基礎訓練の不足
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だからといって、方針を変える訳にもいかない。俺たちは俺たちで強くならなければならない。訓練に訓練を重ねて、強くなっていかないといけない。
訓練の成果が直ぐに出るかと言われたら、普通は出ない。基礎の訓練も大切だからな。……乱戦の訓練の結果、まだまだ基礎が足りないって判定になったし。
そんな訳で、後続に基礎を教えつつ、乱戦訓練もやりつつという感じで毎日を過ごしている。
クレマグリッドの町からカールチェイスの町に向かっていた第2陣も無事に拠点に着いたらしいし、これで銀の供給も元通りになるはずだ。
後は、生産職が帰ってきたので、色々と依頼をお願いしたところである。女神の涙の研磨と、その他細工の作成。供物にするものの作成をお願いしている。
オリハルコンで作るから、それなりのレベルの召喚獣は呼べるはずである。シルエンディールよりは高レベルな召喚獣が呼べるはず。色々と知識を持っていてくれたらなお良し。
知識は武器だ。知らないというのは、それだけで罪なくらいにはやばい事である。何事も知っているに越したことはない。
知らない事を知ろうとして、実験を繰り返すくらいは普通だとは思うんだがな。試したことがない事を試すのが良いんだろう? それが普通だ。そうじゃないと色々と問題が出てくる。
そもそもではあるが、レベル100を超えてくる魔物は、対策が必須という事にも繋がるんだよ。何かしらの方法を身に着けておくか、武器や防具を揃えておくことが必須になってくる。
クラマリナ坑道はどうなんだとは思うかもしれないが、あそこだってある程度の対策が必要なんだぞ? 碌に対策を取っていなければ、全滅してもおかしくはない。
技術で対策をするのか、装備で対策をするのかだ。俺たちは両方で対策をしているけど、普通の冒険者たちは技術で対策をしている。装備も良いものを持っているんだろうが、このくらいからは属性武器を要求されるからな。持っていないと、技術が絶対に必要になってくる。
ごり押しが通用しなくなってくるという事でもあるんだよな。だから兵士のレベルも100くらいまで上げたら近衛になるくらいの強さになるんだろう。碌に対策をしていないからそうなる。
レベル100くらいで鋼の武器や属性武器が要求される。レベル200でミスリルの武器が要求される。レベル250では、ミスリルの属性武器が要求された。ゲーム時代ではな。
俺たちの今の装備はレベル250程度なら何とかなるくらいの装備なんだ。こんな所で苦戦をしていては問題がある。基礎不足なのは仕方がないが、武器の品質だけで言えば、まだまだ先まで戦えるんだよ。その内、オリハルコンに統一するから、レベル300くらいまでは大丈夫なんじゃないかとは思うんだけど。
「基礎訓練が足りん。第3陣が鍛え終わるまでもう少し時間がかかる。俺たちの基礎訓練も足りていないが、後続が追いついてこないと話にならない可能性があるからな」
「ですね。もう少し後続には強くなってもらわないといけないです。まだまだ出来ることはあるはずです。しっかりと訓練をさせないと」
「とは言うが、基礎を叩き込んでそれで終わりって訳にもいかないだろう? 基礎は重要だが、それでも限界はある。ある程度は頭を打ってからでも良いんじゃないのか?」
「それでもいいが、出来るだけ早いうちに対処した方が良いからな。こういうのは初めから教え込んでおくべきだ。乱戦訓練も大切ではあるが、基礎が出来ていないのと出来ているのとでは効率が変わってくる。その辺はしっかりと教え込むべきだ」
「そして、私たちの基礎訓練も足りません。大型の魔物に対しての立ち回りが解っていないのが大きいですね。グラーデンはそんな事はないようですけど」
「まあな。俺は基礎はやり込んでいる。ある程度の魔物なら何とでもなる。基礎訓練はそれだけ過酷だし、時期を見てやらないといけないからな。基礎だけ学んでも伸びる。が、飽きるのが精々だ。俺も基礎訓練を教えないといけない時期がやって来たかって感じではあるんだけどな」
「そうだな。俺が教えているのは、貴族としての基礎訓練だ。レベル的には60くらいの基礎でしかない。それ以上の基礎訓練はグラーデンに一任する。基礎ゆえに、大きく違う事は無いんだろうが、ある程度の立ち回りを含めて教えてもらわないといけないだろう」
「それをするにしても、闇晦ましの森へ行くのは確定なんだけど。格下で訓練しても意味がない。格上とやり合いながら、逃げの基礎も学ばないといけないからな」
「逃げの基礎? ですか?」
「そうだ。大型の魔物を相手にするのであれば、逃げるにも基礎が必要になってくる。どうやって逃げるのか、大体方法があるって事だ。攻撃の躱し方、受け流せるかの判断、その辺をしっかりと訓練しなければならない。……まあ、そこまでいう程の事でも無いんだけどな。連携を取りやすくするには、その基礎を覚えておくことに越したことは無いけど」
基礎訓練はどうしても必要だからな。それは乱戦訓練をやっておかないと解らない事でもある。楽勝で勝てるなら基礎は要らない。楽勝で勝てないから基礎が重要になってくるんだ。格上とやり合うのであれば、基礎は絶対に必要なんだ。……だから碌に冒険者が育たないんだろうけどな。
冒険者の中で、基礎を重要視している連中なんて居る訳がない。そもそも基礎とは何ぞやって感じの連中が殆どだろうからな。
ゲームのように、基礎を叩き込んでくれるNPCが居る訳でもないし。ゲームの基礎は凄いぞ。マジでミリ単位の動きを要求されるからな。難易度が上がると、そのくらいは出来る様になれって感じで本気で難しくなってくる。基礎を体に叩き込むのには苦労をした。
死なないゲームだからこそ出来た無茶でもあるけどな。この世界は大きなミスで死ぬ可能性がある。基礎の訓練で死ぬ可能性もあるんだ。その辺は注意しないといけないだろうけどな。
俺が錬金術をする暇が無いなというのが、今の感想である。研究したいことは山のようにあるんだけど、状況がそれを許してくれない。
強くなるためには、研究は必須だ。基礎だけでは強くはなれない。どうしても応用が必要になってくるし、それを補うためにも武器や防具が必要になってくる。
そして、そろそろアクセサリー類も欲しくなってくる頃合いなんだよな。徐々に自分の戦い方が固まってくる頃合いだし。そうなってくると、必要なアクセサリーも変わってくる。
剣と盾、槍と盾、その他両手武器を使っていたり、色々な組み合わせがあるとは思うけど、自分なりにこれが足りない。あれが足りないと解ってくるのが今だからな。それらを補うように、アクセサリーを身に着けないといけなくなってくる。まずは腕輪から。足輪指輪ネックレスと必要なものが増えてくる。そのための生産職なんだから、活用しないといけない。
何のために生産職を鍛えていると思っているんだ。装備品を作るためである。金属鎧も欲しくなってくるんじゃないのかね? まあ、重いから色々と考えないといけないとは思うけどな。動きが阻害されないように、最低限の金属で止めるとかな。
出来ることはやった方が良いのは確かなんだ。だから基礎訓練にも付き合う。まあ、実戦形式になるけどな。実戦で使えないと意味がないんだし。基礎訓練は、最初は足運びなんかの形から始まって、その形を応用で使えないといけない。
厳しい訓練にはなるだろう。中々に危険な訓練になるだろう。だが、仕方がない事でもあるんだ。基礎とはそういうものなんだから。危機感が無ければ覚えない。基礎だけをマスターする事は事実上不可能なんだ。……ゲームでは可能になっているんだけどな。
現実では、それなりに動かないといけない。大型の魔物に対して、どう動くのか。現地で覚えないといけない。倒す必要はない。倒さないで耐えるって事をしなければならないんだ。
それは危険だし、中々に難しい。倒す方が簡単だからな。けど、先を見据えておくのであれば、この辺で形稽古をしておいた方が良いとは思う。行動パターンを体で覚えるんだ。
そうすれば、応用も簡単に出来るようになるからな。まずは基礎。それから応用。その順番は変わらない。基礎を熟していけば、応用も自然と出来るようになってくるんだから。




