2 独裁者の子供に生まれ変わりました 2
だが、嘆いていても始まらない。
最悪の国であるが、こんな国で生まれたのだ。
生き残るためには何とかしないといけない。
「でも、どうすっかな」
方法はなかなか見つからないが。
とにかく終わってるのだ。
産業がない。
田畑を作るにも国土は砂漠だらけ。
資源を掘ろうにも、そんなものもなる。
仮にあったとしても、採掘するだけの金も技術もない。
ならば知的分野、学問や研究などでといきたいが、そもそも小学校するらまともになり。
学校教育など夢のまた夢。
第一、学校に子供を通わせられない。
誰もが等しく飢えている。
誰もが一律平等に貧乏である。
そんな状況で子供を学ばせる余裕などあるわけがない。
子供だけは生まれてくる。
楽しみがない国なので、必然的に娯楽は一つになる。
その結果として子供が生まれる。
生まれて、ほとんどがすぐに死ぬ。
こんな国で何をどうやれば良いのか?
方法が分かれば苦労はしない。
ただ、放置するわけにもいかない。
このままでは、いずれ国は滅びる。
それが民衆による革命によるものか。
民衆が疲弊し衰退し、労働すらままならなくなってからか。
どっちにしろ、ノボルの比較的贅沢な暮らしは終わってしまう。
「それだけは回避しないと」
別に世のため人のためではない。
国の未来を憂いてるわけでもない。
輝かしい明日を作りたいわけでもない。
現代日本並みの快適な生活。
これだけを確保したいからだ。
他の事など銅でもいい。
「遊んで暮らせるこの生活。
絶対に守り抜く!」
決意は固く、志は低い。
しかし、やる気だけは確かにあった。
もう二度と、学校犯罪の被害にあったり、ブラック企業で虐げれたくなかった。
どうせなら虐げる側として、ぜいたくの限りを尽くしたかった。
苦労に苦労を重ねた前世の記憶から生まれる信念だ。
報われない善人より、栄耀栄華を誇る悪人。
ならば悪人になった方が良い。
これがノボルが日本で生まれ育って得た貴重な教訓である。
では、何からやるか?
前世の73年と、今世の5年の人生経験を総動員して考える。
今の状況と立場で出来る事を。
「……あれくらいかなあ」
思いつくことはある。
というより、今はそれしか手段が見つからなかった。
なので、それを早速実践していく事にした。
思い立ったが吉日である。
そして割と広大な大統領官邸の中。
私物化されてる自宅の中を歩いて目的地へと無かう。
大統領執務室へ。
そこでノックを数回。
扉が開くと、
「父上!」
愛想笑いと共に駆け寄っていく。




