第22話「キャンプでトラブルです」
「死者5名?」
「はい、死者5名。隊員3名がゾンビ化し、同行していた2名に襲撃しました」
「亡くなった場所は?」
「上海クレーターの近くです」
「上海クレーター?隕石が落ちてからそれほど経過してないし、あそこは民家などないぞ。近くのカフェにたまたまゾンビがいたのか?」
「詳細は不明ですが、中心地の近くにいた隊員がゾンビになったそうです」
「フム・・・。わかった。引き続きよろしく頼む」
マイケルともう1人の軍人は幕営にを出た。
マイケルは避難民の集落を眺めた。
幕営が規則良く乱立している。
ほとんどが漢民族で、彼らは互いに心配したように寄り添っていた。
だが、端でぽつりと第一生存者達がいた。
「やはり、こうゆうときには同じ民族で固まるんだな」
ぽつりと言い、そこを立ち去った。
次の日。
マイケルは幕営の中で、地図に印を書いていた。
そんな中無線が入る。
「こちらマイケル」
「こちら第3小隊。籠城したコミュニティを見つけた」
「わかった救助だ。少しずつでいい、何人いる?」
「それが、救助を拒んでいるようです」
「なんだって、籠城は必ず救助者が必要なんだぞ。食料だって枯渇する」
「それは伝えたのですが、どうやら民族主義者が組織しているようで。中華を復活させるとかなんとか言ってます」
「そうか、仕方ない、そこは救助しなくていい」
「えっ、大丈夫なんですか?」
「本人たちの希望ならそれでいい。憲法で自由は保障されている」
「了解、探索を続ける」
マイケルは無線を切る。
それとほぼ同時に1人の軍人がマイケルの幕営に入ってくる。
「マイケル少佐」
マイケルはその軍人に顔を向けることなく返事する。
「なんだ?」
「キャンプでトラブルです」
マイケルは立ちあがり、幕営を出る。
避難民のキャンプに行くと、生存者たちが騒いでいた。
「俺の妻に何しようとしやがった」
カルヴァが漢民族の男性を地面に倒し、頭をつかんでいた。
「何もしてない、黒人には興味ない」
「ならなぜ俺たちのテントに居た?迷子になったヴィクトリアを探していて、戻ってきたら俺達のテントから、いそいそと出て行ったじゃないか」
「俺のテントだと勘違いしたんだ。そしたらその黒人にひどい目にあった」
「嘘よ、明確に私の腕をつかんだじゃない」
「なんだとこの泥にまみれた女が」
「てめえ今何言いやがった!」
カルヴァが力強く男を抑えた。




