星見の塔の使用許可
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エタニアス伯爵家の問題は、こっちでは何もすることが出来ない。ただまあ、安全を確保できるのかって問題点はあったんだけど、宿屋のセキュリティを甘く見て貰っては困る。今の高級な宿屋だと、貴族の屋敷には劣るものの、それなりのセキュリティがあるのだ。
簡単に言えば、寝る時はそこまで警戒しなくても良いという事である。……既に18人の貴族の子弟たちは、捕縛され、処刑されてしまっている。後はエタニアス伯爵家を追い落とすだけだ。それを見届ければ良い。
時間はそう掛からないだろうと言われている。まあ、そこまで待つのかって事ではあるんだけどな。冒険者業が忙しいし。普通に2日に1回の狩りをしていると、時間はどんどんと経過していく。無駄に過ごしていないだけマシではあるんだけどな。
「何と言いますか、ここまでレベルって上がるんですねえ」
「本当ですね……。ですが、それだけの努力をしてきたという事でもあります」
「納品されるものの数が凄まじいですからね……。なんでそんなに持てるのかってくらいには、インベントリに入りますよね?」
「まあ、その辺は企業秘密って感じだな。その内普及するとは思うけど、時間はかかるだろう」
マジックバッグを作ることが出来る錬金術師を育てないといけないからな。錬金術師は何でもといっていいほど色々と出来るんだ。出来ることを増やしていけばいいと思う。クランで抱え込んでも良いとは思うが、それでもある程度で拡張も止まるだろうし、資金集めにも丁度いい。
「しかし、レベル89ですか。凄いレベルですよね」
「それは本当に思いますね。こうも簡単に、とは言えないのが難点ですが。日数的にはかなり少ないとは思います。けど、倒した魔物の数を考慮に入れると、これでもまだ89なのかと言いたくはなります」
「ですよねえ。という事は、適正レベルではなくなってきているという事でもありますからね。そろそろ移動を考えないといけない感じですか?」
「だと思いますけど、私が決める訳ではありませんからね」
「そろそろ移動だぞ。漸くと例の物が完成したからな。……研磨に時間を取られた。品質を上げるためには仕方がないとはいえ、かなりの時間を使ったのは確かだ」
宝石の研磨には時間がかかる。しかも、普通の宝石を魔宝石に変化させて、更にそこから精霊石に変化させようと思うと、それなりの費用と苦労が必要になってくる。……しかも召喚の供物にするんだから、これも無駄に消費される可能性があるんだ。これだから召喚獣の召喚はコストがかかる。
星見の塔で召喚獣を呼べば、強い召喚獣が出てくるのは良いんだけど、供物を考えないと破産する。適当に選んでも駄目なんだ。ある程度のものを用意しないといけない。……襲撃があったばかりだからな。呼び出す召喚獣を上方修正するべく、出来る限りの事はやったつもりである。
それがゴミになったら、マジで泣ける。結構な金と時間を費やしたんだから、成功してくれないと困るんだよ。……何が呼ばれてくるのかが解らないから、マジで困りものなんだけどな。
「とりあえず、ギルマスに話があるから、通ってもいいか?」
「どうぞどうぞ。最近はお仕事が沢山でしたけど、多少は減ったみたいですし、多分大丈夫です」
「それなら会わせて貰うか」
「そうですね」
そんな訳で、ギルマスの部屋に。話は簡単だ。星見の塔の使用許可と、次の町の情報収集だ。町は決めてあるんだけど、どんな町なのかまでは解らない。ゲーム時代では、初心者が集う町というか、初期リスの1つでもあるからな。レベル1から30くらいまでが適正レベルのはずだ。
そこにパーティーを作りに行くんだけど、懸念点はある。人間至上主義派が居ない事が条件になってくるだろうからな。出来れば、クランまで作ってしまいたい所である。6人揃えるのが第一の目標腕はあるが、出来るのであれば15人くらいは見繕いたい。
クランを作るなら早い方が良いからな。それでレベル上げを手伝って、即戦力を作らないといけない。……出来るだけ死なない様にしないといけないからな。中々に難しい注文ではあるんだけど、やり切るつもりでいるからな。
「やあやあ、この前ぶりだね。今日はどうしたのかな?」
「星見の塔の使用許可を取りに来た。今日は空いているか?」
「今日? 随分と急ぐんだね。でもまあ、当然か。この前みたいなことがあったら面倒だしね」
「そういう事だな。護衛の数は多い方が良い。それなりの準備をしてきたんだ。漸く準備が出来たという感じだな」
「何を準備したのかとかは聞かないけど、色々と買い漁っていたよね。まだまだインゴットは混ぜ物が多いって解っているのに」
「金属は急ぎで欲しかったからな。特に銀と金は欲しい。色々と使い道が多いんだ。銀である程度の装備を整えつつ、金を装飾に使う。そうする事である程度の能力値を叩きだすことが出来る。まあ、中々装飾品の価値を計ることは難しいが」
「基本的に、作った人にしか解らないもんね。まあ、作った人にも解らないってものも多いんだけど」
基礎的な数値まで解らないからな。内部に込められた力はもっと解らない。鑑定の魔道具なんて、無い。俺も持っていない。作ろうにも、作り方が解らない。
「それで? 今日は星見の塔は空いているのか?」
「空いてるよ。今日は使用する日じゃないね。まだまだ供物を集めている段階だよ」
「供物集めが一番大変だからな。まあ、気持ちは解らないでもない」
「こっちでも錬金術師を囲い始めたけど、グラーデン君が如何に出鱈目なのかがよく解ったよ」
「このくらいは出来ないと、錬金術師としても使えないんじゃないか?」
「基準が高すぎるね。まあ、目標があることは良い事だけど。錬金術師も育てていかないといけないって感じだねえ。派閥が一緒なら、クレドンナ伯爵家に任せるんだけど」
「貴族同士が仲が良くても、利権絡みなら話は変わってくるだろうからな。それは仕方がないんじゃないか?」
「まあねえ。でも、エタニアス伯爵家が悪さをしていることは解っているし、それを排除する事も出来るとは思うけど、冒険者の質も何とかしないといけないんだよね。武器の質が悪いと、冒険者の質も悪くなるし。ポーションも粗悪品が多いしね。その辺の見極めが出来る冒険者になって貰わないと。もっと強くなってもらわないとね」
同感ではあるな。冒険者はもっと強くなってもらわないと困る。強くなれば、お金が稼げるという事でもあるし。そうなってくると、人の才能を羨むよりも先に、努力しようって気になってくるからな。努力は基本的には裏切らない。レベルという形で還元される。
レベルが上がれば強くなる。それは誰もが解っていることだ。この町で終えても良いって思っている冒険者は少ないはずだ。可能であれば、何処までも上を目指したいと思うのが冒険者の筈だからな。個人の能力的に、この辺が限界だと言う人も偶にいるが。要するに、プレイヤースキルの問題があるからな。
どうしても討伐に向かない人も、冒険者になりがちなんだよ。そういう人は生産職なんかに回って貰った方が良いとは思うんだよな。才能は何処にあるのかは解らない。やってみない事には、解らない事が多すぎるんだよ。




