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3 独裁者の子供に生まれ変わりました 3

「おお、息子よ!」

 執務室に入ってきたノボルを、大統領である父は笑顔で迎えた。

 日中の仕事中にである。

 公私の分別などどこにもない。



 だから独裁者なのである。

 全てを好き勝手にやる我が儘を通すのだから。

 まともに仕事をするなら、こんな事をしていない。



 しかし、ノボルには好都合である。

 独裁者であるから好きなようにできる。

 そして、父である独裁者にはノボルに都合のよい性質があった。

 子供に激甘なのだ。



「おおおおおお!

 息子よおおおおおお!」

 執務中だというのに父は大声で息子を迎え入れる。

 その暑苦しさに辟易する。

 だが、今はこの性質を利用するしかない。



「どうしたんだいったい?

 お父さんに何かご用かな?」

 これ以上ないほどご機嫌に尋ねてくる。

 ここだけ見ると、子煩悩極まった親馬鹿パパでしかない。

 これで気に入らない人間を見ればその場で射殺するのだから恐ろしい。

 そんな父親である独裁者に、ノボルは考えていた事をぶつけていく。



「父上!」

「うむ!」

「お願いがあります!」

「なんと!」

 大げさに驚く独裁者。

「なんだ、何が欲しい?

 お小遣いか?

 お菓子か?

 それとも、お友達か?」

「どれかというならお友達です」

「ほう、そうかそうか」

 独裁者、まなこを細めて喜ぶ。

 5歳になる我が子も、お友達が欲しい年頃になったかと。



 しかし。

 ノボルが頼んだオトモダチは、独裁者の想像力をはみ出していた。



「はい。

 あのかっこいいお兄さん達が欲しいです」

 そう言って指をさすのは、大統領警護のSP達。

「あの人たちをオトモダチにください」

「なに、あれをか?」

 さすがに独裁者も困惑する。

 なんで大統領警護の、いわゆるSPやシークレットサービスをほしがるのかと。

 しかし、そこは親馬鹿であり、馬鹿親である。



「駄目ですか?」

「いいぞ、すぐにもっていけ!」

 頼み事は断らない、子供のおねだりは無制限に受け付ける。

 そんな独裁者に躊躇いはなかった。



 こうしてノボルは、身の回りを守る兵隊を手に入れた。

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