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悪徳領主になるまでの物語  作者: 雄太
悪徳領主、街へ入る。
22/29

王城へ向かう

 

 1週間後、セバス改め、先代領主であるグリエルはアラエルを連れ、グルースター王国 王城へ謁見するために足を運んだ。


 アラエルはこの1週間、グリエルから父グランドが裏でしている諸々の悪事を聞かされていた。

 その中には、密輸、密売、誘拐、殺人など到底許せるものではない罪も混じっていた。


 アラエルの祖父、グリエルも一度、政変により息子である現オズワルド領領主、つまりアラエルの父グランドに殺されていたが何らかの方法により、命は助かったとのことだがどのような手法を用いたのかは答えなかった。

もしかしたら霊界から生き返ったのかもしれないが……




「グリエル、久しぶりではないか」


 王城内謁見間に豪華な衣装を身につける鎮座していたまだ若い青年とも言えるような若い男。アラエルの目には30代前後に見える、この男こそ、


 グルースター王国82代国王 グラフィット・グルースターである。グラフィットはにこやかに笑らい立ち上がると部下の衛士達全員を下がらせ、色々理由をつけ残ろうとする秘書を呼びつけた衛士に連れて行かせると。この空間にはアラエル達しか居なくなる。


 衛士達が離れたのを目視してからグラフィットは着ていた豪華な服を脱ぎ去り、その服の下には城下町を歩く国民と同じような服が既に着られていた。


「ちゃんと、足はあるようだな」


 グラフィットはグリエルの足元を見て、透けてないことを確認した。


「馬鹿か?」

「無礼だぞ」

「何故、お前は足があるかないかで人の生死を判断する?」


 グランドは貴族特有の無礼だ攻撃を完全に無視した。

 グランドが馬鹿か? と言った瞬間、アラエルは自分の首が飛ぶのを覚悟した。だがしかしグラフィットもグリエルもそんなことは気にせず、それどころか、顔から生気がなくなっているアラエルを面白がりもっと奇抜な行動に出る。


「うちの親父がそう言ってた。死んでれば足が透けるんだとさ、……お前、足透けてねぇか?」


 グラフィットはおもむろに、グリエルに近づきズボンのふくらはぎ部分を触った。だがちゃんと足の感謝はある。


「あーもっとマッサージしてくれ」


 グリエルは冗談気味にそう言うとグラフィットは両拳をふくらはぎに押し付けた。


「痛いんだよ!」

「何だ。透けてなかった。国王にマッサージされたんだ最高の栄誉だ、もう悔いもないだろ、地獄に帰れ」


 グラフィットはつまんなさそうに呟き、立ち上がる。


「ひどいな、そりゃ生きてるからな、お前こそ全身透けてないか? それに、頭に輪っかも付いてる」


 頭になっている金色の輪っかを指差したグランドはグラフィットの王冠を取り上げ、じっくりと鑑賞する。


「あっ、本物だごめん」

「お前にあげる」

「イラン。こんな安物誰が欲しがる」

「安物とは失礼な、プレゼントだ。もう2度と貰えることはないぞ」


 国王ブラックジョークの一種のようにフランクに自身の権力の象徴である王冠をグリエルに押し付けようとセールスをしているがグリエルは受け取る気はなく、押し返そうとするが押し返される。


「1度目もなくて結構」

「プレミア品だ世界に一個しかない限定モデル。ただし一度付けたら死ぬまで付けなければならないと言う特典つきだ、どうだ欲しくなったろ。今なら安くしておくぞ」


「余計にいらなくなったよ」


 押し付けられたグランドは頭に王冠を返却する。

 置いてきぼりでこんなやりとりを聞かされているアラエルは恐れ多くて口を挟まない。


「……あ、あのお二人のご関係は?」


 覚悟を決めたアラエルはアラエルができる最上級の敬語を使いながら無礼のないように問いかける。


「俺らの関係か?」


 まず最初に笑いながら反応したのはグラフィットであった。


「うーん、友人を超えた仲だ」

「余計なことを言うな」

「一言言えるのはお前にはこの王冠を継ぐ権利がある」


 邪魔な王冠を無造作に台の上に置いたグラフィットはアラエルに抱きつこうと両手を広げアラエルは迫るがその間にグリエルが割り込み、アラエルの代わりに抱きつかれた。


「グラフィット嘘はやめろ」

「う、嘘……」


 グリエルから離れたグラフィットは素直を頭を下げた。


「すまない。私とグリエルの関係と言ったな。一言で言うなら幼き頃の世話係みたいなものだ。たまに王城に足を運んで遊んでくれた。」


 あの時はいい時代だったグラフィットは言った。


「辛気臭い、いつから老人キャラになった?」

「俺が老人ならグリエルは何だ? 化け物か?」

「そうだな」


 質の悪い冗談に間に受けずにグリエルはグラフィットの頭頂部にチャップした。


「無礼だ。国王への反逆罪だー」


 グラフィットは棒読みで無礼砲を発動したがグリエルには効かない。


「陛下! 大丈夫ですか⁉︎」


 施錠されたドアがおもっきり叩かれて、衛士達の足音が何重にも聞こえた。


「陛下! ドア破壊しますよ!陛下!」


「どうするんだ?」

「っ!ぁぁあグハァ!! グ、グリエルッ 貴様……」


 グラフィットは突然苦しみ出し、地面に崩れた。それが聞こえたのか外でドアを破壊しようと動いていた衛士達が一層慌ただしくなる。


「陛下!!!」

「ふふはっふふふ」


 外で大慌てな衛士達の姿を思い浮かべるたのかグラフィットは生き返り、立ち上がり笑い出す。


「や、やめろ!」

「陛下!」


 グラフィットが叫び声を上げる同時にドアが破壊されて、衛士達が突入すると目を見開く、そこには手に槍を持ち、グラフィットに向けるグリエルがいた。


「き、貴様! 陛下に何をしている!」


 わずか数秒の間に何があったかと言うと。グラフィットそこら辺に置いてあった棒をグリエルに握られせるとちゃうど外から刺されたように見える位置関係を刺されたように背中を仰け反らせ、衛士達が入ってくるのを待っていた。




 衛士達に囲まれたアラエルは冷や汗を流し思わず両手を首の後ろで組み、ゆっくりと膝を突いた。


「いい加減にしろ、お前国王だろ」

「国王もユーモアは必要だ」

「国王がしていいユーモアには限界がある。」


 持っていた棒を投げ捨てたグリエルは待ち構えていた衛士達に拘束された。


「マルシュ、手を離せ」

「はい?」


 グリエルを拘束しようとしていたマルシュは首がものすごい速度でグラフィットを見た。


「悪い。これは訓練だ」


 ネタバラシのように言い放ったグラフィットに衛士達の槍が一斉に向けられた。


「ぶ、無礼だぞ……」


「マルシュ、やめろ」

「グリエル様、生きてらっしゃたのですか?」


 グランドがマルシャの肩を掴むと、マルシャは後ろを向き、驚きのあまり目を見開く。


「まだ、生きている」

「ではこの惨状はこれが原因ですか」


 マルシュはアラエルを拘束している縄を槍の先端で切り解放して、他の衛士達に休憩を与えた

 マルシュは全員が出て行ったのを見てから。国王であるグラフィットの首元に槍の棒の部分を押し付けた。


「ゴグリ」

「説明してくれますよね」


 グラフィットはそのマルシュの鬼のような顔にはいしか言えなかった?




「…………と言うわけで、衛士達の緊急訓練を行おうと計画したわけだが、だが訓練だ。お前達に知らせては訓練の意義がなくなってしまう、だから本当に申し訳ないが今回は秘密裏にこの2人を雇い、暗殺犯役を頼み込んだわけだ、全ての責任は2人にある」

「おい!」


「すまぬ間違えた。誰にも責任はない。不幸なヒューマンエラーだ。衛士隊長である、マルシュには伝えおくべきであった。」


 グラフィットは床は膝をつき、頭を下げるがマルシュはそれだけでは満足せず。


「もっと、頭を下げてください」

「え? こ、これ以上下げたら」


 下げたら、地面と額が激突すると言いたいのだろう。  


「俺も見てみたいな、国王の土下座」さらに追撃するようにグリエルも言った。



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