第107話 毒
はぁ……。
図書館で本を読んだのなんていつぶりだろうか。
おかげで少し疲れてしまった。
「レイン、飯でも食いに行こうぜ」
「いいですね、行きましょう」
俺達は宿舎をぬけ大通りに出た。
そこはいつも通り賑やかな出店で満ちていて、甘い匂いやおもちゃなど様々なものが売られていた。
まぁ、昼間から高いもん食いたい訳でもないので俺はそこにあったパンを買った。
パンには細く切られたベーコンのような肉が散りばめられ、その上からハーブのように緑色の葉っぱが置かれていた。
決して大きい訳では無いが、食パンくらいの大きさと厚さだった。
はむっ……
「うめぇ……」
口の中に染み渡る美味しさが幸せホルモンの洪水を起こし、一瞬にして幸せでみちた。
1口、また1口とどんどん口に運んでいく。
その度に味わえる旨みは想像をこえていた。
「おっちゃん、これ美味いな」
「ありがたきお言葉……」
「また来るな!」
「ありがとうございます」
俺は店主に別れを告げ宿舎絵と戻ったのだが、そこで俺の1ヶ月と少しの平穏が崩されることになった。
「ディルガ様!」
宿舎のドアを開けた瞬間そう大きな声が聞こえた。
その声の主は村長さんの家に行かせてもらった時に会ったことがある、お孫さんのテルさんだった。
テルさんは、何やら急いだ様子で俺の宿舎に来ており、すぐにこう言った。
「ディルガ様! 来てください!」
「なぜだ?」
「……い……人が倒れたんです! 医者も手を負えない状況らしく、ディルガ様ならと思ったのです」
「わかった、住所を言え」
そう言うと不思議そうな顔を一瞬浮かべたが、すぐに承諾し住所を言っていった。
そこにテルさんを連れて転移するとそこは少しボロめの家が並んでいた。
その家の並びの中で人がやけに沢山集まっている家があった。
「あ! ディルガ様!」
「ディルガ様だって?」
「どこだ、どこだ」
「俺ですけど……患者の元に通してください」
「こちらです!」
案内された先にあったのは布団に寝ている白い顔の少年。
雪のように白いとは褒め言葉で使うが、これは本当に雪のように白くて、病状を酷く表していた。
手足は細々くやせ細り、目を空いていない。
かろうじて息はしているようだが、もう虫の息という言葉が比喩としてでは無く、真面目に虫の息だった。
(管轄者……これどうする?)
〈いつから何にかかったのか分からない現在『時間の管理者』を濫用するのはあまり良くないと思います〉
(そうだよな……『状態異常無効』とかも無いだろうし……『回復』で治るか?……)
〈さぁ……これの原因が定かではない現在それが逆効果になる可能性も無くな無いですしね……〉
これは困った……。
「彼の名は?」
「なっ、ナティルです!」
「医者は?」
「私です」
ナティルを挟むようにしてたっている男が医者らしい。
見たことの無い医者だが、髪の毛も整えられ清潔感のある人だった。
「彼の状態は?」
「それがわかりません……それ故手を出せなくて……」
「ご家族の皆様は何か心当たりは?」
俺の声は聞こえているようだったが、ナティルの家族には心当たりは無いようだった。
これは『精神看破』を使っていたから保証できる。
家族の皆さんは一生懸命考えた上で無回答だった。
「分かった、とりあえず結界を展開する。この結界の中では生命活動が半自動化される。ただし生きる気さえあればだが」
俺はすぐに結界を展開し、それから『精神看破』を使いながらナティルに話しかけた。
「ナティル! 聞こえるか! 俺の結界内では生命活動が半自動化されているから安心しろ! 君はこうなった事に何か心当たりはあるか?! 心の中でいいから教えてくれ!」
無理に『念話』を使うのはナティルの精神に負担をかけてしまうかもしれないし、魔力を消費させてしまうのでやめておいた。
するとすぐにナティルはこう言った。
(毒……)
「分かったよ、ありがとなナティル! 今助けてやる!」
毒とわかったのは大きな事だ。
これから解毒作業を始める。
良かったら☆やブックマークでの評価お願いします!
ディルガスキル
○常用スキル
ㅇ『管轄者』の下
・『物理耐性』・『環境効果無効』
・『身体能力強化』・『炎属性耐性』
・『思考加速』・『意識拡張』
・『生存能力強化』・『座標認識』
・『暗視』・『光属性耐性』
・『再生』・『状態異常耐性』
・『轟音耐性』・『精神攻撃体制』
〇固有スキル
ㅇ『鬼』
・『蒼炎』・『貫通』
○スキル
・『魂保存』・『時間の管理者』
・『切断者』・『万斛虐殺』
・『消化』・『分身』
・『回復』・『結界創作』
・『念話』・『空間転移』
・『白轟雷』・『精神看破』
・『炎爆燦爛球』・『地平落雷』
・『斬撃之雨』
〇神話級スキル
・『無限知覚』・『虚無空間』
〇属性適性
・『地属性適性』・『炎属性適性』
・『雷属性適性』




