第106話 図書館
───リーガル村内、図書館
どの世界の図書館も相変わらず静かだった。
俺はそこで魔法に関して記された【魔法百伝】という本を手に取った。
本の内容は魔法について記されている。
スキルについても記されてはいるが、魔法の仕組みや属性についてなどの事を主に書かれていて、本の九割は魔法の事だった。
この本を読んで分かったことがある。
この世界には
炎、淙、地、雷、風、氷
の六属性があり、それをこの世界では【第六属性】と呼ぶらしい。
第六属性は派生のされていない原初の属性で、そこから派生した魔法やスキルが掲載されていた。
(……第六属性か……俺はそのうち3つを会得できているのか)
俺が獲得済みの属性適性は炎、地、雷の三属性。
レインは地、風の二属性。
二人合わせても四属性。
残りの二属性は淙属性と氷属性。
同じような属性かと思ったが魔法の種類が全く違うらしく、この二属性は別にされたらしい。
そしてここには光属性についても記載があった。
光属性魔法は光を収束し放つ炎属性魔法の派生らしいが、その特異性から一属性として確立されそうになった時期もあったそうで、光属性魔法についても多くの記載があった。
俺の知る限りでは勇者であるアルマが使っていた。
それ以外で見たことはあるだろうか。
記憶は曖昧だが多分ない。
それだけ複雑な魔法なのだろう。
そして光属性に対して存在する闇属性。
厨二心を揺さぶる響だが、残念ながら存在しないようだ。
光属性魔法で暗くもできるのに闇属性は、要らんだろうとの事だ。
俺はその文字を読んだ時薄く黄色に汚れた古紙燃やしそうになったが何とか堪えられた。
そしてそれらの属性の歴代の魔王も書かれていた。
恐らくフラムが魔王になったよりも前の古い本だ、炎属性魔王にフラムの名前はなかった。
というか、俺はその場合何属性の魔王になるのだろうか。
主に使っているのは炎属性魔法だが、地だって雷だって使うぞ?
リゼさんやノヴォルさん、レイキスさんにフラムも自身の属性魔法しか使っていないようだったし。
それを言えばヴェーダもそうだ……。
いやまてよ?
神話級スキルで魔王になるんだっけ?
その場合俺は『無間知覚』、『虚無空間』の神話級スキルを有しているから……無間魔王? 虚無魔王?
ダサくね?!
なんか別名的なやつがあるとすれば、リゼさんは淙の女王とかさ、そういうやつだよ。
俺、虚無男とかにならん?
嫌すぎる!
無間男もいやだが……。
魔王生が心配になってきた……。
俺は一旦その本を閉じ横に置き、もう1つ持ってきていた比較的新しめの本を手に取った。
その本は別段厚い訳もなく、百ページほどの厚さしかなかった。
紙は古びて黄ばんでいるわけでもなく、至って白い普通の紙だった。
【魔王】
綺麗にその金色の字が赤い布に書かれている。
恐ろしい題名が書かれている本の表紙をめくり内容を確認した。
空白のページをめくった先の2ページ目の上には目次が書かれていた。
3~25 魔王とは
26~52 覚醒条件
53~68 歴代魔王の覚醒
69~102 歴代魔王
と記載があった。
俺は69ページを開き歴代魔王について調べてみた。
そこには原初の魔王と記載があり、その下には名前と属性、年数が書かれていた。
縦1列にぎっしりと詰まる魔王の名前はそれだけでも威圧感があった。
そしてヴェーダ・タトラキスタの名は【原初の魔王】として書かれていて、生きているため当然年数は書いていない、どころか属性すら書いていなかった。
なぜ本にも名前が書かれていないんだ?
俺の頭にはいくつかの考えが浮かんだ。
・誰も知らない説
・ヴェーダ、魔王じゃない説
・書いちゃダメとか、言っちゃダメとか掟がある説
この3つだ。
最初の説は寿命的にという訳だがさすがにそれは無いだろうと破棄。
続いて2つ目の説だがそれも無いだろう。
魔王をスカウトし、統一させるという立場、だと言っていたし、俺よりもはるかに強かった。
よって無しとなる。
そして3つ目、流石にこれもなさそう。
世界全体を覆う形で結界を張っているとすれば可能かもだが、そんなの不可能に近い。
呪いなんかも俺は別に信じているわけじゃ無いし……。
謎が多い男だな……。
俺はそんな雑な言葉で済ませた。
ちなみにその本にはリゼさんの事などは記載されていない。
まぁ最近魔王になったリゼさんやレイキスさん、当然俺の事も記載はされていない。
これから発行される魔王についての本では新たな変更点が沢山あるな。
そして俺はさらにもう1つ、【世界の構成】という本を手に取った。
そこには世界が出来たその時の事が書かれている。
もちろん書いた人が実際に見たわけじゃない。
レインやヴェーダが言っていた世界を創った神、リシウス・バーディランについて記載された本だった。
リシウスは今から数千万年前に世界を創った神とされ、現在でもこの世界で信仰対象として崇められている。
この世界は比較的に新しい世界だ。
えっと、少々曖昧だが、地球が生まれたのが今から46億年前だっけ?
それに比べれば数千万年で世界を構成し、生物が生きていける星になったここは明らかに地球より優れている。
というかリシウスがこの星までもを創ったと言うなら納得はいく。
なぜこの星にそこまで固執しているのかは知らないが。
そしてその時に神、リシウスは1人の男を魔族の始祖として生み出した。
その男は世界を統べる原初の魔王として君臨させた。
この文は恐らくヴェーダの事だろう。
そして最後には
神、リシウスは死の世界へと消え去った。
と記述されていた。
なぜ神が死んだのかは書かれていなかった。
「不思議な本だったな……」
俺はそれから何列にも並ぶ本棚の間に入り、その本たちを元の場所に戻した。
(よし)
帰るか……。
俺は腰を少し曲げて体をのばし、図書館の外に出た。
外は相変わらず晴天だった。
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ディルガスキル
○常用スキル
ㅇ『管轄者』の下
・『物理耐性』・『環境効果無効』
・『身体能力強化』・『炎属性耐性』
・『思考加速』・『意識拡張』
・『生存能力強化』・『座標認識』
・『暗視』・『光属性耐性』
・『再生』・『状態異常耐性』
・『轟音耐性』・『精神攻撃体制』
〇固有スキル
ㅇ『鬼』
・『蒼炎』・『貫通』
○スキル
・『魂保存』・『時間の管理者』
・『切断者』・『万斛虐殺』
・『消化』・『分身』
・『回復』・『結界創作』
・『念話』・『空間転移』
・『白轟雷』・『精神看破』
・『炎爆燦爛球』・『地平落雷』
・『斬撃之雨』
〇神話級スキル
・『無限知覚』・『虚無空間』
〇属性適性
・『地属性適性』・『炎属性適性』
・『雷属性適性』




