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メモからはじめる魔物図鑑  作者: 平凡な三十代
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第73話 下積み冒険者はアインスに向け出発する

第3開拓村からアインスまで移動することになるのだがもちろん移動手段は徒歩であり、その距離は歩いて4日から5日と言われている。しかし今回に限ってはさらにかかるだろうとメガネも言っていた。


今回移動するのは戦闘のできない一般人が大半で中には子どもや老人なども含まれている。数少ない馬車には妊婦や赤子を優先させたためだ。

さらにはこれだけの人数だ魔物に見つかりやすく戦闘を避けるのは難しいに違いない。一週間程度を見越しておいた方がいいだろう。


一刻も早くアインスからの応援と合流できることを願うしかないだろう。



アインスへ出発することになり、残る足止め班の冒険者達を見る。


師匠を始め、マスター、見覚えのある冒険者たち、皆の顔には悲壮感など一切なく笑みさえ浮かぶようであり、住民や私たち下位冒険者には心強いものである。


「足止め班のリーダーを務めるAランク冒険者のツバキです。我々が一時でも長く足止めしてみせますから皆さんはギルドマスターの指示に従って慌てず避難して下さい。我々も死ぬつもりはありません。アインスでまた会いましょう」



師匠の言葉に住民は拍手や歓声で答え、移動を開始する。


私はドワ子と同じ最後尾のため少し待機時間があったため師匠のもとへと向かう。


「レジュメ、ディクト大規模な魔物に襲われるとしたらそれは最後尾よ。死ぬんじゃないよ」


「はい、アインスで会いましょう」


マスターとも言葉を交わす。


「リンを頼む」


「わかりました、この命にかけて」


芝居がかった風に答えるとマスターにゲンコツを落とされる。


「お前も死ぬな」


「はい」


ちょっと泣きそうになったのはゲンコツが痛かったからに違いない。



最後尾も移動になり私とドワ子も配置につき移動を開始する。


ドワ子もマスターと話したのか目が若干赤くなっていた。


私は大人なので気付かぬふりをして周囲を目を向ける。



異世界に転移して約1年、開拓村からの移動は大変なものになりそうである。

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