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ティッシュの効果

 危なっ!あー危なかった!

 さっきのはマジで死を覚悟した!


 なんとか上手い事屋根の上に飛び乗って、そのまま走って逃げる事が出来たけど相手が一人じゃなかったらと思うとゾッとする。

 それと何故だか知らないけど、あれだけ弾を連発してきたのに追撃してこなかったのも大きい。

 もしあのまま僕の後を追いかけて弾を撃ってきていたら今頃どうなっていたか分かったものじゃない。


 全く……一体なんでただの日本人が狙撃銃スナイパーライフルなんか所持しているのかは知らないけど、まさか本当に銃で狙われる日が来るとは思わなかったぞ!

 冗談半分に防弾チョッキを探して、半ばノリと勢いで服の中にティッシュを詰めていたけど……これはいよいよ本気で探しに行かないとヤバそうだな。


 とりあえず上半身の服の中に残っているティッシュを捨てて動きやすく……



 チリーンチリーン



 ん?何の音だ?

 何か硬い物が捨てたティッシュと一緒に落ちたような……

 あっ!マジか!

 散らばったティッシュの下に二発の弾丸がある!


 うわー……被弾してたんだ。

 痛覚が無いから撃たれても全然気づかないんだよなぁ……


 体に損傷は無いかな?

 撃たれたって事は多分背中側なんだろうけど、どこかに鏡は……あぁ丁度良いところに床屋がある。

 ここでちょっと確認させてもらおう。


 幸いにもこの床屋も荒らされて色んな道具やら何やらが無くなっているが、髪を切る時に座る椅子の前にある大きな鏡は一枚も割られていないし持ち出されてもいない。

 まぁこんな物持って行った所で何の役にも立たないだろうから当然っちゃ当然か。


 それじゃ上着を脱いで背中を確認っと。

 んー……見た感じ弾が背中を貫いた跡は無いかな?

 腕の方も大丈夫そうだ。

 うん。あの番組の検証結果は間違いないみたいだな。

 確実にティッシュが弾丸を防いでくれている。

 ノリと勢いでやった処置にしては上々の結果だな!

 ……凄い動きにくくなるから二度とやらないけど。


 まぁ体に損傷が無いのを確認出来て一安心。

 まだ僕達ゾンビの生態について分かっていない事が多い以上、痛みが無いからといって悪戯に体を傷つけたくはない。

 後からどんな不具合や後遺症が出て来るか分からないからな。


 一応僕は右の首筋と左肩が最初にゾンビに襲われた時に噛まれて傷ついている。

 喰い千切られてはいないから包帯と服で何とか誤魔化せているが、三週間経った今も自然治癒する兆しは見えない。

 多分既に肉体としては死んでいて、生命活動が停止しているからだろう。

 だからこれから先、僕がどんなに大怪我を負ったとしてもその怪我が治る事は無い。


 もし今の僕達ゾンビがゲームや映画に出て来るようなゾンビと同一かそれに近い存在であるのだとしたら、一定以上のダメージを蓄積する事でその時こそ本当の死を迎える事になるのだと思う。


 ……うわ。想像した寒気がしてきた。

 治る事の無い傷なんか考えたくもない。


 はい止め止め!

 暗い事考えるの駄目!

 気分落ち込む!

 もっと楽しい事考えないと!


 よし。気分を入れ替えて少しお店の中を探してみよう。

 荒らされてはいるが何か役立つ物が少しくらい残っているかも知れない。


 とは言っても床屋にあるのなんてハサミとかシャンプーとかそんな物ばっかりのイメージだ。

 ハサミは武器とかに使えるからいいけど、シャンプーとかそういうのは今の僕には必要ない。

 となると探すのはハサミとかの刃物かな?

 こういうのって大体引き出しとか店内に置かれているコロが付いた小さいワゴンの中にありそうだけど、どこを見ても空っぽだ。

 多分持ち出されてるからだ。


 他にもありそうな場所を探してみたけどどこも何も入ってやしない。

 唯一残っているのは電気シェーバーとかドライヤーとか今は電気が通っていない為に使う事の出来ない家電製品類か。

 流石にこんな物はいらないしなぁ……

 それ以外にも僕が集めているような、過去を懐かしむ事の出来る品も特に残ってはいないしここで得るものは無さそうだ。


 まぁ別にそれが目当てでここに来た訳じゃないし、何か残っていればラッキー程度のものだったから別にいいや。


 よし。それじゃここでやる事は終わったしそろそろ外に出て次はどこに行くか考えるとしよう!

この物語はフィクションです。

間違っても防弾チョッキの代わりにティッシュを詰めて戦場に行かないで下さい。

安全を保障しかねます。

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