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第103話 村長




 ドアをノックし数秒経つと返事と共にドアが開いた。

 ドアの中からは人間で言う40歳くらいの男性が出てきた。

 この方が村長さんのアノリオさんだ。

 大人らしい顔立ちに低めの声、太っている訳でもないが筋肉が着いているわけじゃない。

 髪の毛は黒がメインだが所々に白髪がある。

 白髪はアノリオさんの努力を語っているように見えた。

 優しい表情のアノリオさんに用がある事を伝えると中に入れてくれた。

 家の中も気の匂いがした。

 家具は同じ茶色系統で統一され落ち着いた雰囲気が漂っていた。

 

 木の年輪の際立つ大きなテーブルの横にある椅子に腰をかけるとアノリオさんは紅茶を出してくれた。


 「それで、なんの御用ですかな?」

 「落ち着いて聞いてくださいね。実は自分リーガル村の冒険者として働いていたのですが、その……なんやかんやありまして……」

 「ありまして?」


 緊張がほとばしる。

 まだ誰にも打ち明けていない。

当然レインにも。

 冒険者ギルドで騒ぎになるのも、その騒ぎのせいで魔王として領土を統べることを却下されるのも嫌だったからだ。

 恐らく魔王間では情報の自然共有が行われたであろうが未だ俺は誰一人として喋ってなかった。


 俺は深く深呼吸をしアノリオさんの目を見て言った。


 「魔王に覚醒しまして……」

 「うん」


 へ?

 なんだよ、めちゃくちゃ冷静じゃねぇか。

 

 アノリオさんは体を少しも動かすこと無く優しい口調で答えて見せた。

 

 「リーガル村含めたここら一体の迷い森を自分の保護領域として管轄したいのですが、そのうえで村長さんに確認と承諾をもらいたくて」

 「なるほど……いいとも、私にも利点は沢山あるようですしな」

 

 思ったよりすんなりといってしまった。

 もうちょっと激しい公論の末どちらかが折れるみたいな展開かと思ってもいたが、どうやらそんなんではなく俺の意図を理解してくれたようだ。

 その後は魔王になった事やらアノリオさんの孫の話しやら、契約後具体的に何をするかとか、アノリオさんの孫の話とか、アノリオさんの孫の話とか……いや孫の話多くね?!


 



 「すいません、お邪魔しました。ではこれからよろしくお願いします」

 「えぇ、よろしく頼むよ」


 それからなんやかんや数時間話し込んでしまって、現在夜の8時。

 もうすっかり外は暗くなっている。

 空の端っこが少し青い気もするが、星も出ているくらいには夜になっている。

 アノリオさんの家の近くに他の家は見当たらないが、遠くの家の光が外に漏れ相変わらず綺麗な光景を広げていた。

 暗い空に立ちのぼる白く柔らかな出店の煙は俺の食欲を増幅させた。

 アノリオさんと別れた後暗い道を通って宿舎へと帰っていった。

 村は段々と騒がしさを取り戻していった。

 村の中心に位置する噴水の周りはいつにも増して賑やかであった。

 ふと門をくぐりその場に出た時である


 「「「ディルガ! 【白】階級! おめでとー!!!」」」


 「は? なんだなんだ?!」


 場にいる冒険者や村人、商人など様々な人が一斉にこちらを向くと同時に、綺麗に合わせられた声で祝いの言葉を俺にはなった。

 場にはレインやティアさん、リーフルさんにスーニャさん、ヴェル厶さんにジャンさんまで【赤】階級の冒険者まで集まっていた。

 そして回復魔法師のガイラもいた。


 「いやーディルガ殿が【白】階級になったなんて! 非常におめでたい事ですね!」

 「レイン、お前は俺の昇格を利用して美味いもん食いたいだけでは?」

 「げっ……」


 バレバレじゃねぇか。

 『精神看破』使わなくてもバレバレだそレイン。


 「おいディルガぁァはっはっはっはっ!」

 「おめでとうディルガ」

 「ありがとうございます」


 「ディルガさん! その……おめでとうございます!」

 「ありがとうございますスーニャさん」


 「いやぁディルガさんすごいっすね!

 【緑】階級だった頃は何だこの人とか思ってたのに、いやー今になってみれば【白】階級ですか、越されてしまいましたね!」

 「おいガイラ、一言多いぞ」


 様々な方々にお祝いの言葉を言われた。

 緊張して、殺伐的な世界に呆れて、命を奪って気を落としていた俺に笑顔が増えた気がした。

 周りのみんなの顔にも笑顔が実っている。

 あの時とは違う。

 原型すら残らずに惨殺された時とは笑顔の数が違う。


 「おーし! お前ら飲むぞー!!!」


 俺が魔王になったなんていざ知らず、暗い空の下で1夜宴に酔いしれていったのだった。

 

 

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ディルガスキル



○常用スキル

ㅇ『管轄者』の下

・『物理耐性』・『環境効果無効』

・『身体能力強化』・『炎属性耐性』

・『思考加速』・『意識拡張』

・『生存能力強化』・『座標認識』

・『暗視』・『光属性耐性』

・『再生』・『状態異常耐性』

・『轟音耐性』・『精神攻撃体制』


〇固有スキル

ㅇ『鬼』

・『蒼炎』・『貫通』


○スキル

・『魂保存』・『時間の管理者』

・『切断者』・『万斛虐殺』

・『消化』・『分身』

・『回復』・『結界創作』

・『念話』・『空間転移』

・『白轟雷』・『精神看破』

・『炎爆燦爛球』・『地平落雷』

・『斬撃之雨』


〇神話級スキル

・『無限知覚』・『虚無空間』



〇属性適性

・『地属性適性』・『炎属性適性』

・『雷属性適性』

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