第21話「第5隊、救助者31名。5名死亡」
「ロサンゼルス、ニューヨーク、ワシントン、ロンドン、パリ、ベルリン、ローマ、モスクワ、アラブ、北京、東京、シドニー。どの都市も軍で対処しなければならないほどになると見込んでいる。そして東アジア物流の拠点である上海の港は確保しろというお達しだ」
静寂に包まれる。
「海軍の小型船で上海近くを流れる川にかかる橋を爆破し、上海を孤立させる。第4、第5隊は救出の計画を立てておいたほうがいい」
「海軍の破壊するラインはどこです?」
「詳細は後で部下に送らせるが、ひとまず上海市は全域だと思ってくれ」
「了解」
マイケルは敬礼し、幕を出た。
無線機からノイズ音がすると、マイケルは手に取った。
「目標Aに到着。第1、第2、第3小隊で殲滅作戦を実施。第4、第5小隊は前進を続け、前線が海に到達後、援護に向かう」
「了解、現時点の被害は?」
「確認されていません」
「了解、作戦を進めろ」
「了解」
無線機からノイズが消える。
マイケルは自分の幕営に入り、テーブルの上に上海の地図を広げた。
軍人が1人、幕営に入る。
「マイケル少佐」
軍人は敬礼する。
「第4隊の」
「ええ、上海市民救助のため、探索管轄を分けませんか?」
「それはいいが、どう分ける」
「あの橋の大陸結合部、北緯30度より北を第4部隊が、南を第3部隊がやるのはどうでしょうか」
「それでいいだろう、俺もそうだが、上海の詳しい土地など覚えていないからな」
「ええ、では」
軍人は敬礼すると、幕営を出て行った。
一夜たつ。
マイケルの前には50人の軍人が整列していた。
「作戦の変更があった。諸君らは1チーム4人程度となって上海に潜入。生存者をここに救出する。1小部隊半分に分け分隊を編成しろ」
5人の軍人は敬礼し、それぞれ10人の軍人を動かす。
そして5分程すると、5人の軍人はマイケルの元に戻って敬礼する。
「よし、上海は都会だ。それぞれ北緯30度より北を自由に動け。行動開始だ。NA区域に車を用意している」
50人の軍人は敬礼し、それぞれ行動を開始した。
マイケルは幕営に戻る。
そして地図を見ながら、右手で顎に手を添え、しばらく悩む。
「世界危機のようだな」
その後は無線による連絡を受けながら、指示と戦略を考える。
夕方になり、分隊から報告を受ける。
救助者が数百人に上がった。
すでにコンテナ港の外にも生存者があふれ、独自に避難者集落を形成していた。
マイケルは上官の幕営で報告をしていた。
「第4隊、救助者35名。死傷者なし」
「第5隊、救助者31名。5名死亡」




