29 警察と軍隊に更に手を入れよう 3
AK47。
威力はそれなりに強い。
射程はもそれなりにある。
命中精度は残念なもの。
ただし、連射ができて、30発を装填できる。
必要な要素は全て盛り込んだ歩兵銃である。
なので、決して無能ではない。
だが、同じような弾丸を使う先進国の銃と比べると見劣りする。
威力も射程も命中精度も。
しかし、ノボルが見たのはここではない。
確実に動く。
これがAK47のもつ最大の特徴である。
銃も、部品の組み合わせで動く機械だ。
泥やほこりなどで故障する。
適切な整備をしないと、それだけで動かなくなる。
砂漠の国ではこういった問題が起こりやすい。
だが、AK47はこういった心配が少ない。
整備が不要とはならないが、雑に扱っても動いてくれる。
まして教育水準の低い国だ。
学校教育以前に、道徳やマナーといった精神的な部分が雑な者が多い。
これらもおいおい解決していきたいが、まだ手がつけられない。
ならば道具のほうから変えていく。
使い方が荒くてもそれなりに動くものを用意する。
これで、故障を少しでも減らす。
装備統一の利点もある。
同じ物ならば、使う部品も同じ。
同一品を輸入するなり作ればいい。
それだけ手間が減る。
問題もある。
一つに絞るという事は、製造元や供給元に全てを握られる。
今回の場合、ハ連が元締めとなる。
これに逆らう事が難しくなる。
背けば、それだけで銃の供給が止められる。
だが、これはたいした問題ではない。
もともと、ハ連の属国のようなものなのだ。
今更これが強化されようと、たいした違いではない。
そもそも、独裁国家に物を供給してくれる国はほとんどない。
前世の地球における西側、民主主義陣営にあたるこの世界の国々。
これらは独裁国家への輸出入を制限している。
これらから物を直接手に入れる事はできない。
武器ならなおさらだ。
もっとも、それならそれで、別に国を経由すればいいだけだが。
これはこれで手間と時間と金がかかるから避けたかった。
というわけで、取引相手はもとから1人しかいない。
選択の余地が無い独裁国家にとって、支配が強まる事などたいした問題ではなかった。
それよりも確実に動く兵器が手に入る利点の方が大きい。
修理や整備、管理の手間が減る事も。
これで武装を統一する事で、余計な出費が減る。
今まで使っていた銃は倉庫に入れて、使える状態を出来るだけ保つ。
捨てるのは勿体ない。
足りない時に使えるかもしれないのだから。
売り払う事も考えたが、しばらくは控えるつもりでいる。
これに合わせて、歩兵用の兵器もハ連に合わせていく。
機関銃、手榴弾、ロケットランチャー、無反動砲、迫撃砲。
歩兵用の対戦車ミサイルや対空ミサイルも欲しいが、これら高くて手が届かない。
まずは安くて数が揃えやすいものを集めていく。
すぐにとはいかない。
金も時間もかかる。
だが、動かせる金を使っていく事で、これらは着々と集まっていく。
そして、その分だけ必要経費が少なくなる。
浮いた金が増える。
その分でさらに買い集める。
この循環が始まった。
同時に、いくつかはライセンス生産を始める。
製造許可をもらって自国で作っていく。
最初は交換部品を作るところから。
銃をはじめとした兵器を自ら作るのはまだできない。
だが、少しでも工業力を養うために、小さな事から初めていく。
兵器がハ連一色になっていく。
これらが小型バイク、軽トラック、ランドクルーザーと組み合わさっていく。
歩いて移動が基本の軍隊が、迅速な移動を可能としていく。
大砲も、分厚い装甲もない。
だが、戦闘力は格段に跳ね上がった。
それでいて、必要経費は下がった。
雑多な兵器を並べるのではなく、できる限り同一品で揃えていった。
軍事費はかなり減る。
だが、戦闘力は2倍3倍に跳ね上がる。
戦車や戦闘機といったわかりやすい兵器があるわけではない。
だが、軍隊の基本である歩兵の戦闘力が格段にあがった。
これだけで隣接国をはるかにしのぐ戦闘力となっている。
さらに、通信機や発電機、キャンプ用品や保存食なども追加していく。
浮いた予算でこれらを追加・更新した。
これも地味に戦闘力を跳ね上げる。
直接戦う以外の部分を大幅に増強できるので。
軍の宿舎にも手を入れていく。
後回しにされがちな部分だ。
ここを快適にすることで、兵士が軍で働く理由を強めていく。
なにせ貧しい国だ。
床と壁と天井のある生活空間だけで、求人で有利になる。
一番危険な仕事に従事する者を大幅に確保できた。
浮いた予算でこれだけの事ができた。
兵力確保も順調に進んでいった。




