第26話「さあ、行こう」
さてどうしたものか。
とりあえず聞きこみかな。
閑静な住宅街が並んでいた。
とある家の呼び鈴を鳴らす。
中から中年の男性が出てくる。
「あー、突然で申し訳ないが、この人を知らないか?」
まあ、最初から当たることはないだろう。
「誰だ、帰れ」
男はドアを閉める。
あーそうゆう感じか。
仕方ない、次の家だ。
別の家の呼び鈴を鳴らす。
中から中年の女性が出てくる。
「突然で申し訳ないですが、この人知りません?」
「如果你給我錢,我就告訴你」
ん?
「え?」
「如果你給我錢,我就告訴你」
あーだめだ。
俺はその家から離れた。
別の家の呼び鈴を鳴らす。
誰も出てこない。
空き家か?
でもきれいな車あるしな。
いくら待っても出てこない。
俺はその家から離れた。
やってられるかこんなもん。
聞き込みはやめだ。
少ない脳みそで考えよう。
俺は携帯端末で地図を開く。
確かこのあたりだ。
ここから島までの最短距離となると、ここか?
沖で最後の通信があったということは水没したのだろう。
行ってみるか。
加山は黒い車の前にいた。
「さあ、行こう」
俺達は車に乗り込んだ。
車は30分ほど走ると、空港に到着した。
「これに乗る」
車から降りると、そこにはジェット機があった。
「すげえな、こんなもんまで持っているのか?」
「いや、これは特別だ。中もすごいぞ」
俺たちははしごを登り、機内に入る。
見たこともない機内だ。
これがプライベートジェットというやつか。
「いつでも出発してくれ」
実際に動き出したのはそれから20分後ほどだった。
「ここから5時間のフライトだ。ゆっくりしていってくれ」
俺は寝ることにした。
起きたら、到着する直前だった。
上海から少し離れた空港で飛行機は着陸する。
降りると今度はヘリがあった。
ヘリはコンテナ港を過ぎ、小島につく。
加山が銃で警戒する。
「なんだ?ゾンビでもいるのか?」
「知らないのか?上海どころか世界各地で、もう発生しているぞ」
「とは言っても加山さん、この島にはいなさそうです」
「そうらしい。だが、用心して捜索しようか」
俺たちはヘリを降り、この謎の中国人男性を探す。
翼が回転し、ヘリが上昇する。
「ありがとう、アレクセイ。彼を見つけてくれて」
「私からも感謝する」
人民服に眼鏡をかけた中年男性だ。
物腰は柔らかい感じがする。
「この人は何なんだ?」
「ああ、この人は中国の民族主義者であり、自由主義者だ」
「かつての中華人民共和国では、他民族の弾圧がひどかった。アレクセイ、君のロシアも同じだ。だがそんな中で名目上多文化を受け入れた国があった」
「国か、俺はあんまり知らないが、同じようなことをしようとしたやつを知っている」
「ドイツか、あれじゃない。多文化を受け入れ、彼らを迎合し、融合する。あたらしい漢化だ。そして我々は多文化を受け入れた国、アメリカを中華に作る!」
ソンはこぶしを突き上げる。
「そうかだが俺は民族主義者は好きじゃないんだ。かつてそれでひと悶着あったからな」
「だが、もはや民族の対立は収まらない。このパンデミック中に、行動を起こす。その準備は終わっているのだろう。加山」
「そうだ、ワオユウ。すでに全世界の民族主義者、独立派に援助を行い、各地で反乱の準備を進めていた、そしてこのパンデミック中にコミュニティを形成した」
「そしてこれから起きるのは、全世界を作り変える計画の肝になる部分ですね」
「よし、見えてきたぞ」




