出てきた召喚獣は
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現れたのは、ローブを纏い、杖を持ったスケルトンだった。……リッチだろうな。問題は何処までの強さを誇るのかだ。候補は幾つかあるが、リッチである以上、魔法型なのは確定だ。
カタカタカタ
「これは……。スケルトンではありませんね? どんな召喚獣なのでしょうか?」
「うーん。杖を持っているし、魔法使い系だよね?」
「リッチを知らないのか? リッチは確定。後は何処までのレベルなのかという所だぞ?」
「リッチ……?」
「リッチって、かなり高位のアンデッドじゃない? 確か、高難易度の闇属性の魔境に居るって聞いた事があるけど」
「高位のアンデッドであることはそうだが、何処までのレベルなのかが解らない。ローブの感じからすると、レベル150は超えているとは思うが。候補は3つ程ある。それのどれかにはなるとは思うが……」
「とにかく契約じゃない? 契約すれば、種族名は解るんだし」
「そうですね。……契約をお願いします」
カタカタカタ
肯定か? まあ、高位のアンデッドではあるな。……召喚獣は話すことが出来ないから、確認のしようがない。契約者には、種族が解るようになっているが、ステータスなんかも見れないからな。見れれば色々と解るんだが。
「……契約出来ました。ノーライフエルダーリッチというそうです」
「ほう。期待通りの召喚獣じゃないか。レベル185のウィザード型の召喚獣のはずだ。火属性、氷属性、闇属性の3種類を扱えるはず。ただ、物理攻撃、特に打撃攻撃に弱かったはずだな。召喚獣としては当たりの部類だ」
「レベル185ってヤバくない? この辺の魔境なら何処でも通用するし。最強クラスの召喚獣じゃない?」
「魔法使い型としては、使いやすい部類だな。大きさも人間サイズだし、場所を選ばない。……場所を選ぶ召喚獣も居るからな。そういうのではないから、使いやすいだろう」
「……ですが、前衛が薄くなりますね。私が前衛を出来れば良かったんでしょうけど」
「前衛ならヒポポライノで十分だろう。この辺では負けないとは思うが?」
「……召喚制限の事、知らない? 召喚獣は1人1体までしか出せないんだよ?」
……ゲームの設定そのままなのかよ。ゲーム時代も、召喚制限はあった。1人1体まで。パーティーは6人まで。召喚制限を取っ払っても、6体以上は出せなかった。この辺は現実になったら、変化があると思っていたんだけどな。ゲーム準拠とは。……いや、まだ確定では無いか。召喚制限さえ取り払う事が出来れば、無制限に召喚獣を展開できる可能性がある。
「召喚制限があるのは解っているが、上限値開放をすれば良いだけの話だろう? 少なくとも、装備で5体までの開放は出来るはずだ。6体目からは解らないが、5体なら何とかなるとは思うが」
「召喚制限の、上限値開放? ……そんな話は聞いた事が無いですが」
「うーん。僕も聞いたことが無いね。召喚獣が5体も出せるなら、召喚士はもっと人気になってもおかしくないし」
「錬金術師の領分だが、そういう装備を作ることが出来る。普通に使われているとは……ああ、そうか。召喚士ギルドに錬金術師が囲われているんだったな。それでは作成することも出来ないか……」
召喚士ギルドが害悪過ぎない? 何と言うか、召喚士の足を引っ張っているだけの様な気がしないでもないが。召喚士を囲うだけならまだいいが、錬金術師を囲うのはやり過ぎなんじゃないだろうか。錬金術師は召喚石を作るのに必要なのは解るが、それ以外も作ることが出来る。
特に付与を必要とするものについては、錬金術師が一番やりやすいと聞いている。鍛冶師なんかも出来ない訳では無い。やった覚えはあるからな。その他の生産職でも出来ない訳では無いとは聞いている。……そうなると、研究が足りていないのか? 色々とやってみるのが生産職の義務だろうに。固定のものしか作らないのであれば、進歩は無いんだがな。
「召喚士ギルドには、そういう装備があるんでしょうか?」
「さあ? 聞いたこと無いけどね。もし、そういう装備を独占しているのであれば、問題は大きくなりすぎるし。単純に知らないだけじゃない? ……グラーデン君の非常識さは、今回の事でよく解ったとは思うけど」
「……ですね。その装備はどうやって作るんですか?」
「銀を加工するだけだ。そこまで難しいものでもない。鉄では駄目だ。銀が欲しい所だな。金でも良いが、銀の方が安いだろう? 装備の質的にはどちらでも構わないが」
「銀ねえ。ちょっと入手は難しいかもしれないけど、手に入らない訳じゃないかな。金も同じ。入手出来ない訳じゃないよ」
「なら、作った方が良いな。検証も兼ねて、俺とパーティーを組んだ状態で6体以上出せれば、装備次第では、無制限に召喚獣を出すことが出来るだろう」
「……まだ5体しか持っていないんですけどね」
「5体持っているだけでも十分だとは思うよ? それだけ召喚石を手に入れたって事でもあるんだし」
「……色々と常識が違い過ぎるな。召喚士は戦わないし、そもそも魔法使いが少ない。それでは上を目指せない」
「常識が違い過ぎるのは、こっちも言いたい事なんだけどね。独学で魔法を学ぶなんて普通は出来ないんだし。魔法の威力が全然足りないんだよ。魔法はイメージって良く言うけど、イメージ通りの威力になったら苦労はしないんだよね」
まあ、魔法はなあ。イメージもそうだけど、理論も大事というか。理論がベースに無いと、イメージが上手く機能しないというか。爆発なら火薬やTNTなんかをイメージしないといけないし、水属性ならH2Oをイメージできないと厳しい。水だけでは理論不足になって、威力が激減する。
魔法職は化学・物理が得意じゃないと無理なんだよな。俺か? 得意ではないが、魔法に必要な分野は習得しているぞ。ゲームをやっていれば、嫌でも覚える。まあ、それに加えて魔法と言う何かも詳しくならないといけないんだけどな。魔力とは何かを知らなければならない。
空想科学の分野だな。天才が作ったAIのせいで、色々と苦労をすることになるんだ。ゲームなのに、物理化学に強くならないといけない。しかも特定の分野に関してだからな。結構受験生には有難いゲームとして活用されているらしいが。勉強で覚えるよりも、ゲームで覚えた方が簡単だからな。
ただ、この世界の人に理解しろといっても難しいだろう。召喚獣がしゃべってくれると良いんだがなあ。召喚獣の魔法は、期待値というか、基本的にイメージ通りの魔法が使われているらしいし。それを解析する人も居たっけな。……召喚士はそこまで多くは無かったんだけど、研究者は選びがちだったとは思うし。
ゲームなのに、研究をしている人が居るくらいには、不思議なゲームだったよ。マザーアースを解析してしまえば良いだけだとは思うんだがなあ。色々とあるんだろうとは思うけど。俺には関係のない事ではあるからな。こっちでどんな授業をすれば、魔法を使えるようになるんだろうか。教えるのであれば、ある程度は決めておかないといけないだろうしな。




