第15話「神よ、女王を守りたまえ」
しばらく進む。
ゾンビがいれば、なぎ倒す。
ヴィクトリアは十分に働いている。
灯台守として。
ゾンビがいれば後ろだと言い、俺の両腕を使われる。
もはや、ゾンビの1、2体と戦うなど、思うことはない。
流れ作業だ。
ふと見知らぬコンテナが空いているのが見えた。
「ミロス、このコンテナ空けた覚えあるか?」
「いいえ」
「じゃあ誰か開けたのでしょう」
中身を覗く。
箱が並んでいる。
濃い緑色の箱。
縦が1フィート、横が2フィート、厚みも1フィートくらいだろうか。
鍵等はなさそうだ。
俺はひとつ手に取り、空ける。
ライフル銃と弾、マガジンが入っていた。
マガジンは本体に1個、
「こ、これは。銃の流通を民間が?」
「いや、こっちの地域じゃ基本は民間だ。ここではだめなのか?」
「ええ、ここでは人民の銃の所持は禁止されています」
俺はそうかとだけ言い、マガジンに弾を詰め込んだ。
マガジンは2つ。
全部で40発。
残りの弾数は60発。
「いいんですか?見つかれば犯罪者になるかもしれないんですよ」
「別に、俺は家族を守るためだったら、何でもする」
俺はライフルのボルトを引く。
「神よ、女王を守りたまえ」
弾室に弾が入るのを俺はこの目で確認した。
そして鍋はそこに捨てた。
登れそうなコンテナの3段目が見つかった。
段々に組まれたコンテナだ。
そして見つけたと同時に遠くで金属の破裂する音がした。
「早く行こう」
荷物を1段目の上に置く。
ヴィクトリアを上にあげ、俺達も上がる。
周りを見ると、意外にもゾンビが迫ってきていることが分かった。
まだ先だが数えきれない。
「急いだほうがいい、50ヤードには来ている。先に登ってくれ」
俺以外を先に登らせる。
「カルヴァ、登って!」
ここで35ヤード。
更に1段昇る。
ここで20ヤード。
あと1段。
俺はライフルを撃つ。
「いいわ、来て」
俺達は荷物の少ないコンテナの中に入った。
奴らが昇るにはまだ余裕がある。
だが、ここでマガジンを1つ空にした。
「ミロス。これに弾を入れてくれ」
後は耐久だ。
ここまできたらどれだけ耐えられるかの勝負だ。
2時間後、1段目にゾンビが上がってくるようになった。
3時間後、2段目にゾンビが上がってくるようになった。
俺は2段目に上がってきたゾンビを倒し続けた。
4時間後、弾は尽きた。
ほとんど1発で倒しているが、さすがに限界だ。
そして、2段目のゾンビが飽和した。
俺は、コンテナを閉じた。
これが最後の手段だ。
コンテナの壁を叩く音が数回聞こえる。
だが、銃声が聞こえた。
外で銃音が鳴った。




