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『専属メイド全員が重すぎる愛で迫ってくる!~大学生の僕、10人の美女に24時間甘やかされ尽くす生活~』  作者: マサキ


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第18話:バレンタインの甘い罠! 11人の愛をチョコに込めて

第18話:バレンタインの甘い罠! 11人の愛をチョコに込めて


別邸での温泉から屋敷に戻り、雪かきも終わって数日。

カレンダーは2月へと突入し、街はバレンタインデーのチョコレートの甘い香りに包まれ始めていた。

佐藤家の屋敷も例外ではない。いつも以上に廊下を歩くメイドたちの足音が小走りで、何やら秘密めいた雰囲気が漂っている。

暖炉の前で読書をしていても、メイドたちの熱い視線を感じ、集中できないほどだ。

「ご主人様。……もうすぐ『バレンタイン』ですね。街中のチョコレートが、まるでご主人様への愛を体現しているかのように輝いていますわ」

メイド長の結衣が、僕の部屋に朝の紅茶を持って現れた。

いつもの完璧な所作だが、その瞳にはどこか危険な煌めきが宿っている。

彼女が紅茶を置くとき、指先が僕の肌に長めに触れた。

「バレンタイン……。まあ、男としては少し楽しみなイベントだけど。結衣も作ってくれるのか?」

「ふふ、ご安心ください。……ご主人様には、私たち11人全員から、特別なチョコレートをプレゼントいたします。……普通のチョコとは、少しばかり『愛情の濃度』が違いますが。私のすべてを詰め込みましたの」

結衣は僕の耳元に顔を近づけ、甘く、冷たい声で囁いた。

その声はまるで、僕の心臓を直接握りしめるような力を持っていた。

「『愛情の濃度』って……また何か変なものを混ぜるつもりじゃ……。前回の温泉の時も、お湯に怪しげな薬を入れてたよな?」

「変なものなど混ぜません。……ただ、私の想いを熱で溶かし、冷やして固めただけ。……あ、お湯に溶かして飲むのもオススメですわ。体が芯から熱くなりますよ。ご主人様の夜の健康のために」

結衣の言葉に、僕は背筋が凍るような、けれど同時に激しい熱を感じるような感覚に襲われた。

この屋敷において、バレンタインは単なるプレゼント交換ではない。

11人のメイドたちによる、ご主人様への「愛の調教イベント」なのだ。

バレンタイン当日。

リビングには、11人のメイドたちが、それぞれの個性あふれるプレゼントを持って整列していた。

暖炉は普段より高く積まれ、部屋全体が彼女たちの愛の熱気で満ちている。

中央には美波が、ひときわ巨大な箱を持って立っていた。

「健太! これよ! 私が徹夜で、何度も失敗してやっと作った、本気のチョコよ! あんた以外の人に渡すなんて、絶対考えられないんだから!」

美波が差し出したのは、ハート型……に見えなくもない、かなり濃厚な茶色の塊だった。

箱を開けた瞬間、部屋中にカカオの香りが爆発的に広がる。

「……あ、ありがとう、美波。すごく、重いな……」

「バカっ! チョコの重さは、私の愛の重さなのよ! 早く食べてみて! 私の愛を全身で感じて!」

僕が一口食べると、予想以上に濃厚な甘さが口いっぱいに広がり、思わず頬が緩んだ。

彼女の想いが、その甘さにすべて詰まっていた。

「美味しいよ、美波。ありがとう」

「……っ、そ、そう? まあ、あんたが喜ぶなら、いくらでも作ってあげるわよ! 明日も明後日も作ってやるわ!」

美波が嬉しそうに微笑む。しかし、その平和な時間は長くは続かなかった。

「……。健太様、美波様のチョコはカロリーが高すぎます。……こちらは、私が栄養学に基づき、健太様の健康を第一に考えて作った『機能性チョコレート』です。脳の活性化に特化し、かつ私のDNAの一部を微量に混合してあります」

志保が、理科の実験道具のような形をした、青色のチョコを差し出した。

……青色は、食欲を減退させる色ではなかっただろうか。

そのチョコは微かに発光しているように見えた。

「健太様ぁ~! 陽葵のは『愛の特製チョコ』ですぅ! ……あ、あの、実は陽葵、チョコに自分の『秘密の味』を少しだけ混ぜちゃったんですっ! これを食べれば、健太様は陽葵の虜ですぅ!」

陽葵が赤面しながら差し出したのは、非常に見栄えの良いチョコだったが、その発言に僕は戦慄した。

『秘密の味』とは、いったい何だ。

その言葉を聞いた結衣の瞳が、静かに光った。

その後も、莉奈の「チョコレートフォンデュの滝」や、他のメイドたちの「ご主人様の身体を型取ったチョコ」など、常軌を逸したプレゼントが続いた。

部屋の隅には、チョコの山が築かれていた。

そして最後に、結衣がその巨大なプレゼントを持って歩み寄ってきた。

「ご主人様。……最後に、私からのプレゼントです。……この箱の中には、私たちの愛の結晶が入っていますわ。この10個のトリュフをすべて食べるまで、今夜のパーティーは終わりません」

結衣が開けた箱には、宝石のように輝く10個のトリュフが入っていた。

「……。結衣、これは美味しそうだな」

「ええ。……ですが、これはただのチョコではありません。ご主人様。……一つ食べるごとに、私たち10人のメイドの誰かが、貴方に『一つだけ願いを叶える権利』を行使します」

結衣の宣言に、メイドたちは一斉に色めき立った。

つまり、10個すべてのチョコを食べれば、メイドたちからの10の無理難題が待っているということだ。

そして最後の1個は、結衣からの……。

「結衣……それ、罠じゃないか。叶える権利っていうか、命令だろう」

「ふふ、トラップであり、ご褒美ですわ。……さあ、ご主人様。……誰のチョコから、召し上がりますか? 志保の青いチョコからですか? それとも陽葵の『秘密の味』から?」

11人の美女たちが、僕の選択を固唾を飲んで見守っている。

愛という名のチョコレートに包まれた、甘くて危険な罠。

佐藤健太のバレンタインデーは、まだ始まったばかりだった。

僕の理性が溶け去る夜が、今、静かに幕を開けた。 


第18話 完




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