードブレイカー・右
サブ武器:ソードブレイカー・左
魔神の三又槍
防具:布の服・ズボン・革の靴(初期装備)
エルフのマント




