不登校の闇と学校の対応への怒り
新学期初日、敦は学校に登校し教室に入ったが、次の日からは学校に行くのを渋り、カウンセリングルーム登校を続けるようになりました。この件に関しては父親の大樹には黙っていましたが、ゴールデンウィーク前に報告せざるを得ない状況になり、大樹に報告すると、二人の間で緊張が高まります。 その後、バトルになります。この状態ではいけないと思った母親のひろみが、ゴールデンウィークに家族で出かけることを提案し、一時的に野坂家の状況は落ち着きを取り戻します。しかし、現実は厳しく、敦は修学旅行への参加か不参加の決断を迫られるという状況に追い込まれるのです。
本章では、敦とその家族が直面するこれらの状況を描いています。似たような悩みを抱える方々にとって、共感や感動を得られる作品となることを願っています。
(1)不登校の悪化
4月8日(火)以降、学校から協議の上で、カウンセリングルーム登校が認められた。しかし、朝行く日と夕方だけ顔を出すだけと、2年生のときと違い、悪化の一途をたどった。
朝から学校に行く日は、ひろみのパートが休暇となる週に2日程度で、その他の3日は、ひろみがパートに行く日は、トイレ籠城などを行いながら粘り、出て行くのを待って、トイレから出てきて、ゲームを行うのであった。昼飯は、冷蔵庫にあるパンとかの食材や買い置きしているラーメンを食べながら過ごしていた。
朝から学校に行かない日は、上野への連絡がないため、たまに上野が家にやってくる。車が止まり、予備リンが鳴ったときは、ゲームを停止させテレビの電源を切る。その後、静かに玄関を除くと摺りガラス越しに上野の姿を確認する。上野に見つかると、説教か学校に連れていかれるとの思い込みから、炬燵に潜り込み「早く帰れ」と心の中で思いながら、足音に耳を澄ます。上野は、家の横の通路から裏側に行き、居間の大きな窓から、中を覗き込んでくるので、隙間から、しばらくその様子をドキドキしながら見ている。すると、10分位したら車の音がすると、炬燵から出て、ホッと息をする。
その後、ゲームに没頭していた。ゲームの中では、すべてが自分の思い通りになる。敵を倒すことで、少しでも現実の不安から逃れられるような気がした。「学校なんて、どうでもいい。どうせ俺には居場所なんかないんだから…」と、心の中で自分に言い聞かせた。
15時頃、ひろみが、パートから帰宅したのちに、2人で学校へ行き、上野と少し、話をして帰る。
一方、学校に行くときは、ひろみが休みなので、敦は、制服をゆっくり着替えてもトイレに籠っても、自分が辛いだけであり、仕方なく、制服に着替えて、9時~10時の間に、ひろみに送ってもらい、約30分位で、できるだけ、上野に合わないように帰るようにして、迎えにきてもらうようにしていた。
ここで、なぜ、無理してまで学校に行くかというと、カウンセリングルーム登校すると出席扱いになるので、克服して高校進学にするときに影響しないようにするためである。
大樹は、異動したばかりであり、まだ、受託研究が決まっていないため、予算がないことから、定時の17時に勤務終了し、17時40分には自宅に帰ってきている。
大樹は、敦が不登校の悪化のことを知らずに教室復帰していると思っていた。4月中旬、大樹が帰宅して、夕食のカレーを食べているときであった。
カレーの香ばしい匂いに包まれながら、4人は、他愛もない会話をしながら、食べているときであった突然、大樹が、「ゴールデンウィークだけど、4月30日(木)と5月1日(金)、休暇を取得したから」と言うと、ひろみと敦は、顔が曇り、青い顔になり、顔が強張りながら、ひろみが「わかった」と答える。
その後、大樹は、何か怪しいな・・・と思いながら、この時に問いただすのは、辞めていた。
次の日、ひろみが敦に「お父さんには、黙っていたけど、貴方が学校行ってないこと、話してないけど、4月30日(木)と5月1日(金)にお父さん休みだからバレるよ、だから言うしかないよね」と聞く。
敦が怪訝な顔をし、怒られると言う恐怖感から、しぶしぶ頷く。
しかし、ひろみと敦は、なかなか、大樹に言えずにいた。
4月29日(水)の朝、空は澄み渡り、日差しが柔らかく大地を照らしていた。庭の新緑が風に揺れ、小鳥のさえずりが春の訪れを告げるように響いていた。しかし、その穏やかな景色とは裏腹に、敦の心の中では嵐が吹き荒れていた。「なんで、俺だけがこんなに苦しまなきゃいけないんだ…」と、心の中で叫んでいた。
大樹は、祝日であるため、家でゆっくりとしていた。15時過ぎに、ひろみが帰宅する。その姿は疲労に満ちており、顔には一日中働いた痕跡が見える。髪は少し乱れ、目の下には薄いクマができている。それでも、家族のために笑顔を作り「ただいま!!」と元気よく声を出した。
ひろみが、敦に目で合図しながら、「お父さんに話すね・・・」と言うと、敦は、そそくさと、自分の部屋に入る。大樹は、何かおかしいな・・・と思いながら「なに・・・」と答える。
すると、ひろみが、「実はね・・・敦のことだけど、終業式の次の日から、学校に行っているが、教室には入らず、カウンセリングルーム登校しているのよ」と思い口を開く。
大樹が驚いた様子で「え・・そうなの、何で言わなかったの・・」と聞くと、ひろみが「だって、貴方に言ったら、敦を怒るでしょう、そうなると、喧嘩状態になり、収集つかなくなるから・・・」と答える。
大樹はショックを受けて「お前、中学3年生になると、高校受験を意識しないといけない大事な時だろう・・・学校行ってなかったら、ヤバいじゃないか」と答える。
ひろみが「それは、わかっている。だけど、行かないものはしょうがないじゃん。私の力では手に負えないんだから・・・」と答える。
大樹が「それは、わかるけど、お前、最悪は陽生学園しか行くとこなくなるよ、あの月謝払えるか?」と荒げていう。
ひろみが「そしたら、貴方が、明日、休みなら対応してよ」と言うと、大樹が「わかった・・」と答える。
次に大樹が敦の部屋に入ると、敦は布団の中に潜り込んで、怒られる恐怖と戦っている。大樹が「お前、学校へ行っていないのか?」と尋ねる。その言葉が鋭く敦の心に突き刺さる。敦は何も言わずにうつむき、沈黙が流れる。その沈黙の中で、大樹の苛立ちが静かに募っていくのを感じた。敦は、自分が嵐の中に一人取り残されたかのような感覚に陥り、何も言えずにうつむいた。彼の胸の中で恐怖と恥ずかしさが交錯し、体が硬直する。 大樹は容赦なく布団を剥ぎ取ると、「ここに座れ・・・」と言い、敦をその場に座らせる。敦は、大樹の鋭い目を直視できず、涙を堪えながら大樹の顔を見上げる。
大樹が「お前、お母さんに聞いたけど、教室に入っていないだよな」と荒げていう。敦は、何を言っていいかわからずに返事もせずに、必死に首を縦に振る。大樹が、まだ、大きな問題を抱えているのではないかと思い「何が、あるんだ、また、イジメ受けているのか」とカマをかけるが、敦はどのように答えればいいかわからず首を横に振る。
大樹が「何でや…」と問い詰めると、敦は肩をすくめ、目を逸らした。彼の体全体が緊張で固まり、言葉を絞り出すように「わからない、だけど、学校に行きたくない」と答えた。
大樹が深呼吸をしながら冷静に、「嫌なことから逃げてても、ずっ・・・と逃げ続けないと行けないし、高校のことも考えないと行けないよ、お前が、このままの状態なら陽生学園にぶち込むぞ・・」と少し脅しながら言う。敦は、心の中で学校には居場所もないし、行きたくないと思いながら正直に言えずに「明日は、行くからいいだろう・・・」と答えて逃げようと考えていた。
大樹が、「明日は、俺が対応するから、覚悟しておけよ・・」と言い、敦の部屋を出る。
それ以降、大樹と敦は、会話もなく、不穏な状態であった。
4月30日(木)、朝から小雨交じりで、少し肌寒い日であった。7時過ぎに夏帆が出て行き、7時30分過ぎたころ、大樹は、敦に「はやく、着替えろ・・・学校行くぞ」と言うと、敦は「お前の言うことは、聞かないから、今日は、学校に行かない」と答える。大樹は「なんだと・・・昨日はお前、学校に行くと言ったじゃないか。嘘着くのか」と言うと、敦は「うるさい、俺は絶対学校に行かない・・」と言い、自分の部屋に入る。
大樹が追いかけようとしたら、ひろみが、大樹の腰をつかんで「もう、辞めて・・・無理やり連れて行ったって意味ないやん・・・私が今日は、学校を休むと連絡しておくから、休ませよう」と言う。
大樹は、敦に「勝手にしろ、お前、そこから出て来るな」と言うと、敦は、「入ってくんなくそじじい」と叫びながら心の中では「なんで、なんでこんなに追い詰められなきゃいけないんだ。俺だって、好きで行きたくないわけじゃないのに…」と、涙を堪えながら部屋のドアを閉めた。
ひろみは必死に大樹の腰をつかみながら「だから、あんたに言うの嫌だったのよ、そうやって、大喧嘩するから」と言うので、大樹は「じゃ・・・どうすればいいのか」と荒げて答える。
ひろみは、「私が学校に電話して、学校休ますし、帰って来て、敦と話すから、ほっといて・・」と言うと、大樹は「わかった。俺は関与しない。お前の責任で対応しろ・・」と言い、外に出かけて行った。
ひろみは、敦に「今日と明日は、休んでいいからね!!」、お父さんのこと気にしないでね」と言い、会社に出かける。
大樹は、ここで、敦の悪い癖である逃げ癖をどうしても直したいと思い対応したが裏目に出たとともに、敦は、学校に居場所がないとのことを言えない悩みと強引な父親の対応に腹を立て、少しずつ二人のくなった。また、今後の大樹と敦とのバトルで、大樹は「お前は、陽生学園にほおりこんでやる!!」と言うのが口癖になるのであったが、この言葉は、その後の笑い話になるのは3年後であった。
(2)息抜き旅行
大樹と敦は、口も利かなくなっていた。横で見ていた夏夏帆が「もう、こんな家嫌だ・・・」と叫ぶと、敦は一瞬、驚きの表情を浮かべたが、すぐに無表情に戻る。心の中では「俺のせいでこんな風になってるのか…」という罪悪感が広がっていた。大樹は、確かに夏帆をほったらかしにしていたし、ゴールデンウィークだから夏帆の相手にしないと行けないよなと反省したが、打開策が見いだせなかった。ひろみは、大樹と敦が、このような状況では、夏帆も可哀そうだし、家庭崩壊を危惧して、人肌脱ぐことにした。
4月30日の夕食時、家庭内では重苦しい雰囲気の中、会話もなくもくもくとご飯を食べていたとき、ひろみが突然、「私、5月4日(月)休みなので、どっか行こう。その日はみんな休みだろうし、ここにいても、よくないと思うので・・・・」と3人に提案する。
大樹が「そうだな、ゴールデンウィークはどこも混むから電車かな、電車だと北陸おでかけ切符を買うと安くできるよな」と答える。
北陸おでかけ切符とは、北陸線の米原駅から新潟の直江津までの区間が普通電車乗り放題で、その当時は2000円と破格な値段であった。
ひろみが、微笑みながら「それなら、何処に行けるの?」と聞くと、厳しい顔が緩んだ大樹が「金沢や富山が行けるよ・・・そう言えば、富山県礪波市でチューリップ祭りやっているよ」と答える。
夏帆が嬉しそうに「チューリップ祭り行きたい・・・行きたい・・」と言う。ひろみが「敦はどう思う」と言うと、強張った顔から和らいだで、「行こうかな・・・」と答える。
ひろみが「では、行こう・・お父さん、明日、切符買ってきてね」と言うと、大樹は「わかった」と答え、5月1日(金)に切符を購入した。
5月4日(火)の朝、5時に野坂家の4人は、車に乗り込み、途中のコンビニで朝食を購入して敦賀駅に行き、駐車場に車を止めた後、始発電車に乗り込み、礪波に向かった。朝も早かったので、野坂家の4人は電車の中に眠りに着いた。
どこら辺を走ったのだろう、電車は、朝日を浴びている田んぼと遠くに白山連邦が見えているところで、大樹が目を覚ますと、3人は起きていたので、朝食を食べ、しばらくすると、金沢に到着する。
金沢では富山行きの電車に乗り換え、高岡で城端線に乗り換え、礪波には10時前に着き、そこから、無料シャトルバスに乗り、チューリップ公園に着いた。
入場券を購入後、公園に入る。公園に入ると、色とりどりのチューリップが広がり、初夏の暖かい日差しが4人を包み込んだ。柔らかな風がチューリップの花びらを優しく揺らし、その香りが辺りに漂っていた。野坂家の4人は、まるでこの美しい景色が彼らの心の中のわだかまりを解きほぐしてくれるかのように、笑顔で散策を楽しんだ。更に、ポテトやホットドック等の飲食物をベンチでチューリップを見ながら頬張り、日ごろのことを忘れて、1日中、楽しみ。夕方の電車で敦賀に帰ったのだった。
(3)修学旅行欠席と学校の対応への怒り
野坂家の4人は、束の間の息抜きをして、落ち着いていたが、現実は厳しい状況である。
敦賀南中学校では6月の初旬に修学旅行に行く予定になっている。敦は、ゴールデンウィーク以降も前と同じで、ひろみがパートのときは、15時からの顔出し、休みのときは、午前中に登校して、1時間以内に帰ってくるという状況で改善することはなかった。
大樹は、ひろみから家庭内が修羅場になることを懸念し「敦のことは、私で対応するから、口出さないで」と言われたので、黙って見守っていた。
5月中旬頃、上野からひろみに「6月3日~5日、修学旅行ですが、どうしますか」と聞かれる。ひろみは、敦に「6月3日~5日に修学旅行があるみたいだが、どうする」と聞くと、敦は、少し不安を感じていたが、旅は好きなので、行きたいと感じ「行きたい」と答える。
ひろみが「行くと返事しておくね」と答えて、上野に「本人が行きたいと言ってますので、よろしくお願いします」と回答する。
5月21日(木)に、ひろみが休暇なので、敦が朝から学校へ行き、10時頃、学校から連絡を受けて、ひろみが迎えに行くと、いつもは、第1カウンセリングルームに行くのが、第2カウンセリングルームに案内されると、中に敦と上野が待っていた。
ひろみが、「お世話になっております」と言うと、上野が「今日は、折り入ってお話しがあります」と言い、修学旅行の案内を渡され「修学旅行は、6月3日(水)~5日(金)に行くのですが、5月28日(木)から、体育館で生徒を集めて、旅行中の注意の説明や班毎のディスカッションがあるのですが、敦君には、これに参加してもらわないと行けませんので、是非ともよろしくお願いします」と言うと、ひろみが「わかりました。本人には言い聞かせるので、よろしくお願いします」と答えると、上野が「敦、5月28日からは、ちゃんと来てね!!、頼むぞ」と言い。2人は敦賀南中学校を後にした。
ひろみは、敦に優しく「5月28日から説明会の件、行ける?、行けないなら修学旅行やめようか?」と問いかけると、敦は「行けるから大丈夫よ、だから、修学旅行行くから!!」と答える。
ひろみは、大樹に敦の状況だけは、常に情報共有していた。大樹は、心の中で「無理だろう・・・」と思いながら見守ることにした。
5月28日(木)に朝、ひろみは、休暇だったので、対応するつもりであった。敦は、行く気はあるが、恐怖感から制服に着替える手が止まる。心の中では行きたいのに、恐怖感から体が言うことが効かない、情けない気持ちがこみ上げてくるうちに腹痛が襲い掛かるので、ひろみに「今日は、具合が悪いので休む」と押し殺した声で言う。
ひろみは、「今日は、行くといったじゃない。本当に休むの・・」と声を荒げて聞くが、敦は、情けない自分にイライラしながら「しょうがないじゃない。具合悪いから」と答える。その後、ひろみは、学校に連絡した。
11時過ぎ、敦賀南中学校から電話があった。電話の相手は、上野であった。
上野は、「本日、16時に校長先生から、話があるので、敦君と共に来ていただけないですか」と言われ、ひろみは「わかりました」と答えて電話を切る。
ひろみは、修学旅行を含む、話だろうな・・・と不安を感じていた。
15時過ぎに、ひろみと敦が、敦賀南中学校に着いた。外は初夏の陽ざしが強く、2人を照らしているが、緊張感から背中に嫌な汗が流れる。二人は、いつものように2階の玄関から入ると、廊下をまっすぐ進んだところの右側に職員室、その後ろに校長室があり、二人は、ノックをして、「失礼しますと」言い中に入る。
校長室の中の前方に校長のデスクがあり、その前に応接がある。右側の棚の中には賞状と棚の上には歴代校長の写真が飾ってある。
応接は6人用で、正面に校長が座り、右側に上野と学年主任の野田が座っていたので、その反対側にひろみと敦が座る。
校長が「敦賀南中学の津島と申します。今日は、忙しい中、足を運んでいただき、誠にありがとうございます」と挨拶する。
津島は、スポーツ刈りで、少しふくよかで、背が160cm、強面の顔であった。ひろみと敦が緊張しながら軽く挨拶を交わすと、津島が「敦君のことは、聞いています。学校には来ていますが、教室に入らず、カウンセリングルーム登校していますよね」と聞いてくると、二人は緊張しながら、小さな声で「はい」と答える。
津島が「率直な話ですが、上野から、今日の説明会の件は敦君に参加してほしいと言ったにもかかわらず、休みましたよね」と聞いてくると、敦が小さい声で「はい」と答える。
津島が冷静ながらきつい言葉で「本当に修学旅行に行く気があるのですか?、このような状態ならば、修学旅行で何かあっても責任を負いかねますので、明日までで、良いので、明日から説明会に参加すること、修学旅行に参加すること、修学旅行後は教室復帰しますとの誓約書を書いて提出してください。そうしないならば、修学旅行は連れて行きません」と言う。ひろみと敦は、呆然としながら、家に帰った。
ひろみは、大樹が帰って来たときに、校長室のことを話した。大樹は、怒りながら、敦を呼び「お前、校長の約束、守れるか!!」と聞くと、敦が怒られると思い顔を引き継ぎながら「行けない」と答える。
大樹は「そんな、誓約書を書いて学校に行き教室にいけるなら、とっくに復帰できるよな・・・学校は、何もわかっていないし、本当は、修学旅行に連れて行きたくないのが本音だろう・・それなら、責任を負えないから連れて行けないと言えばいいのに、敦、お前には悪いが、修学旅行に行くな・・そんな、学校に子供を預けることできない」と言うと、敦は「わかった」と答える。
さらに、大樹はひろみに「明日、休んで、俺と敦で学校行き、修学旅行にはいかないと返事は、するが、校長の対応は、間違っているので、この件は、徹底的に抗議するから」と声を荒げて言う。
ひろみは強い口調で「あんたの気持ちは、わかるが、今、引っ掻き回すのは辞めて・・・」と答える。
大樹は「完全に、お前ではなめられているから、この件は、学校ときっちり話すべきではないか」と言うが、ひろみは悲痛な声で「今は、辞めて!!、対応しにくくなるから・・・」と答える。
大樹は「わかった。何かあったら、いつでも言えよ、何時でも学校に行くから」と答えた。
次の日、ひろみが学校に連絡し、修学旅行に行かないことを伝え、敦は、修学旅行に行けなかった。6月に入ると、豚インフルエンザの流行の兆しが見え始めた。
大樹は、敦に「豚インフルエンザで修学旅行中止になればいいのにな・・・」と何気なしに言ったら、敦も「俺もそう思う。つぶれればいいのに・・・」と恨みを答えながら答えた。
しかし、敦と大樹の願いが叶うことなく、修学旅行は、マスク等の対策をしながら、決行されたのであった。
敦の修学旅行の件は、欠席という結論に至ったが、高校進学と言ういばらの道が待ち受けるのであった。
本章をお読みいただき、ありがとうございました。
敦が学校へ行ってはいるものの、カウンセリングルーム登校していることを大樹に黙っていたため、報告することで大樹と敦のバトルが始まります。しかし、ひろみの提案で一時的に状況は落ち着きます。
一方で、現実では修学旅行の参加・不参加の決断を迫られます。敦が担任の上野と約束した説明会に参加できなかったため、校長の津島から「説明会に行くこと、修学旅行に行くこと、修学旅行後は教室に入ること」を約束する誓約書を書かなければならないと理不尽な要求を受けます。敦は修学旅行を欠席する決断をしますが、怒りが収まらない大樹が学校に乗り込もうとするのを、ひろみが必死に止めるシーンが展開されます。
修学旅行について敦は欠席するという結論に至りますが、高校進学という大きな壁を越えるために、敦賀南中学校からさらに理不尽な対応を受けることになります。
次章では、学校から父親も含めた4者面談を要求される場面や、大樹と共に面談に応じる状況、学校を頼らないと決断する過程、そして敦の状況が変わらないことへの焦りからくる修羅場を描きたいと思います。




