06_光の紋章より
「今度は森か・・・」
ムードの言葉に周囲をよく見る3人
「常陽樹だね。高度は大分下がったのかな。」
さっきまで居た神殿の周囲は高山植物と背の低い灌木だった。
水盤のあるラサ山よりは低いが結構な高度にあったと思う。
「ここでのミッションは紋章探しかな?」
「そうだね。どっちに向かう?」
見た限り、道らしきものは無い。
「フレイ。」
ムードは肩のフレイに声を掛けると、肩から腕に移動する。
そこから一声鳴いて上空へ飛び立っていった。
生い茂る木々に邪魔され飛びにくそうではあるが・・・
「さて、こっちも探ってみるか。」
3人は立ち止まって周囲の気配を探る。
その姿は三人三様、目を閉じていることは同じだが、
ムードは空を見上げ、
レノンは片膝立ちで地面に手を突き、
ジーンは座禅を組んでいる・・・
やがて3人は立ち上がり、揃って南の方を向いた。
「こっちに何かあるね。」
「ああ、明るいな。」
力を感じる方に歩きながら3人で言葉を交わす。
「これで最後の筈だけど・・・」
「だけど?」
「僕達にとっては難しいものではなかったけど他の人だとかなりきつくない?」
「そうだね。最初の風の谷、計測値じゃ特別大きな値じゃなかったし。」
「そう。僕達だとなんかこっちで呼んでいるとか分かるけど、そういうのが分からない人には無理でしょう。」
レノンの言葉にムードは答えた。
「辿り着くための前提が祝福持ち以上なんじゃないか。」
「ああ、そう言えばアナ・ハルナの人達って皆子供の時から神々に祝福されてるって聞いたね。」
「ジーンの叔父さん?だっけ、僕達ならたどり着けるだろうって言っていたけど。」
「家のメンバーは皆祝福持ちだからなあ。」
ハーレンの何でも屋に祝福持ちは多いが、クランのメンバー全員となると殆ど無い。
拠点要員は接客や事務処理能力を求められ、その手の能力が無いものが大半だ。
中には諜報部員ですか?という位、嘘発見器や誘導尋問に長けたものもいるが・・・
「あの詩、誰を招くつもりで広めたんだろう?」
あれが隠れ里への道標だという話は結構広く知られている。
大半は挫折しているが中には実際に辿り着いたという話もある。
辿り着いた人達に答えを聞けばと思うが、この話をしたジーンの知り合いも詩の通りだとしか言わない。
自分達も戻ったらそう言うだろう。
移動に転移を使っているのである程度の場所は分かっても直接行く方法が分からないのだ。
飛行船を使って空からというルートも結界の存在を感じたので厳しいだろう。
「単に祝福持ちなら辿り着けるってもんでも無さそうだしな。」
ムードの言葉にジーンが頷く。
「うん、多分だけど、最初の風の谷が発生しないと思う。」
「呼んでない相手には神様達が道を示さない、そういう気がするね。」
話をする内に開けた場所に出た。
「・・・鳥居だ・・・」
目の前に朱塗りの鳥居には光の紋章が掲げられている。
「なんで???トライオッドの守り神と同じところから来訪者が来た?」
「うーーん、これ結構新しいよ?多分200年位前に作られてる。」
レノンの言葉に3人は顔を見合わせた。
「ということはこれを作った人達はトライオッドに来たことがある?」
その時期なら守り神達が辛うじて生きているか彼らを良く知る人達が生きていただろう。
また現在再建中のトライオッドの大鳥居を見たのかもしれない。
「神殿の方は3,000年前の様式だったのにこっちは何で?」
「招く人によって変えているのかな。」
あり得そうだと思ったところで、ムードは上空のフレイを呼んだ。
戻ってきたフレイの話を聞いたムードは
「フレイが言うにはあっちこっちにこういう場所がある。
活性化しているのはこれだけみたいだ。」
「そうなんだ。他に行くとどうなるんだろうね?」
「入り口に戻るとか?」
軽口を叩きながら3人は鳥居を潜っていた。
閲覧、有難うございます。




