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【凍結中】シル・ストア~第1部 風の通り道  作者:
第2章 北の辺境民

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07_古き里に入る

やっと隠れ里に到着

ジーンは外で生まれているのでここにくるのは初めて。

鳥居を抜けるとそこは村の入り口だった。

振り返るとそこに鳥居は無い。

一方通行の様だ。

村の入り口で30代後半の男性が3人を待ち構えていた。

「お帰りジーン、そしてようこそ。」

「ハーヴェルさん、お久しぶりです。ここがゴールで合っていますか?」

周囲を見渡しながらムードが聞いた。

「ああ、ここが太陽神や月神の隠れ里だ。」

まずは我が家に招待するからついてきてくれ。」


3人は木造の民家に案内された。

囲炉裏を囲み、村の女性が持ってきたお茶を口に含む。

「もう少し掛かるかと思ったけれど、どうだった。」

3人は道中での出来事を話す。

「音ゲー?なんですか?それは。」

石碑での出来事を話すと首を傾げ自身の肩辺りに視線を向ける。

その様子にこそこそと3人は会話は交わす。

「あそこに相棒の神様がいるのか?」

「多分、気配は感じるけど見えない。」

「うーん、僕も気配は感じるんだけど見えない。」

「お前もか俺もだ。居るのは分かるんだけどなあ。」

「風の谷も凄かったよね。滅茶苦茶一杯気配があった。」

「でも見えないし聞こえないんだよな。」


気が付くとハーヴェルは微笑みながらこっちを見ていた。

「皆さん、とても気に入られてますね。」

「えーと、何て言っているんです?」

「彼が言うには貴方方と一緒にいるものがやってみたいというものを試したと。

とても楽しかったからまたしたいと言ってます。」

「???」

「普段は石碑では訪ねてきた者の考えを知る為の問いが成されます。

ですが貴方方の場合、人となりの保証はそちらにいる方々がしたので。」

そう言って3人より少し高い位置に視線を向けた。

「気が付いているでしょう?」

その問いに3人は頷く。

「はい、残念なことに姿は見えないし声も聞こえないですよね・・・」

その言葉にハーヴェルは微笑みを深いものにした。

「貴方方なら切っ掛けさえあればあの方々の姿が見えるようになるでしょう。

ヤーレやトライオッドは方々と共に歩む者達ですから。」


暫く雑談を続ける。

「一つお伺いしてもよろしいですか?」

改まった口調のレノンにハーヴェルは頷く。

「この質問が気に障ったらごめんなさい。」

「おやおや、なんでしょう?」

「何故、エマルドに行ったのですが?」

ハーヴェルは表情を改めた。

レノンは真面目な口調で言葉を続ける。

「こちらに伝わる歴史では貴方方、太陽や月の二柱を崇める方々と他の八柱を崇める方々が争ったという話は無いです。

というかレナ・カサルと違ってアナ・ハルナでは戦争とか殺し合いとかの歴史は殆ど聞きません。」

アナ・ハルナで争いの歴史が無いわけでは片方を根絶やしするような陰惨な戦争は起こっていない。

「何故でしょう?」と問うレノンにハーヴェルは答える。

「神子がそう言ったからとでも言いましょうか。」

「神子?」

「八柱の神々では申し子と呼ばれるものです。

太陽や月の申し子は人。

3000年程前の神子がエマルドに行くと言ったからそれに従ったのです。」

「何故そう言ったのでしょう。」

「神の声が聞こえづらくなったからと伝わっています。」

「神の声が聞こえづらい・・・地上の他の神々の力が強くなったから?」

ジーンの言葉にハーヴェルは続ける。

「ええ、我らの神々は遥か天上に在られるため、こうして空を見上げて祈りを捧げています。」

アナ・ハルナの神話で始まりの二柱が最初に生み出したのは太陽と月、次が大地と風。

この四柱の神々の後に八柱の神々が生まれた。

実際、アナ・ハルナで最初の部族は崇めていたのは太陽と月で一番歴史が古い。

「貴方は私達と八柱の神々に連なる者が争って出て行ったと心配しているようですがそうではありません。」

そう言って出されたお茶を飲み干す。

「私達は元々神々に近付くために高い山の上で暮らし、地上は八柱の者達のものです。

彼らが私達の生活を脅かすような振る舞いはしていません。」

「だけど、八柱の神々を崇めるものが増え、その力が強くなった・・・」

「一種の光害、神気の害ですか。」

ジーンの言葉に少し考えて言葉を紡ぐ。

「光害、神気の害ですか・・・その通りですね。

彼等は悪くない。自分達の神を崇め祈っていただけですから。

ただ、地上の力が強くなって天上の神の言葉が聞こえづらくなった。」

その言葉にムードが尋ねる。

「最初は山の上でということですが(バーン)の影響は無かったのですか?」

「ええ、(バーン)は動かざる者、流石にご神体であるバーンではそうは行かないですがここなどでは山の神気(アナ)はかなり抑えられています。」

囲炉裏に吊るされた薬缶からお湯をポットに注ぐ。

「地上の神々の神気(アナ)が強くなったので影響の少ないエマルドに移ったということですか?」

「そうです。」

「何故、(ソナ)の向こうのエマルドへ?

同じ影響が少ないならレナ・カサルの方が移動が楽なのではないですか?」

「だからですよ。」

「えっどういうことですか?」

「あっ移動が楽と言うことは地上の八柱の神々を崇めるものにとっても同じと言うことですか?」

「ええ、あの時代、神子の力を得た私達はともかく、八柱の神々を崇める者達に(ソナ)を渡る術はありませんでしたから。」

閲覧、有難うございます。

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