クランメンバーを増やす
OFUSE始めました。
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そんな訳で翌日。今日は休みの日だ。俺は休みじゃないけど。クラン拡大のために、タールスエニスの町に行かねばならない。今日明日でクランメンバーを10人くらい増やしたい。欲を言えば14人欲しい。7人パーティーを2つ分の人材が欲しい。
朝食を食べて、ホームストーンを使ってタールスエニスの町に。そして、冒険者ギルドへ。そこで亜人種の冒険者を勧誘するんだ。
ある程度のレベルであれば嬉しいが、別にレベル0でも問題ない。育てればいいだけの話だからな。厳しい訓練は、クレマグリッドの町に来てからでいい。まあ、ぬるま湯で育ったら、後で痛い目を見るだけではあるんだけど。
痛い目をみないと覚えないからな。絶望を知らなければ、希望を持てないという事もある。まあ、ある程度は放置して強くなってもらわないといけない。俺はメインパーティーを強くしないといけないからな。
冒険者ギルドで探す。色んな亜人種が居る。ただ、渇望レベルに強さを求めている人は少ない。大半の人が、安定した暮らしを手に入れるために戦っている。
冒険者という仕事は、安定とはほど遠いんだけどな。現実を知れば、冒険者なんてやりたくないと思うかもしれない。稼ぐためには、努力をしないといけない。まあ、それはどの仕事でも同じことではあるんだが。楽して稼げる仕事なんてあり得ない。
どんな仕事だって努力は必要なんだ。冒険者はそれに命を賭けないといけないだけで。死ぬかもしれない仕事だ。安定とはほど遠い。安定させたければ、強くなるしかない。だが、それだけの覚悟がある人の方が少ない。
何十人と話をしているが、ある程度強くなりそうな人は9人しか見つけられなかった。それ以外の人は論外である。楽して冒険者になろうだなんて思っていたら駄目だ。楽して冒険者になったら、死ぬしかない。
そんな甘い世界ではない。子供の頃に語られるサーガの様な冒険をしたければ、努力は必要不可欠なんだ。努力しないものに、冒険者を続ける資格はない。
まあ、資格がないというか、死ぬんだけどな。そういう世界である。死にたくなければ、努力をしないといけない。覚悟が無いのであれば、冒険者なんて辞めるべきだ。その方が長生きできる。
しかし、9人か。ちょっと中途半端だな。明日も行くから、そこで5人以上見つかればいいが。因みに、魔法使い志望者は2人。ヒーラー志望者は1人。こっちももうちょっと多ければ嬉しいんだがな。まあ、魔法に関しては、全員に覚えてもらうんだが。
そんな訳で2日目。今日も見つけられれば良いなという感じで探した。話をして、覚悟を聞いて、いいか悪いかの判断をする。冒険者に資格なんて必要ないという人も居るかもしれないが、それは明確な嘘だ。死ぬかもしれないという覚悟が必要なんだ。
死に際に諦めるなんて選択肢を取る冒険者は居ない。全員が生き足掻くために何とかするんだ。何ともならない時もある。が、それは時の運だ。まず諦めたらそこで終わりだ。
諦める様な覚悟を持っていない人は必要ない。醜くも生き足掻くだけの意思を持っている人たちが良い。最低ラインの人しか居ないのは辛いからな。泥まみれになってでも生きたいと思う人が何人かは欲しい。
クランメンバーも死ぬときがあるとは思う。寿命で死ねれば良いとは思う。冒険者が寿命で死ねるのは幸福だ。大半は事故死扱いだから。
なんだかんだと基準は厳しめで見て回ったけど、今日は7人見つけた。2日間で16人か。8人パーティーを組ませようか。それで、目標は全員のレベルが30だ。
レベル30になれば、クレマグリッドの町に移動してもらう。そこからは地獄の特訓だ。定期的に俺が帰らないといけないんだろうなとは思う。
それまでに、死ぬ気でレベル30にしてもらうんだが。どっちのパーティーが早いのか、勝負してもらう。ライバルが居た方が身が引き締まるだろうし。最低ラインを超えてきてもらわないと話にもならないからな。
「そんな訳で、8人パーティーを2つ作ってきた。追いつくまでには時間がかかるだろうが、まあ、追いついてくるとは思う。それなりに発破をかけてきたつもりだからな」
「そうですか。……召喚士は居なかったのですか?」
「召喚士は居なかったな。そもそも初心者の町では召喚石は高すぎる。召喚士になりたいと思っても、難しいのかもしれない」
「それもあるが、召喚士ギルドがないからな。召喚士が育つ土壌が無いというのもある。そして、召喚士自体がそこまで強くないというのも一因だな。召喚獣は死なない。だから召喚獣を戦わせて楽して稼ぎたいと思う人が居ない訳でもないんだ。が、そういう人はまず召喚石を買えない。稼いで召喚石を買おうとする前に、挫折するか、死ぬからだ」
「ああ、そういう事もあり得るか。冒険者になるにしても、覚悟が足りなさすぎるから、どうしようもないと」
「仮に金を稼いだとしても、碌な召喚獣が出ないからな。その時点で諦める奴らも多い。必死になって、魔法陣を書いたのに、碌な召喚獣が出ないって事で、諦めた奴らも大勢いる」
「召喚獣を出すための魔法陣は難しいからな。覚えるのが大変だ。……しかも、32種類ある。一番良い魔法陣だけを覚えれば良いという訳でもないのが何とも言えない所ではあるんだが」
「ん? 32種類?」
「どういうことですか?」
「あれ? これも常識じゃないのか? 召喚をするときの魔法陣は、各属性に1つと、完全にランダムなものが月替わりに12種類。計32種類あるだろ?」
「いや、初耳だが」
「……私は1種類しか知りませんよ?」
「あー……。それでか。碌な召喚獣が出ない原因の1つは。前にアウスラリアには話したよな? 普通の魔法陣で召喚するならレベルは150までは出るって」
「そうですね。それは聞きました」
「そうなのか? そんな高レベルの召喚獣を呼べたと言う事は無いはずだが……」
「そうなんだよ。この32種類から出てくる召喚獣はレベル150まで。それ以上の召喚獣が欲しければ、星見の塔に行く必要がある。……というか、俺も32種類全部知っている訳ではないというか、ある程度の形なら知っているだけというか。普通は星見の塔を使うからなあ」
召喚士ギルドは何の魔法陣を教えているんだろうか? 碌な召喚獣が出ないって事は、ガチャを回す月が間違っている可能性が高いから、月の12個のうちのどれかだとは思うんだけど。12か月だから12個あるんだよ。だから一番良いものを1つ覚えるって訳にはいかないんだよな。一番良いものが月によって変わるから。
しかも属性の魔法陣もあるから混乱する訳で。属性を指定する方が魔法陣の難易度が高いので、そっちは全然覚えていない。闇属性や風属性の魔法陣は見ただろう? アウスラリアが召喚したんだから。その時も複雑だったはずだ。碌に覚えていないが。
「まあ、いいや。魔法陣をみればどの魔法陣なのかは大体解るから。アウスラリアの知っている魔法陣を描いてくれるか?」
「ここでですか?」
「ああ、簡単だろう?」
「いえ、ここは地面でも何でもないんですが……」
「ん? 空中に描けば良いだろう?」
「???」
「あー。どうやらその辺から認識が違っているんじゃないのか? 空中に描けと言われて、混乱するのはよく解るが。普通は空中に描けない。どうやって描くんだ?」
「魔力で描くんだが……。それ以外に方法があるのか?」
「魔法陣は土の地面に描くんですよ。その後に魔力を流し込みます」
「……正気か? 何故地面に描く。イメージが出来れば魔力だけで十分だろう?」
「……今ならそう思いますけど、普通は魔力操作すらおぼつかないんですよ?」
しまった。完全に忘れてた。魔法は魔導爵家くらいしかまともに使えないんだった。しかし、そんな状態でよくぞ召喚出来たな。魔力が乱れまくって魔法陣にならないんじゃないか? いや、それだけ乱れているから碌な召喚獣が召喚出来ていないのか?
そんな訳はない。そうなったら召喚出来ないって結果になるだけだ。魔法陣自体が機能しないはず。そうなってくると、なんで召喚できているんだろう? それが1番の疑問になってしまった訳なんだが。何故に召喚が出来ているんだ? 碌に起動もしない筈なんだがな……。




