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ドクサイ君! ~異世界転生したら独裁者の子供だった、でもこの国終わってますよね?~  作者: よぎそーと
2章

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23 闇市の摘発、恐怖政治がつくる平穏な社会

 ボールペンや紙は決して高いものではない。

 だが、便利であればそれだけで価値が出て来る。

 少しでも自分の分を確保しようと、自分の懐に入れていく。

 これを許すほどノボルは優しくも甘くも無かった。



 どんな小さな事でも、悪事である。

 誰かに損失や損害がもたらされている。

 小さな事だからと放置していたら大きな問題になる。



 小さな事でも厳罰で処刑する。

 この厳しさがなければいけない。

 悪さをする奴は、決して反省をしない。

 己をあらためたりはしない。

 そんなものをのさばらせるわけにはいかない。



「見つけて殺してくれ」

 配下の者達に言いつける。

 捕まえろではなく。

 殺せと。

「国の、父上の物を奪ったのだ。

 絶対に許さない」

 口実も用意しておいた。



 命令は速やかに実行された。

 ノボルの配下が各地に飛び、秘密警察さえも動かしていく。

 諜報機関すらも動かし、小さな悪事を見つけ出していく。

 日頃忙しい秘密警察や諜報機関だが、誰も逆らわずに動いた。

 独裁者の一族の命令には従うしかない。



 だが、これが思わぬ発見へとつながっていく。

 物品を盗んで言った者達。

 規模は小さくても横領を働いた者達のあとをたどると、いくつかは大きな所にたどり着いた。

 まだ生き残ってる反社会・犯罪組織へ。

 これらが営む闇市に。



 更には、これらを資金源としてるテロリスト。

 民主主義者に革命勢力。

 外国と同調する国際主義者。

 独裁国家の敵へといたる事が出来た。



 たかだかボールペンや紙、鉛筆に消しゴムといったものである。

 だが、そんなものでもこの国では簡単にテに入らない貴重品。

 それも使い心地のよい高品質とくれば、求める者は多い。

 そんな需要に対して、政府から盗んでくる者達が供給源になる。



 この流れが見つかった事で、まだ残っていた様々な組織や個人を見つける事が出来た。

 これらは容赦なく殺されていく。

 悪人に情けを無用。

 生かしておけば、いつかどこかでまた悪さをする。

 ならば、見つけ次第処分する。



 ただ、ここでノボルが提案した装備が活きてくる。

 発煙と催涙の手榴弾。

 これらが悪人共の生け捕りを可能にする。

 おかげでテロリストや犯罪組織の連中をほぼ無傷でとらえる事が出来た。

 情報をはき出させることができる。



 殺してもよい。

 むしろそうしろとノボルは命じてる。

 生け捕りにするのはとてつもなく面倒がかかる。

 捕まえる側に被害者が出る可能性が高い。

 そうなるくらいなら、敵を殺した方がよい。



 だが、生きて捕まえられるならそれでもかまわなかった。

 それはそれでありがたい。

 情報をはき出させることができる。



 死んだ人間は何もしゃべらない。

 だが、生きていれば何かを聞き出せる可能性がある。

 だからこそ生け捕りにする価値はあった。

 何かを喋るならありがたい。

 何も言わないならそれでいい。

 殺せばいいだけなのだから。



 殺さないまでも、労働力にする事は出来る。

 炎天下の砂漠での作業。

 これらを行わせるのに都合がよい。

 背けない状態にしておかねばならないが。

 それもさほど問題は無い。



 労働力としての効率は悪い。

 やる気がないのだから仕方ない。

 だが、それはそれでかまわなかった。

 死ぬまで使い潰すのが目的だ。

 労働効率を上げる必要は無い。

 何もしないよりはマシ程度の労働をして、最後は野垂れ死にしてくれればいい。

 砂漠で死ねば、貴重な肥料になってくれる。



 こうして導入した文房具は思わぬおまけも作ってくれた。

 闇市と、これを作ってる組織と構成員の発見。

 これらへの協力者もだ。

 独裁体制はますます堅固なものになっていく。



 政府内の横領経路も発見されていく。

 これらは国家反逆罪として本人だけでなく、親兄弟に配偶者と子供も殺されていく。

 当然の処置である。

 こうしないと、相互監視が働かない。

 むしろ、盗品で儲けた事を周りの人間も喜び、賛同し、協力していく。

 これを避けるためには、やらかした者だけの処分で駄目なのだ。



 身内が何かやらかしたら、自分も殺される。

 この恐怖が相互監視を働かせる。

 悪さを認めない倫理や道徳、規律を作っていく。



 もちろん、逃げ道も用意する。

 発見して通報したら、一族連座は免除する。

 こうしておけば、周りにいる家族からの通報が送られてくる。

 人間、自分が生き残る為なら、喜んで他人を提供するのだから。

 それが身内でもだ。

 どれだけ濃い血のつながりがあろうと、時分以外は他人。

 その他人のせいで時分が殺される事を受け入れる人間はいない。



 これが広く国内に伝えられる。

 おかげであちこちから内部通報が送られてくる事になった。

 問題を起こす者が激減していく。



 恐怖は人を勤勉にする。

 恐怖は人に規律を守る義務感を抱かせる。

 恐怖こそが人に善意を呼び起こさせる。

 優しさや温情など、悪人をはびこらせるだけの害悪でしかない。



 この真理をノボルは前世でいやというほど思い知った。

 優しくすればつけ込まれる。

 相手を殺す覚悟が平和を生む。

 それは生まれ変わったこの世界でも同じだった。



 だからノボルは進んで恐怖をもたらしていった。

 悪さができないように。

 やれば死ぬとはっきりと知らしめる事で。



 小さな文房具がきっかけになってくれた。

 駄目な連中をあぶりだしてくれた。

 少額の商品で問題を見つけ出し、壊滅させる事が出来た。

 おかげでより高額な製品を買い込む事が出来る。

 流出経路が潰れて、外に流れる事が無くなったから。

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