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[完結]【猟奇的サイコスリラー】イミテーション  作者: てっぺーさま
第五章 破滅へのカウントダウン

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だまし合い

【悪魔も聖書を引用できる——】


衝撃のラスト!

あなたはきっと騙される!!

「たっくん、やったよ! 佐藤から弁護士紹介してもらった!」

 電話越しに、美穂の弾んだ声が響いた。

 拓海は彼女の成果に満足した。ただし、彼女が聞き出した弁護士が、佐藤が保険を託した弁護士と同一人物とは限らない。それでも、事態が前に進んだ感はあった。

「よくやったな、美穂。それにしても、思ってたより早く聞き出せたな」

「うん。あいつ、最近あたしを指名してくれるようになったから」

「そうか。それはよかった」

 するとここで、美穂が小さく笑い出した。思い出し笑いのようだ。

「どうした?」

「たっくん聞いて。めっちゃ面白いの。あいつね、たっくんのこと、スパイしろって言ってきたんだよ」

「ん? どういうこと?」

「えっとね——」

 美穂が詳細を話し始める。

 話を聞き終えて、拓海は愉快な気持ちになった。

「あいつ、そんなことを」

「ねえ、面白いでしょ? 自分がスパイされてるのに、たっくんをスパイしろだなんて、超ウケるんだけど」

「まるでブラックジョークだな」

 相手よりも、一枚も二枚もうまく立ち回れている気がして気分が良かった。このまま美穂の力を借りて、佐藤を手玉に取ってやりたかった。

「そういえばあいつ、たっくんの舞台褒めてたよ」

「へえ。じゃあ、前に言われた言葉は社交辞令じゃなかったわけか。それはそれで、悪い気はしないな」

 不思議と佐藤への嫌悪感が薄らいでいく。好意を持たれると簡単に心を許してしまう。人間とは単純な生き物だ。

「あたしのことを知ってる人がいなければ、あいつの依頼を引き受けるふりもできたんだけどね」

 美穂は何度か劇団の打ち上げに参加していたため、古株の団員たちには顔が知られていた。

「たっくん、あたし思ったんだけどさ……」

「何?」

「もしかしたらあいつ、他の人に頼んでスパイみたいなことさせてるかもしれないよ。だから気をつけてね」

 美穂の言う通りかもしれなかった。拓海が美穂を使って探りを入れているように、佐藤も同じことをしている可能性はあった。美穂にだまされている佐藤を笑い者にしたが、明日は我が身かもしれないのだ。今までは佐藤のことを〝共犯者〟と認識していたが、これからは〝敵〟とみなす必要がありそうだ。

「美穂、弁護士を聞き出すっていう当初の目的は達成できたけど、もうしばらく店にいてもらってもいいか? できれば、佐藤の動向を今後も把握しておきたい」

 拓海がそう言うと、すぐに美穂の明るい声が耳に飛び込んできた。

「だいじょうぶだよ。あたしもそのほうがいいと思ってたんだ」

「助かる。だけど、無理はしないでくれ」

「わかってる。それより、たっくんのほうこそ、あまり無茶はしないでね」

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