第80話 下積み冒険者は移動二日目の朝をむかえる
ウルフの群れの襲撃の後は魔物のが現れることはなかったようで無事夜が明け、朝をむかえた。
慣れない環境のせいであろう住民たちの顔には抜けきれていない疲労が伺えた。下位とはいえ冒険者である私たちですら精神的な緊張を覚えるのだ一般人が大半の住民たちでは想像することもないだろう。
しかし、私たちはアインスへの避難の真っ最中で、高位冒険者たちがキラーアント本隊は足止めしてくれているが、いつはぐれた魔物に襲われるかわかったものではない。夜が明けた今、先を急がねばならない。
簡易的な朝食を終えた避難者一行はアインスへの2日目の移動を開始するのであった。
昨日と同様、最後尾で護衛をしながら足を進めるなか私は昨日の夜警の際の魔物との戦いを思い返していた。
夜中で周囲の様子も伺うことができず『操気術』の聴剄で相手の気配を頼りに戦ったのだが以前に比べスキルを手に入れたおかげか相手をよく把握することができた。
さらにはゴブリンを奇襲でしとめた後に出てきたスライムではスライムの持つ気の中心を断ったところ、今までではスライムの持つ物理耐性のせいでダメージを与えることはできても断ち切ることはできなかったのだが今回視界がきかない中でスライムの体を切断することに成功した。
はじめ手ごたえの違いから驚いたが、聴剄の気配からスライムの気が霧散していったのがわかり、そこでやっとスライムの体を切断したことがわかった。
ここで疑問に思ったのが何故以前は断ち切ることのできなかったスライムを断つことができるようになったかである。はじめにレベルが上がり、鍛錬で実力があがったかと考えたもののスライム以外ではそんなに劇的な変化はなかったため違うと思われる。結果私の中で予想として立てたのは気の中心というのは体の芯のようなものであり、そこをうまく攻撃することでゲームで言うところのクリティカルになるのではないかということだ。
この予想があっているかどうかはわからない。現状スライム以外で狙いやすい魔物もいないが今後も検証していこうと思う。
そうして今まで以上に『操気術』の聴剄を鍛えていこうと考えていると、【気配探知】に魔物の群れがひっかかる。
相手はホブゴブリンとゴブリンの群れである。数が少し多いが昨日と同じ様な展開にデジャビュを感じてならない。しかし、今回は護衛も増えたし、もう1人のEランク冒険者も今度は大丈夫であろう。Dランクの奴がなにもやらかさなかったら…。




