第16話:雪の日の甘いお仕置き? 暖炉の前で溶け合う愛
第16話:雪の日の甘いお仕置き? 暖炉の前で溶け合う愛
新年が明け、キャンパスには再び授業の喧騒が戻ってきた。
だが、その日の午後、天気予報を上回る急速な気象の変化により、街は一夜にして深い雪に包まれた。
大学からの緊急連絡で帰宅することになった僕は、リムジンの中で窓の外の白銀の世界を眺めていた。
「……すごい雪だ。これじゃ、明日の大学も休講になりそうだな」
「ふふ、ご主人様。……休講なら、なおのこと素晴らしいではありませんか」
隣に座っていたメイド長の結衣が、何やら企んでいるような妖艶な笑みを浮かべた。
彼女のその瞳に、僕は一瞬、寒気とは違う別の種類の震えを感じた。
「え……? 何が素晴らしいの?」
「はい。……お屋敷が雪に閉ざされれば、そこは誰にも邪魔されない、私たちだけの『聖域』となりますわ。……大学でのストレスや、外の世界での汚れを、私たち11人で綺麗さっぱり洗い流して差し上げられます」
リムジンが屋敷の門をくぐると、そこにはすでにメイドたちが傘を持って整列していた。
雪の中、彼女たちの白い肌がさらに美しく輝いて見える。
「お帰りなさいませ、ご主人様っ!!」
陽葵が飛びついてきた。彼女の体温が冷えた僕の体に伝わり、安心感と同時に、激しい熱を呼び起こす。
屋敷の中に入ると、リビングの巨大な暖炉にはすでに火が灯されており、部屋中が温かな空気に満ちていた。
雪の音すら聞こえない静寂。
「ご主人様。……外の寒さに凍えた体を、私たちが『直接』温めて差し上げますわ」
結衣の合図で、メイドたちが一斉に僕の服を脱がせにかかった。
「ち、ちょっと待って! まだコートも脱いでないのに!」
「いいえ、ご主人様。……冷えた体に服を着せたままでは、効率が悪いのです。……志保、例の『マッサージ・オイル』を」
志保が、ほんのりと甘い香りがする、透明なオイルのボトルを持ってきた。
彼女の眼鏡が暖炉の熱で少し曇り、その奥の瞳がいつも以上に情熱的に僕を見つめている。
「……。雪の日は、血管が収縮しがちです。……心臓から離れた手足の先から、丹念に、熱くなるまで愛撫し……いえ、マッサージいたしますわ」
志保が僕をソファに押し倒し、その上に覆いかぶさった。
彼女の薄いドレスの感触が、僕の裸の肌にダイレクトに伝わる。
「……っ」
「あらあら、健太様。……志保だけはずるいですぅ! 陽葵も、胸で健太様を温めますっ!」
陽葵が反対側から抱きつき、暖炉の火よりも熱い彼女の柔らかな体温を押し付けてきた。
左右からの熱い愛の挟み撃ち。
「ひ、ひえぇ……熱いよ、これ熱すぎるよ!」
「ふふ、熱いくらいがちょうど良いのです。……美波様も、遠慮なさらずに」
結衣の言葉に、これまで少し様子を窺っていた美波が、真っ赤になりながらも勇気を出して僕の足元に座った。
「……あんた、最近勉強ばかりで肩凝ってるでしょ。……私の『思い出の肩揉み』、受けてみなさいよ!」
美波が僕の肩に手をかけ、ぎゅっと力を込める。
そのぎこちない、けれど一生懸命な愛の形に、僕は溜息を吐きながらも心が温かくなるのを感じた。
時計の針が深夜二時を回っても、雪は一向に止む気配を見せず、むしろ激しさを増していた。
暖炉の火だけが静かに揺れるリビングで、僕は11人のメイドたちに囲まれ、オイルまみれになっていた。
「……結衣。そろそろ寝ようよ……」
「眠る……? ご主人様、何を仰っているのですか。……この『雪の密室』で、そんな勿体ない時間、過ごせるわけがございませんわ」
結衣が僕の上に乗り、その美しい長い髪を僕の顔に垂らした。
彼女の瞳が、暗闇の中で妖しく輝いている。
「私たちは、貴方のすべてを独占したい。……たとえ、寝ている間の夢にまで、邪魔者は入れたくないのです」
「……。健太様。……雪の静寂は、私たちの愛の囁きを聞くためにあるものです。……もっと、もっと深く、貴方の心に、私たちを刻みつけさせてください」
志保が僕の指先を一つずつ口に含み、甘く舐め上げる。
「健太ぁ……あんた、本当に幸せ者ね。……でも、私の愛が一番重いってこと、忘れないでよ!」
美波が僕の耳元で叫び、僕の唇を強く奪った。
11人の美女たちの愛が、熱気が、溜息が、暖炉の暖かさと混ざり合い、僕の理性を限界まで引き伸ばしていく。
雪に閉ざされた屋敷という密室。
そこには、僕を溺愛し、僕のすべてを奪い去ろうとする、天使であり悪魔でもある11人の美女たちの、終わりのない、熱い「愛のお仕置き」だけが存在していた。
「……さあ、ご主人様。……朝になるまで、いえ、雪が止むまで……いえ、一生……」
結衣の甘美な囁きが、僕をさらに深い、快楽の奈落へと突き落とした。
第16話 完




