風はどうして吹くのか
OFUSE始めました。
https://ofuse.me/rukea
ついでにブログも始めました。好きなことをつらつらと書いていく予定。
https://rukeanote.hatenablog.com/
さらについでにTwitterも始めました。変なこともつぶやく可能性があります。関係ないことも沢山つぶやきます。
https://twitter.com/rukeanote
満を持して出発。俺たちは後方左翼を任された。というのも、2人しか居ないという事で、先頭は任せることが出来ず、召喚士という事もあったので、後方で耐える方が良いと判断された。召喚士は手札次第で色々と出来るからな。応援が来るまで耐えるのであれば、十分できる。
というのは、解らないでもない。ベテラン冒険者らしい判断だったとは思う。……俺が錬金術師というのもあるんだろうけどな。何処で使っていいのかが解らないって感じだろうし。他は順当に普通の物理職が多かった感じだな。タンクの金剛戦士やアタッカーのアサシンなんかが人気らしい。
護衛依頼であれば、サポーターのシーカーなんかが居ると結構役に立つんだけどな。アサシンよりも索敵に向いているし、危険察知なんかも得意だ。居てもおかしくは無いんだがなあ。戦闘面ではそこまで役に立たないかもしれないけど。
「そんな訳で、後方待機組だな。一番危険度が少ないポジションになる。裏からの攻撃なんてまず無いし、気楽に過ごせるな」
「とは言っても、護衛依頼です。手は抜きません」
「何なら僕に任せてもらえば良いよ。戦力にはなるはずだからさ」
「シルエンディールは戦力になるどころか、過剰なんだよなあ……。まあ、頼りにしている。特にアウスラリアの護衛にはぴったりだ。契約者をピンチに陥れる召喚獣は居ないし、俺が離れても安心が出来るというのは大きい」
「心配してくれるのは有難いですが、これでも乱戦には慣れました。生き残るだけなら難しくないとは思います」
「うんうん。頼りにもしているのは本当だよ。でも、僕が全力を出すと、この程度のキャラバンだと吹き飛ばしかねないからね。加減はしないといけないよね」
「当たり前だからな……。精霊が全力で戦ったら、味方の方が被害が大きくなる可能性がある。それだけ魔法の事を知っているし、人よりも真に近い知識を保持しているんだ。……あれ? そうなると、魔法の事はある程度シルエンディールに聞けば良いのか?」
「あー。まあ、そうなるかな? でも、僕が使えるというか、知っているのは風属性魔法だけだからね? 他の属性は無理。仕組みも解っていないし」
「……風属性だけでも知識を蓄えられる時点でやばい。人が精霊並みの魔法の威力を叩き出せるなら、マジで世界が変わるからな」
精霊式の知識の方が、絶対に魔法の真に近づいているというか、精霊は半分以上が答えなんだよな。存在自体が答えなんだよ。その存在の理由を明確に説明出来れば、その属性の分野では勝てない人は居ないだろう。
そもそも精霊が言語を理解し、使いこなすことが出来ることは解っていることではあるんだが、人の言葉を理解し、使う事が出来るっていう存在はネームド以外に居ない。魔法の授業だと思って聞こうか。俺の風属性魔法の威力も上がるだろうし。
「それじゃあ、風属性魔法の真理を教えてくれるか?」
「うーん。なんて言えば良いのかな。何から説明すればいい? 契約者が解るように説明した方が良いよね?」
「……それもそうか。じゃあ、空気の……。あー。元素の話から始めないといけないか? それだと話が長くなるか……」
「まあ、元素の話から始めようか。元素ってのは、素粒子と魔素が合わさって出来ているものなんだけど……。素粒子と魔素の説明も必要?」
「……頼む。素粒子はなんとなく解るが、魔素は初めて聞いた。属性の魔力とはまた違うのか?」
「違うねえ。魔力は魔素が合わさって出来たものだから」
「えっと、全然話についていけないのですが……」
「詳しい事は追々聞いてもらうとしてだな。とりあえずは素粒子と魔素の話をしてもらってもいいか?」
「良いよ良いよ。まずは素粒子からだね。空気って何で出来ていると思う?」
「空気、ですか? 空気は空気の様な気がしますが、その話だと、素粒子や魔素が関係してくるのですか?」
「そう。空気ってのは、80%が素粒子で出来ていて、19%が魔素。1%が原子で出来ているんだ。その中でも、重要なのが原子。素粒子も魔素も、人は活用できないからね。あっても観測も出来ないし。だから、1%の原子を利用する訳」
「素粒子も魔素も利用できないのですか?」
「利用できないんだよ。人って原子の塊なんだよね。原子ってのは、素粒子と魔素が組み合わさって出来たものなんだけど、結構大きいんだ。でも、空白の空間も多いから、その部分には素粒子や魔素が流れている。人は使う前に、素粒子や魔素を掴むことが出来ないからね」
「ちょっと待ってくれ。基本的には空気は窒素が8割、酸素が2割、その他微量なものが1%未満って聞いていたんだが?」
「それは原子の中の話でしょ? 空気の1%の話な訳。そうじゃなくて、原子っていうのは、電荷を持っているでしょ? プラスとマイナスとさ。そこには空間がある訳で。そこを満たすように素粒子や魔素が流れているんだよ。解る?」
「あー。何とかイメージが出来てる。……そこから違うのか。通りで魔法の威力が限定的なはずだ」
「殆ど何も解らないのですが……」
「まあ、こればかりは何度も何度も聞いて、覚えていくしかないだろうな。俺の理論ともかなり違うし。それでもまだ魔法になっているだけマシだという事でもあるんだが……」
「まあ、説明はしたけど、素粒子も魔素もあんまり関係はしないからね。けど、知識として無いのも困るんだよ。風を意識するなら、その辺の事も知らないといけないからさ。んで、風を感じるって言っているのは、空気中の1%の原子が原因な訳。素粒子や魔素は、体を突き抜けちゃうからね。体に当たるのは原子なんだよ。それを人は風って認識しているんだ」
「原子が体に当たる……。ここは水中の様な場所なのですか?」
「お? 話が解ってきてるじゃん。いいよいいよ。答えはYes。そうだよ。水中は水ってだけで、空気も水も、原子である事には代わりが無いんだ。まあ、水の場合は分子なんだけど、その説明は良いかな。無くても解釈は一緒だし。でも、水中と空中では決定的に違うものがある。それが電荷なんだよ。水の方が電荷は大きいの。空気中の方が電荷は少ないんだよね。原子と原子が合わさって、分子ってのを作るんだけど、空気中の分子は電荷が安定しているんだよね。でも、水って電荷が結構安定していなくてさ。問題は原子の中の水素なんだけど、水素はプラスの電荷が強すぎるんだ。普通は分子はそれで安定しているんだけど、水に関しては、水素が外側にあるからね。プラスの電荷が他の水分子に与える影響が大きいんだ。だから、水中は動きにくいでしょ? 電荷が大きいから、動きも難しくなるんだよねえ」
「ふむ……。要するに、空気中の方が動きやすいのは、その空気の分子が影響しているんですね」
「そういう事。で、なんだけど。じゃあ風ってどうやって起きると思う?」
「風が起きるのは?」
「空気が移動しているからだな。分子が体に当たるから、風を認識できている」
「正解。空気中の分子は常に移動をしているんだけど、それ自体は目に見えないでしょ? けど、流石に沢山当たれば、風として認識が出来るの。じゃあ、空気はどうすれば移動をするのかな?」
「気圧差だと認識していたんだが、どうなんだ?」
「うーん。半分正解だけど、それだけじゃ足りないかな」
足りないのか。何が正解なんだろうか。基本的には気圧の差で風が吹くはずなんだが……。だが、この世界には魔力もある。魔素という謎物質も出てきているし、常識が異なるんだろうな。
ある程度の科学的知識は使えるんだろうが、それだけでは足りないという事か。魔法を使いたければ、魔力を意識しないといけない。空気中の魔力も感じ取れないといけないんだよな。それが関係してくることは、なんとなくは解るんだが。
しかし、改めて言われると、そうだよな。空気中に分子だけしか無ければ、空洞が大きくなりすぎる。無の空間があることになってしまう。割と原子や分子って大きいからな。そこを素粒子や魔素が埋めているのか。そういう認識は無かったな。




