第71話 下積み冒険者はギルドの対策を聞く
師匠の報告により喧騒につつまれるギルドであったがメガネがその場を静める。
「静かに! これから対策会議を行います。今いる冒険者はギルドからでないように職員は手分けして村を回り、冒険者の召集と住民への周知を行いなさい。緊急依頼を発動し、スタンピードの足止めと住民の護衛に分かれ、アインスの避難することになるでしょう。すぐにでも出られる準備をするように伝えなさい」
「わかりました!」
職員達は急いで外へ出て行く。
師匠は対策会議に呼ばれるようだ、何人かの冒険者とギルド職員とともに奥に入っていく。
私たち木っ端冒険者は待機だ。
緊急依頼は今回のような突発的非常事態に発動され、まず拒否することはできない。もし拒否したらギルド登録が抹消され、二度と登録ができなくなるため冒険者を辞めることになるのだ。普通の冒険者は拒否することはない。
30分ほどたっただろうか続々とギルドには冒険者が集まってきている。奥から会議を終えたメンバーが出て来る。
メガネが先頭に立ち会議の決定を伝えるようだ。
「今から住民に召集をかけ、集まり次第アインスへと避難を開始します。冒険者である貴女方には2つの班に分かれてもらいます。Dランク冒険者を半数に分け、その者たちとそれより下のランクの者で住民を護衛しながら避難を行います。残りのDランクとCランク以上が殿となりスタンピードの足止めを行います。護衛班のリーダーを私、クロードが、殿班のリーダーをAランク冒険者のツバキ殿が務める不満があれば申し出てください」
メガネが周りを見渡すが意見する冒険者はいない。
そこで師匠が全員に聞こえるように言う。
「足止め班を率いさせて頂くAランク冒険者のツバキです。ギルドマスターは危険に見合う報酬を出すと約束してくれました。アインスまで依頼を完遂し、アインスの冒険者ギルドからむしりとってやりましょう」
冒険者達に笑顔が浮かぶ。現金なことだが命をかける冒険者にとって報酬は大事なことだ。
流石は場数を踏んだ師匠である、固かった雰囲気が軟化され,士気もあがったように感じる。
「では、Dランク以上の冒険者はツバキ殿のところへ、それ以外は私のところへ集まって下さい」
私はメガネのところへ移動する。少しして殿班の方からDランクの半数が護衛班に移ってきた。ドワ子も護衛班に回されたようである。冒険者の仲間や友達がいないためちょっと安心した。
「リーダーは私ですが私は隊列の先頭を行くため後ろに目が届かないことがあるでしょう。そこでギルド職員でDランク冒険者のリン君をサブリーダーとして最後尾に行ってもらう。彼女はあんな見た目だがBランク冒険者で酒場のマスターのグスタフの娘で戦闘に関しては折り紙つきだ。しっかり指示を聞くように。それで隊列については……」
メガネ主導の元に話は続き編成が決まった。




