第23話「我々は行く末を見るもの。ワールドリバースプロジェクトが再始動した」
マイケルはカルヴァの肩をつかむ。
「離してやれ」
カルヴァはマイケルのほうを向くと、しばらくの沈黙ののち、男から手を放す。
男は立ちあがり、頭を振る。
「アジア人を連れて本部へ行け」
「おい、アメリカ人だから忖度したな」
「違う、軍法会議にかける。安心しろ、弁護士もいるぞ」
軍人が男の両腕をつかみ、縄で手首を縛る。
「来い」
縄を引っ張り、男を連れていく。
「すまないが証言が必要だ。ついてきてくれ」
マイケルの後ろをカルヴァ達がついていく。
幕営の幕を開け中に入る。
「証言者です。マイケルとミロス。軍法会議が終わったら戻っていいぞ」
そう言ってマイケルは幕営を出た。
避難民のキャンプではアジア人たちが騒いでいた。
「邪魔なアメリカ人を追い出してやった」
「戻ってくる前にあいつらの荷物を奪うぞ」
マイケルはそれを横目で通った。
「アフリカの民族のほうがもっとましだったぞ」
ぽつり言う。
漢民族達にはそれは聞こえず、ただ騒いでいた。
マイケルは自分の幕営に戻り、地図とにらみ合う。
そして無線がノイズを出す。
「こちらマイケル」
「こちら第3小隊。隊員3名死亡。民間人による反乱が発生」
声の裏には、激しい銃声が鳴っていた。
「何!?規模は?」
「100は超えています。銃で武装している者もおります」
「場所は?」
「昨日の籠城コミュニティです」
「了解。撤退しろ」
「了解」
マイケルは無線を切り替える。
「全部隊、撤退しろ」
マイケルはそう言うと本部の幕営に向かった。
幕営の幕を開け中に入る。
そこには第5隊の指揮官もいた。
マイケルは敬礼する。
「民間人の反乱です。重火器で武装も確認されました。すでに撤退しています」
「そうか、ここもか」
「第4隊でも」
「世界の各都市で反乱が始まっている」
「同時に?」
「まるで示し合わせたようにだ。上層部も困惑している。一旦組織を再編しよう。反乱とゾンビ対策のため、この島を橋頭保として確保し続ける。第4隊と第5隊を合併しこの島の防衛を強化する」
そんな中ヘリの音が近づいてくる。
1人の軍人が幕営に入ってくる。
「所属不明の機体が1機近づいてきます」
マイケル達は外に飛び出す。
ヘリコプターが徐々に降りてくる。
中には、若いロシア人男性、初老の日本人男性、白人男性と中国人の男性。
「君がマイケルか」
日本人男性はマイケルを指す。
「なぜ俺の名前を?」
「何者だ!」
「我々は行く末を見るもの。ワールドリバースプロジェクトが再始動した」
日本人男性はそう答えた。




