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記憶持ち転生疑惑の少女  作者: 日下みる
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番外編〜お兄ちゃんの運動会!〜

お兄ちゃんの保育園での運動会。

母親目線。

今日はお兄ちゃんの保育園の運動会です!

本日は快晴。

晴れ人間がいるのかしらね。

家族揃って見に行きます。

パパなんか、張り切ってビデオとカメラの準備をかなり前からしてました。

……お兄ちゃん、運動神経悪いから、活躍はしないと思うわよ?

かくいう私も朝からお弁当作りに勤しんでいる訳だけど。

娘は、運動会だとは知っているけど、運動会が何か理解していないので爆睡中。

お兄ちゃんは私の周りをウロチョロ。

「唐揚げ入れた?ミートボール入れた?タコさんウインナー入れた?」

それ、全部お肉じゃない。

「はいはい。入れてあるわよ。今から騒いでたら体力もたないわよ。大人しくしてなさい」

お兄ちゃんは子供らしく、ソワソワ。

珍しくゲームもせずに。


園児の集合は保護者よりも先なので、パパに送りに行くよう頼む。

…いない方が支度がしやすいのよね。

いつもは子供部屋に籠ってゲームばっかりだから邪魔じゃないんだけど。

さすがのお兄ちゃんも運動会でテンションが上がってるみたいねー。


お弁当を冷ましている間に娘の外出準備。

そして私の支度。

忙しいったらありゃしない。


何とか開会式までに間に合った!

主婦友達に席の確保は頼んであるので心配なし。

とはいえ、さすがに最前列は無理だったみたい。

なんでも、朝6時から待ってた親御さんも沢山いたとか…。


パパはカメラとビデオを持ってどこかへ。

私は主婦友達とお喋りしながら観覧。

この辺りの付き合いはしっかりしないとね。


娘は何が何だか理解していない様子。

ただ、小声でひっそりと

「うるさいですの…」

と、耳を塞いでました。

耳が異常に良い娘には辛いかもしれないわねぇ。

でも、慣れなさい。

アンタも近い内に当事者になるんだから。

娘は、自分のですの口調がおかしいことを自覚しているので、他人の前では話さない。

ジェスチャーや視線だけで意思の疎通が出来るのは大したものだとは思うけど。

こうゆう騒音だらけで、声が届きにくい場所ではとても便利。


プログラムを見て、お兄ちゃんが暫く出ない事を確認。

パパも休憩の為に戻って来たので、水筒からパパ用のコーヒーを渡してカメラ役を交代。

いい場所を聞いてそこに向かったけど、既に人集り。

パパの身長なら大丈夫かもしれないけど、私の身長じゃ無理ね。

周りは誰かのパパさんだらけ。

諦めて自分達の場所へ戻る。

ん?娘がいない。

「ねぇ?あの子どこ行ったの?」

「あ?見えない!って言ってどっか行ったぞ?」

「ほっといたの?!」

一緒に行くとかあるでしょ?!

荷物番は隣の主婦友達家族に頼めるんだから!

「大丈夫だろ。チビ助ちっさいしな。一番観やすいところで見てんじゃないか?」

そうゆう問題じゃない!

ラッキーな事に、しばらくお兄ちゃんの出番はなし。

荷物番は友達に頼んで二人で探しに。


そこまで大きな保育園じゃないし、園内は立ち入り禁止。

園庭のどこかにいるはずだけど、あの小さいのを大人の山から見つけ出すのは……至難の技では?

放送かけて貰った方が早いかしら?

キョロキョロと見て回るけど、それらしき姿はなし。

もう!どこ行ったのよ!?


「あ。いたぞー。やっぱ、特等席で観てたな」

え?どこ?!

「ホレ。あっち」

パパの指差す方向に視線を辿ると。

……いましたよ…ええ。

確かに特等席でしょう。


園児専用スペースにちゃっかり椅子に座って観てました!!!


しかも、お兄ちゃんの隣。

園児分の椅子しか置いてない筈だから、誰かが必然的に席がなくなっているということ。

慌てて二人で回収に!


「すみません!うちの子がご迷惑をお掛けしまして…」

「?」

そうね。アンタには何でココにいちゃいけないのか理解してないわよね。


「ホレ、チビ、こっち向けー」

パパ、呑気に写真とか撮らないの!


「あ。お母さんですか?大丈夫ですよー。大人しい子ですし」

さすが保育士さん。

子供の突飛な行動には慣れてるのね…。


「ほら。迷惑かけちゃダメでしょう?戻るわよ」

ココにいたら、私達まで目立つ。

他の保護者の方達の視線が痛いったら。


「えー!戻っちゃうのー?!」

「ココにいていいよ!あたしのお膝に座る?」

「あ!ズルい!あたしもしたい!」

「……(ぎゅっ)」

余りの勢いにお兄ちゃんにしがみつく娘。

大人の私もたじろぐほどだもの。

そりゃ、娘にはビックリよね。

普段、家にいるから、お兄ちゃんの友達くらいで、女の子と会わないし。


「可愛いー!」

「ねぇねぇ、あたしにも抱っこさせてー!」

「……ぼくの水筒、美味しいよ。飲む?」

「…(コクン)」

「!!はい。気をつけてな?」

「…ありがとうですの」


ンック、ンック…ぷはぁ


「「「可愛いー!!!」」」


…なぜ、うちの娘はこんなにモテモテなんでしょうか?

見事なハーレムの出来上がりです。

応援なんて何のその。

みんな娘に夢中です。

隣のクラスの子達まで羨ましそうに見ている始末。


「こうゆう状態でして…。私達も最初は親御さんを探そうと思ったのですが…すみません…」

保育士さんに申し訳なさそうに謝れました。

アレですか。

コレはまさか、園児達が保育士さんの反対を押し切ってまで、もてなしていると…?


短距離走から戻ってきた子が

「ぼく、一位だったぞ!見てた?」

「…(コクン)パチパチ」

拍手までしてるし。


アンタ、見てないでしょーが。

まぁ、ここで首を横に振ったら、この男の子はさぞや落ち込むかもしれないけど。

この子が空気を読みすぎるほど読むのは前からなので驚きません。


パパ、そんなに写真撮ってどうするの?

今日の主役はお兄ちゃんよ?

お兄ちゃんもなんでそんなにドヤ顔なの?

結局、娘の面倒は保育士さんに任せました…。

お弁当タイムには、さすがにお兄ちゃんと戻って来たんだけど…。

次々と園児からの差し入れが届き。

お弁当タイムが終わると、再び特等席へ案内されて行きました。

閉会式まで特等席にいました。

子守しなくていいから、楽といえば楽なんだけどね。

士気が上がったのか、優勝してるし…。


最早、誰のイベントだったのか、わからないのは私だけ…?


お兄ちゃん、運動会はどうした…?

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