7 護衛の装備を見直していこう 4
もともと、一般の警察では、そこまで強力な銃は必要とされてない。
大半の犯罪者は防弾チョッキなど身につけない。
武装も棒きれがせいぜい。
それらを相手に、近距離で向かい合う事がほとんどだ。
ならば威力の小さな銃弾でも十分だった。
当たれば確実に傷を付けて動きを鈍らせる。
反動もほとんどなく、狙いが付けやすい。
しかも、銃が全体的に軽くなる。
扱いやすくなる。
銃を使う事が日本よりは多い国である。
そんな国で重くかさばって、反動も大きな銃は疲れる。
それよりは、威力が低くて、射程が短くても、当てやすい銃弾の方が楽だ。
大半の犯罪者はこれで動きを止めるのだから。
また、防弾チョッキが支給された事で被害が減った。
犯罪者が銃を使うことは滅多にない。
しかし、全くないとはいえない。
密輸・密造された銃が出てくる事もある。
そうした時に、防弾チョッキが役に立つ。
これで命を救われる警察官も増えていった。
これ以外の法執行機関も同じだ。
小型拳銃弾と小さな拳銃はこういう所でうってつけだ。
仕事柄、潜入捜査なども多く、大きな拳銃は使いにくい。
はっきり言えば邪魔になる。
隠しにくいし、取り出しにくい。
それだけで各機関員には不評だった。
だが、小さな拳銃弾を使い、拳銃も小さくなると話は変わる。
携帯に便利で、取り出すときも邪魔にならない。
小型なので重くもない。
装備してある決まっても大きな問題になりにくい。
概ね高評価と好評価を得ていく。
もちろん防弾チョッキも支給している。
おかげで死亡者も負傷者も減っている。
反体制テロリストやゲリラが横行するこの国において、これは大きな意義を持つこととなる。
こうして警察も各機関も日々の業務がしやすくなっていった。
殉職者は減って、制圧できる犯罪者が増える。
独裁体制をゆるがす問題は次々に排除されていく。
独裁体制を長続きさせる事が良いとは思えないが。
しかし、独裁者の護衛と警察と法執行機関は大喜びだった。
これまで一般的だった弾薬。
9ミリ弾の強力なものと反動が控えめなもの。
45口径の強力な弾丸。
これらは当たれば確かに強い。
しかし、反動も強い。
なのでまともに使えない事の方が多かった。
この問題が一気に解決した。
ノボルが提案した32口径の兼銃弾は反動がほとんどない。
威力も小さいが、これは問題にならない。
人間の体を貫通するだけの強さはしっかりと持ってるのだから。
これだけの威力があれば、制圧には十分だ。
また、威力が小さいから余計な問題もおこらない。
当たらなかった弾丸が周辺に被害をもたらす可能性が小さい。
なにせ壁を貫通する事もなく、跳ね返ってそこらを飛び交う可能性も小さいのだから。
民衆の被害など気にしない独裁国家だが、無駄に損害を増やさないのはありがたい事だった。
なにせ、人が死んだり怪我をすれば、それだけ労働力が減るのだから。
人権も人道も人命も気にしないが。
しかし、働く奴隷が減るのは大問題になる。
この問題を減らす威力の低い弾丸は、独裁国家でも好ましく受け取られていった。
更にありがたいのは、弾丸と銃がほぼ統一された事。
これで金も手間も大幅に減らす事が出来るようになった。




