第8話「さすがだ、俺の妻」
「ミロス、ヴィクトリアを肩車して、ゾンビがいなかったら先に橋に」
「分かった、ヴィクトリア」
ミロスはヴィクトリアを肩車する。
そしてこちらに向かって走ってくる。
そして俺の手に右足を載せる。
その瞬間、俺は思い切り両腕を挙げた。
ミロスが、橋の紐に手を掛けた。
流石俺の嫁だ、橋の木は円形だから安定しないことを分かっているんだ。
ミロスは左右を見る。
「行って!ヴィクトリア」
ミロスはそう言われると、つたなく紐を上り、橋に着地した。
そしてヴミロスは橋を上がり、精一杯こちらに手を向ける。
通常ならジャンプしても手に届かない、これならどうだろうか。
俺は壁を2回蹴り、空中で回転する。
そして確かに、何度も握ったであろう手を握る。
「頼む!」
この後は橋に捕まるまで、ミロスに任せるしかない。
「ううう」
だが、限界のようだ。
俺の体重は重い、筋肉があって脂肪もそれなりにある。
ミロスの横から小さい手が出てきて、俺の右手をつかんだ。
ヴィクトリアの手だ。
その手はゆっくりとだが、俺の手を橋の紐を掴めるところで離した。
俺は紐を掴んだ。
「ありがとう」
そして両腕を動かし、紐を掴む。
ゆっくりと腕を上げる。
そして橋に足を載せた。
左右を見る。
レストランからゾンビがゆっくりと1体来る。
俺は消火器を振るい、橋の上でゾンビの頭を薙ぎ払う。
ゾンビは上半身が橋の外に投げ出されている。
俺はゾンビの股の下から消火器を振り上げる。
ゾンビは橋から落ち、激しい水しぶきが端まで到達する。
「進もう」
俺達はレストラン方向に進む。
レストランに行く。
ゾンビが数体いた。
「先に行け、ゾンビがいたら叫んで戻れ」
ミロスと、ヴィクトリアは厨房に向かった。
2人に向かってくるゾンビを俺は阻む。
全部で5体だ。
1体、ゾンビの頭に消火器をぶつける。
そいつはその場に倒れ、椅子の角に頭をぶつけ、動けなくなった。
2体、机をひっくり返し、アトラクションの水路に寄せ、ひっくり返す。
そいつは水に落ちた。
動けるようだが、這い上がれないだろう。
3体、厨房に向かうゾンビに俺は消火器を投げつける。
顔に当たり、その場に倒れる。
机をそのゾンビに裏返して置き、思いっきり踏みつける。
血が四方八方に飛び散る。
後の2体は遠い。
厨房に行く。
ミロスが武器の鍋を選んでいた。
俺は中華鍋を手に取る。
レストランから2体ゾンビが来る。
「ミロス!」
「ええ、カルヴァ!」
俺達は同時に鍋を振るう。
ゾンビ2体は同時に倒れた。
「さすがだ、俺の妻」
「ええ、我が夫」
確信した。
俺達は無敵の一家だ。




