カールチェイスの町に到着
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護衛18日目。遂にカールチェイスの町の町に到着した。……ここまで長かったなあ。何度も何度も戦闘をして、素材を良い感じに集めては来たんだけど、それでも長かった。
そして、支払われるのは、危険手当を含む報酬なんだけど、危険手当は1日で計算されるから、揉めた。それはもう、予想通りと言わんばかりに揉めた。
やれ報酬が少ないだ、ポーション代にもならないだ、必死に戦ってこれだけかだと言いたい放題である。まあ、言わんとしていることは解らないでもない。
ポーションもケチっていたら死んでいただろうし、必死に戦いはしたんだろう。けど、依頼内容はそれで間違っていない訳で。1日に10回も襲撃されないと思っていた方が間違いだったという事ではある。
普通の護衛依頼では、1日に2回も襲撃があれば多い方だ。だから、襲撃1回につき、危険手当が1回貰えるって事が多い。
今回の依頼は1日単位だった。その分、1回よりも金額が多かったが、10回で割り戻せば、普段の護衛依頼よりも割が悪いという結果になった。
その辺は商人の情報戦の勝利だし、それで食っているんだから、商人としては儲けたなって感じである。
冒険者としては割を食ったが、それが依頼なんだから食い下がることは出来ない筈なんだけどな。気持ちは解らないでもないけど。
そんな訳で、揉めている所を尻目に、俺たちはとっとと宿に行くことに。俺たちはその金額で納得というか、金額に固執していない。
今回の護衛依頼よりも、普通に討伐をしている方が儲かるんだから、どうでもいいまである。こっちはちゃんと移動が出来れば良かったんだから。
目的のカールチェイスの町には着いた。それで依頼料まで貰えた。それで十分なんだよ。別に依頼料が特別安かったわけではない。寧ろ護衛依頼としては高額だった方なんだ。危険手当も多かったし。
単純に、襲撃の回数が大幅に超過していただけだ。1日1回の襲撃ならば、商人側が赤字になっていただろう。
情報収集をせずに依頼を受けた方が間違いなのだ。冒険者だって学は必要なんだよ。頭の良い奴に良い様に使われないようにするための学は必要なんだ。それを勉強できて良かったねと、勉強代にするしかないとは思うけどな。
そもそもではあるが、護衛依頼でも足を引っ張っていたのはあの冒険者たちである。危険なのは解る。割安なのも解る。けど、そこまでの活躍をしましたかって言われてしまうとな。
反論の余地は無いと思う。護衛対象を危険に晒したんだから、減額されても文句は言えない筈なんだけどな。
それもこっちには関係の無い話なので、早々に切り上げたんだ。明日は休みにして、明後日から頑張ろうとは思う。
まあ、まずは情報収集からしないといけないんだけどな。休みの日にするとは言っても、ちゃんと情報収集はしないといけないし、武具の手入れも必要である。
純粋な休みでは無いんだけど、冒険者に休みを求めるなって感じだな。冒険者は常に準備と冒険を繰り返すんだ。完全休養は少ない。次の為の準備という感じで動かないといけない。
まあ、準備が完全休養の場合もあるんだけどな。今回の場合はそんな訳にはいかない。次の目標である、クラマリナ坑道についても調べないといけないし。……無論、俺は知っているが。
場所もそうだし、採取できるものもそうだ。採掘できるものは銀って解っているから良いけど、魔物についても調べないといけない。
素材もそうだし、毒があるかどうかなんかも調べておかないといけないからな。今回の場所には毒は無いが、気を付けておかないといけない魔物がいる。
魔物は全部で5種類。アースゴーレムLv95、キラーバットLv98、ロックセンチピードLv108、サイレントゴーストLv91、シャドーマンティスLv110である。
その内気を付けないといけないのがサイレントゴーストとシャドーマンティスだ。サイレントゴーストは基本音もなく壁を貫通してやってくるので、探知系の魔法は絶対に必要である。
シャドーマンティスは、暗がりから一気に間を詰めてきて首を刈りに来る。絶対に注意しないといけない魔物である。
その情報なしに採掘に行こうものなら、死ぬだけだからな。全員にはちゃんと情報収集をして欲しい所である。まあ、ちゃんと後で周知はするけど。
鶴嘴は用意してあるので、幾らでも採掘が出来るぞ。ちゃんとミスリルで作ってあるから耐久性は大丈夫だ。簡単には折れない。
まあ、力の加減を間違えると、木材の部分が折れるんだけどな。トレントの木材が手に入れば良かったんだろうけど、手に入らなかったからな。そうすれば、魔力を流しつつ、良い感じに採掘が出来るんだけど。
そして、俺がやらないといけない事といえば、まずは商業ギルドでクランハウスを購入するところからだ。大きなのは必要ないんだけど、ある程度の大きさは欲しい所である。
問題があるとすれば、ここには人間至上主義派の貴族が居るので、買う場所については気を付けないといけないという事なんだけどな。
しかも財務卿派の貴族が居ないから、どの派閥が商業ギルドを抑えているのかが解らない。割と博打の様な感じにはなる。
「いらっしゃいませ。何が御用でしょうか?」
「商業ギルドって何処の貴族が抑えてますか?」
「商業ギルドはレイデオロ伯爵家の所属ですね。安心してください。亜人に対して何かある訳ではありませんから」
「良かった。クランリベレーションズの拠点をこの町にも欲しいと思いまして。30人くらいが常駐できる拠点が欲しいんですけど、良い場所はありますか?」
「そうですね。少々お待ちいただいてもよろしいですか?」
そう言われたので待つ。まあ、直ぐに地図を持ってきてくれたわけなんだけど。そして、やはりというか、ここでも亜人排斥の動きはあるらしい。でも、クレバトーナ子爵家が兵士を取り仕切っているので、そこまで無茶苦茶な事はやらないというか、やらせないらしい。
兵士にも亜人を採用するくらいにはしっかりとしており、割と何処に住んでも問題は起きないだろうと言われた。……まあ、それでも一等地は止めた方が良いとは言われたけど。
勿論ではあるが、冒険者ギルドは宰相派であるレイデオロ伯爵家の管轄だし、そこは大丈夫。というか、ここの町では、デシエルト子爵家の影響力はそこまで大きく無い様だ。
というのも、この町には亜人が多い。原因はクラマリナ坑道にある。ここで採掘をしていた方が稼げるのである。危険な魔物は居る。けど、奥に行かなければ遭遇率も低い。
それでも遭遇はするので、戦わないといけないんだが、ここで問題が出てくる。魔物のレベルだ。90以上がデフォルト。それなりに強い魔物が出てくる訳だ。
当然だが、亜人の方が寿命が長い。そうなると、冒険者の現役期間も長い。安全に採掘するには、亜人の力を借りた方が早いのだ。
銀は銀貨を作るのにどうしても必要なものである。採掘量は多い方が良い。商人は大白金貨を使うが、庶民は鉄貨、銅貨、銀貨が普通だ。銀の需要は高いのである。
冒険者の使用頻度の高いお金も銀貨であるし、銀は多いに越したことはない。だから採掘を積極的に進めないといけない訳なんだけど、人間だと現役の期間が短すぎるんだ。
だから職人ギルドや薬師ギルドまでレイデオロ伯爵家が管理しているらしい。銀の採掘は、膨大な利権を生んでいるのだそうだ。
よって、割と人間至上主義派の貴族が居る割には、亜人が住みやすい場所なんだそうだ。流石に一等地に建物を買えば、何かしらの嫌がらせを受けるらしいけど。
そういう事は望まないので、三等地くらいの場所を選んだつもりだ。全然控えていないと言われればそうなんだけど、それでも亜人の立場的にはこの辺であれば最上位クラスである。
変な横やりが入っても面倒だしな。でも、良い物件は欲しい。そうなるとその辺が落としどころではあるんだろう。
なお、採掘クランが幾つもあるし、その辺の場所を占拠しているので、襲われる心配はない。亜人を敵に回して、銀が取れなくなる方が困るまであるからな。
その辺はレイデオロ伯爵家がしっかりと面倒を見てくれるらしいので、問題にはならないとは思う。
ギルドハウスの確認は明日だな。その前に使用人だけ決めて雇っておかないと。とりあえず10人で良いよな?




